「武装商店」様HPで2015(平成27)年10/2「やや変り種の短刀です」で紹介された試作短刀のお話です。
10/14でも紹介しました、「武装商店」様不定期の〝問屋倉庫からこんにちは〟で発見された、ほぼ外装が黒尽くめ、軽めで小振りの短刀です。
柄頭には身をうねらせる龍が表現されています。
柄下地は白鮫の短冊着せ。
金色の龍が玉を持っていますが、柄巻で全体像が見えなくなっています。残念。
黒の柄糸は、陽当たりが良かったために褪色してしまいました。善き時を見計らって革巻きに替えようと考えています。
鍔は珍しい形です。龍がギュルンギュルン廻っている造型です。
縁金具の差し表側にもドラゴンが現れています。金具は龍尽くしになっているのです。
視点を変えて、龍の姿をした鍔の全体像はこの様な感じです。
切羽は黒染めが落ちて褐色化が進んだのか、銅色の切羽だったのが経年により褪色してしまったのか、判断がつきません。
柄の差し裏側の様子です。柄としては地味な普通の拵えです(但し、鍔は除く)。
いよいよ、刀身にいってみましょう。
抜き身、差し表はこの様になっています。
横手などは見られず、鎬のラインが切先に自然と収まっています。
「棟」(むね:刀身の背、「峰」〔みね〕とも)の重ねを薄くする「棟を盗む」という加工がなされています。
照明の反射で中央部分が見えなくなっていますが、雲がたなびく様な刃文です。
鍔元に見える刃文が「富士山」を象っています。これは偶然の産物ではなく、意図的に富士山をイメージした刃文です。
刃文の全体像が見えています。
細い直刃に富士山と山並み(もしくは雲)をイメージした刃文が重なる二重刃文になっています。
また、棟が薄くなっているのが判りますね。
鎺が美術刀用の物なので、柄巻を交換する際に、一緒に変えてしまおうと思います。
鞘を払った、差し裏側の様子です。
差し表と同様に、鍔元には富士山が見えています。
鎬線が切先へと伸びている様が判りますね。
差し裏側を立ててみた画像です。
照明の当たり具合で、富士山が輝いているように見えますね。偶然の産物です。
最後に、カッコよく撮れた刀身の画像をのせました。
やはり、鎺を替えなければなりませんな。
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