今回は、大和国東大寺の戒壇堂(戒壇院とも)に安置されている像がモデルとなっている「四天王」のお話です。株式会社MORITA様が2007(平成19)年に発売された「M-ARTSリアル仏像 四天王」の登場までは〝ポリストーン製〟の仏像造形に触れる機会はほとんど存在せず、自邸で仏像(食玩は除外)を愛でるには専ら高価な木造の仏像造形を購入するという選択肢しかありませんでした。京都清水寺門前の仏具店で20万円前後の木造像を見て嘆息していたことを覚えています。
未だ、その頃は株式会社MORITA様の本社(当時:現在は埼玉ロジスティックセンター)の存在を知らなかったので、戒壇院で本物を拝観するか、実物(リアル仏像 四天王)を東大寺南大門前の土産物店「鹿屋」様でじっくりと眺めたぐらいでした。また12万円という価格は仏像としては破格の安価であることは判っていましたが、当時はなかなか手が届かない高額商品でした。
でも〝仏慾〟の成せる業だったのでしょうか?
あるタイミングで、「リアル仏像 四天王」を迎えることができたのです。
頑丈な木箱が綺麗に塗装され、「四天王」と四天の金文字が印字されていました。
〝箱に入れた状態でも飾れる〟と聞きますが、箱の形状から増長天には三叉戟を持たせることはできません。
蓋を開け、小さいながらも本物に能く似せて造られた4体の姿が現れた時の「感動」はたまらないものでした。
2009(平成21)年に開催された〝伝説〟の「国宝阿修羅展」に足を運び、更にネット上で〝「M-ARTS 四天王」購入で帝釈天(非売品)がもらえる〟キャンペーンのページを見つけ、そこから調べて株式会社MORITA様HPに辿り着き、電話連絡を入れて本社(当時)を訪問するに至ったのです。それからもう10年以上も経過してしまいました。何とも感慨深いことです。
四天王は、もともと古代インド神話における神々で、仏教に取り入れられた際に四方向をを守護する護法神として位置付けられました。
持国天:東方の守護神。
眷属として乾闥婆(けんだつば)と昆舎遮(びしゃじゃ)を従えています。
広目天:西方の守護神。
眷属として諸竜王(しょりゅうおう)を従えています。
増長天:南方の守護神。
眷属として鳩槃荼(くばんだ)と薛茘多(へいれいた)を従えています。
多聞天:北方の守護神。
眷属として諸夜叉(しょやしゃ)を従えています。
須弥山の中腹あたりの四方にそれぞれ配備され、帝釈天に仕えているのだそうです。
現在、戒壇堂(戒壇院)は、保存修理・耐震化工事が実施されているため、2020(令和2)年7月1日からおよそ3年間の予定で拝観停止となっています。
工事期間中、本物の四天王像は「東大寺ミュージアム」にて戒壇院に並んでいた時よりも近い距離で、そして違う角度から拝観することができます。
この工事中にミュージアムへ行かねばならないと考えています。
本物の四天王像は、彩色・紋様のほとんどが剥落してしまい、塑造の白い粘土の地が剥き出しになっています。しかしながら、よく観察してみると処々に彩色・紋様の残痕を確認することができます。
当方で入手した「リアル仏像 四天王」は、この様な状態の姿になります。
Web上で画像検索をすると、〝白っぽい〟異なった仕上がりのセットを見ることがあります。違うヴァージョンが存在したのでしょうか?
それでは、時間が掛かってしまうかも知れませんが1体ずつ観察をしていきましょうかね。
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