阿修羅(イスム「掌」 極彩色仕様旧版 300体限定)

2021(令和3)年に発売された興福寺モデルの〝天竜八部衆〟の紹介で、「七部衆セット」を選択したため、既に迎えていたTanaCOCOROサイズ阿修羅と組み合わせた画像を撮って載せました。今回は、残存する顔料などから造像時の姿を想像した〝極彩色の阿修羅〟のお話をしましょう。

2012(平成24)年5月に掌・阿修羅の別ヴァージョンとして、300体限定で発売されました。「リアル仏像」のStandardサイズが廃盤となっていたことで、掌サイズの極彩色・阿修羅の発売は、とても嬉しい事でした。

ブロンズ風/アンティークゴールド阿修羅のところでもお断りしていますが、詳細についてはStandardサイズや特別版などで触れています(これからも触れていきます)ので、純粋に造形を楽しんでいきまする。

 

 

全体像、その一。
朱色(赤)で全体が彩られ、装飾が細かく丁寧に表現されていますね。
阿修羅像を置いているところが黒いので、朱色(赤)の彩色がとても映えています。

 

 

全体像、その二。
光が当たっていることで、身体の内側からエネルギーが発散されているかの様な印象の全体像です。
2枚とも、全て同じ阿修羅像の画像なのです。

 

 

360度まわると、こんな感じです。

 

 

 

後ろ姿の全体像。
通常は、阿修羅像の背後の様子を目にする機会が稀ですが、こうしたインテリア仏像(他社だと仏像フィギュア)を入手すれば、様々な角度から像の姿を楽しむことができます。

 

 

顔の正面はこんな感じ。
極彩色仕様ということで眉も髭も、そして目のラインが〝一発勝負〟で描かれています。
ブロンズ風/アンティークゴールドでは凹凸と光の当たり具合で移(うつ)ろう表情を楽しむことができますが、極彩色仕様だと描かれたラインで表情が定まってしまいます。「極彩色」がセールスポイントなので、TanaCOCOROサイズであっても、かなり気合いが入った彩色等になっています。

 

 

垂髻の様子を観ていきます。
3つの顔の頭部から、頭髪がそれぞれ頭頂部に向かってたくし上げられています。
頭頂部で垂直に髷を立て、この髷のまわりに巻いたり、上部から束ねた髪を各方向に垂らしています。

 

 

垂髻の様子を左側から、右側から観ています。

 

 

こちらは後頭部を左側から、右側から観た画像です。
綺麗に整えられていますが、実際にこの頭髪(垂髻)を再現することはできるのでしょうかね?

 

 

正面の顔からすると後頭部の様子です。
茶色の頭髪に截金(きりかね)風にゴールドのラインが加えられ、頭髪の流れが見事に細やかに表現されています。

 

 

阿修羅像の垂髻を実現することは難しいのではないか?
と、先ほど触れましたが、垂髻の頂部に焦点を当てると益々、再現することが不可能であるという結論に到達してしまいます。

 

 

正面の顔、アップで観ています。
ブロンズ風/アンティークゴールドでは判り辛く、通常版でもよく観察しないと気付きませんが、極彩色仕様ではハッキリと髭の〝くるりん〟としたラインが見て取れます。

 

 

正面の顔と、右側の顔の両方を見ています。

 

 

 

はい、3枚の画像で右側の顔の表情を観ています。
眉の顰め方と瞳、更に下唇を噛んでいることで嶮しい表情が判ります。

 

 

では次、正面の顔と、左側の顔の両方を見ています。

 

 

 

左側の顔のアップです。眉を顰めた、渋い表情です。冷たい眼差しですな。

 

 

胸元の瓔珞の様子です。
首に掛けるネックレス状態にはなっていないのですよね。
恐らく、失われてしまったと考えられている天衣の形状によるものと推測されています。
左肩から右脇へと流れている条帛には模様のみならず、縁取りとして金色のラインも施されています。

 

 

合掌している手の状態です。
掌を合わせた合掌は、身体の中心・正中線から向かって右側にズレています。
造像当初は正中線で合掌していた様ですが、後世の修理とその際の釘が内部で外れてしまったこと、さらに強引な修理がおこなわれたこと・・・があって、現在の左側に合掌の位置がズレている状態になったそうです。

 

 

朱色(赤)の肌に緑色の条帛、金と緑の臂釧、金色の瓔珞・腕釧が見事にマッチしています。
極彩色の阿修羅だからこその特徴として、〝指の爪〟の表現が・手足でなされています。

 

 

何れの手の指も、まるで生きている人間のものの様に、自然な動きで表現されています。

 

 

上半身の後ろにまわってみます。
肩には淡いエメラルド・グリーンの天衣が掛けられています。皺だけでなく、ふんわりと肩に掛けられたことで生じた衣の重なりも見事に表現されています。
条帛が左肩から右脇へと流れていますが、そこにも皺と裾の揺らめき、その上で条帛には模様が描かれています。

 

 

正面、下から見上げています。
合掌する手が正中線から外れていますね。本物の現状準拠です。
上半身の身体のラインが細身で直線かと思い込んでいたのですが、こうして観ると広背筋がまぁまぁあり、腰のところでキュッと締まって括れができています。
裳を纏っている下半身が上半身に比べて膨らみをみせているので、上半身の六臂とのバランスがとれています。

 

 

腰で裳が折り返されています。
布が波打っている造形、そこに施されている模様・彩色。
ひとつひとつがとても丁寧になされていることが判ります。
最近の目に付く雑な塗りなど、以前は考えられませんでしたからね。

臍から下は前方にちょいと〝ふっくら〟した肉付きになっています。

 

 

左前からの視点です。
折り返された衣の形状がリアル、そして模様が丁寧に細やかに描かれています。

右の脇腹は条帛があるため、あまり目立ちませんが、臍の周辺から左腰にかけてがちょいとポッチャリしていますね。

 

 

少々、引いて観た画像です。
条帛には縁取りが金色で丁寧に注され、襞があっても形に合わせて模様が描かれています。

筋骨隆々ではなく、細マッチョというわけでもない上半身ですが、胸筋は程良くあり、臍下あたりの膨らみが像の奥行きを感じさせる効果を魅せています。

 

 

右脇腹をまわっている条帛にも、襞に合わせて模様が描かれています。
裳の折り返しの折り重なり具合も、極彩色なので裏側までも丁寧に再現されています。

 

 

右前からの視点です。
こちら側から観ると、腹まわりのポッチャリ感がよく判りますね。
左前に裳の合わせ目があり、折り返し部分と境目が連動して造形・表現されています。
裳の折り返しの表現、縁取り・模様がとても丁寧に造り込まれています。

 

 

少々、引いて観ると臍まわりのポッチャリ感の様子がよく判ります。
それでも肉を付け過ぎずに、程良いふっくら感としているところが阿修羅像の身体のラインが美しくなっている理由でしょう。

 

 

少し、腹の膨らみの様子を観察するためにまわってみました。
臍の周辺から肉付きが良くなっていますが、絶妙な塩梅ですね。

 

 

広背筋から腰へのライン、臍あたりからの腹の膨らみ。
前後の違いはありますが、灘羅かな曲線が見事に調和して、美しく肉感を伴った上半身が表現されています。

 

 

背中の様子です。
条帛が下へ垂れている部分と。右脇へとまわされている部分に分けられています。
垂れている条帛の裾に見える波打つ様子、ホントの布の如しですなぁ。
右脇にまわされている条帛は、なかなか右脇腹を締め付けています。

腕の付き方もあるでしょうが、広背筋の膨らみもなかなかなものです。

後ろからだと、腰回りの肉付きは目立ったものではありません。

 

 

ちょいと視点を下げてみると、脇から腰への締まったライン、そして裳の折り返しから臀部への広がる曲線が、美しく連動しています。

 

 

下半身に纏っている裳の様子を観ていきます。
左腰から真ん中にかけて合わせ目があり、白と金の縁取りが注されています。
ちょうど中央と裾の近くに見える裳の裏地、ちらりとでも見えているからこその〝丁寧な模様描きと彩色〟となっています。この妥協しない、細やかな彩色こそが〝TanaCOCOROシリーズの最大の魅力〟でしたからね。

 

 

下半身の裳を左前から、右前から観ています。
前方から風を受けている状態を表現している様で、裾を見ると足に貼り付いている表現となっていることが判ります。
その表現と連動して左右の裾が波打ちながら後方へと流れています。

 

 

後ろから裳の全体を観ています。
やはり前方からの風を受け、左右の裾にかけて襞が生じ、また後方へと流れています。
敢えて触れてこなかったのですが、「宝相華」(ほうぞうげ)のひとつひとつが細かく丁寧に彫りに合わせて彩色されています。Standardサイズじゃぁないのですよ。この緻密な彩色はTanaCOCOROサイズになされているのですよ。素晴らしき事です。

 

 

あまり目立ちませんが、裳の裾の動きです。
前からの風を受けて、横と後方は流れているのが判りますね。
上半身だけでなく、下半身にも静止した姿であるにも関わらず奥行きと動きを感じさせる工夫した表現がなされています。
阿修羅像を造った仏師、そしてそれを忠実に再現されているイスム様の技術に称賛を贈ります。

 

 

足元の様子です。
指の長い足、そして長い指先の爪の表現。忠実に再現されています。
洲浜座は緑一色で塗られています。

 

 

「板金剛」というサンダル、ホントに何処かの会社で製品化してくれませんかね?

 

 

板金剛、意外としっかり強めに装着されていますね。
この造形に忠実に製作すると、窮屈で壊れやすいサンダルになってしまうかもしれません。

 

 

ベルト式などで締め付けるスタイルにしてしまうと板金剛ではなく、単なるサンダルと化してしまいますからね。やはり、製品化は難しいですか・・・。

 

 

 

後ろから見た、六臂の広がりに注目した画像です。
本物と同じく左右対称ではないのですよ。
世に阿修羅像レプリカを製作・販売しているところは幾つもありますが、この腕の位置、太さ、角度、長さを本物に最も近い状態で再現されているのがイスム阿修羅像なのです。

 

 

最後に前方、ちょっと下から見上げた六臂の広がり具合です。
今年・来年でなくていいです。
Standardサイズのリニューアルされた阿修羅で「極彩色仕様」を発売してくださいませんかね?

 

 

 

2016(平成28)年に再リニューアルされた〝キレのある〟Standardサイズの阿修羅で、この様な遊びができるのですけれどね。

 

 

 

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