2021(令和3)年末の駆足初詣は、降雪・積雪の影響により京都の南山城と奈良の三輪・西ノ京の探訪を中心とする予定変更を余儀なくされてしまいました。大和国滞在中、何度も国道169号を南北に往来しました。夜の大神神社に向かうため暗がりを南下していた時、直進しようとしていたのに何故かしら左折車線に入ってしまい、交通量の状況もあったため逆らわずに左折したのです。
ここが〝運命の交差点〟でしたよ。
(Googleマップ ストリートビューより)
そうするとカーナビに交通量の無い道(奈良県道51号天理環状線)へと誘導され、山中を通過している際は〝妨害されている〟感に苛まれていました。案内通りに道なりに進むと何やら見覚えのある風景・・・何と石上神宮の前を通過したのです。
「起死回生の利益」を求め、これまで何度も参拝している石上神宮。その度ごとにモヤモヤした感じで境内をあとにしていました。これまでの経緯を踏まえ、また滞在期間の短縮という事情もあって、今回は石上神宮には立ち寄らないことにしていたのにです。
入口前を通過した際、直感的に〝呼ばれた〟ことを悟りました。
・・・ということで、更に予定を変更して別日、石上神宮に参拝してきましたよ。
入口に建っている「官幣大社 石上神宮」の社号標。
「官幣大社」とは昔の社格のひとつで、『延喜式』に規定されている官幣社のうちで最も格式が高い神社です。
碑の後ろに初詣用のアイテムが隠されていますね。
石上神宮
〒632-0014
奈良県天理市布留町384
TEL 0743-62-0900
灯籠には石上神宮の別称「布留社」の文字が。
初詣用ということで灯籠は和紙で封されています。
見慣れた、駐車場から参道への合流地点に建っている「石上神宮」の社号標。
拝客が居ない訳ではありませんが、人影はほぼ無い静寂な参道でした。
少しフラフラすれば、この通り人影は消えてしまいました。
緑の中に、焦げ茶色の鳥居がしっかりと立っています。塗り直されたか?
社額の上部中央に、何か赤い物が見える。例の如く、怪奇現象か?
別の画像でも確認してみましたが額自体、そして材質的に赤いのはオカシイッ。
魔物の目の様な2つの赤い点がこっちを見ているっ。やはり怪奇現象かっ??
写真を拡大して見たところ、何と「紅葉」2葉(ふたは)。
不思議なことに額のところまで枝が伸び、この2葉だけが残っていました。
初詣用に手水舎前の広場には焚き火の準備がなされていました。
人混みを回避しての年末駆足初詣なので、あまり季節感を感じることは無いのですが、こうした看板を見ると「新春」感を得ることができますな。
注連縄が掛けられている聖域です。あれっ、何時も居るヤツらが1羽も姿が無い。
おぉ、何者かの魔法によって石(正確には銅造)にされてしまったのか・・・。
と思っていたら、向こうからやってきましたよ。ゾロゾロと。
数種類の鶏がおよそ40羽、〝神の使い〟として放し飼いにされています。
昼は参拝客などの人気(ひとけ)がありますから、安心して人間に近寄ってきます。
夜間は野生動物に狙われてしまうので木の上、もしくは鶏小屋で安全を確保します。
んっ?寄ってきたので、睨めっこしてみる。
案外、あっさりと負けちゃうのね。向こうに行ってしまいました。
餌を持っている親子連れの観光客が人気で皆、そちらに集まっていました。
鶏と戯れるために来たのではないことを思い出し、社殿に向かいます。
初詣参拝客用に往路用・復路用に区切られています。
いつも夏か年末の参拝なので、混雑している状態にあったことがありません。
やはりシーズンは、この様に交通整理をする必要があるのですね。
1318(正保2)年に建立された、重要文化財に指定されている「楼門」(ろうもん)を、手前から見ています。
楼門に近寄り、下から見上げます。
古き建造物は、木の組物が緻密かつ美しく組み合わさっているので、見上げると迫力を感じることができ、その上で驚嘆させられてしまいます。
用材に彩色していないことも、魅力となっていますな。
門の外側から社殿(拝殿)の姿を覗いてみる。
おぉっ、屋根が葺き替えられているっ。何時の間に??(2021年6月~9月末らしい)。
楼門を通り過ぎ、繋がっている朱塗りの回廊が途切れたところに「鬼瓦」が居ました。
「石上社」軒丸瓦の上にずっどーんと乗っかって、こっちを見ています。
睨まれていた訳ではありませんが、「呼ばれたから来たんだ」と心の中で言い放ったら、絡まれませんでした。
いつもは楼門をくぐって、そこから帰ってしまいましたからね。
いつもの反対側から楼門を見てみました。違う角度・視点から見ると、新鮮ですな。
今回は、摂社・末社にも注目してみましたよ。
摂社「天神社」。
摂社「七座社」。
左)摂社「出雲建雄神社」、右)末社「猿田彦神社」。
摂社・末社がある高台から、拝殿を見てみます。
屋根の葺き替えにより、拝殿の存在が際立っていますな。
見る位置をずらして、吹き替えられた屋根の全体が見えるところから撮影しました。
色合いから〝光り輝いている〟様に見えますね。
以前と違う角度・距離で楼門を撮りました。
石上神宮の楼門は、どっから見てもカッコいいですね。
昔は2階部分に鐘が吊されていたそうですが、明治期の神仏分離令によって撤去、鐘は売り払われてしまったそうです。
正面からの楼門。
見辛いですが、木額「萬古猶新」(ばんこゆうしん)は山県有朋の筆によります。
楼門正面の階段に立ちながら、いつも楼門を撮影していますが、左手に年季の入った石灯籠2基。屋根の部分に苔が生していて風情があります。
悪戯防止で和紙が貼られていますね。
真ん中に見える木が針金で巻かれていますね。割れているのでしょうか?金具も見えます。
大和国だからでしょうかね、「鹿」が浮き彫りにされています。
晴天でしたし、午後も早い時間帯でしたのでライト点灯はされていませんでした。
それにしてもタイミング良く、人が居ない時に拝殿前で楽しむことができました。
葺き替えられた屋根全体を収めた、国宝・拝殿の凜々しき姿です。
ちょっと時間が経つと、境内に強めの陽射しが入ってきました。
ここでも天照大神(あまてらすおおかみ)の恵みが差してきたのでした。
次回はもっと拝殿の姿を楽しもうと思いました。
拝殿全体の写真を撮る時は、この顔出しパネルの前に立つとよろしいでしょう。
境内から楼門を見ています。
こちらから見た楼門の右側が売店(授与所)になっています。
朱印をもらったり、札・守をいただいたりできます。
天照大神の恵みで、境内全体が明るくなってきました。
境内側から楼門を見ています。
いつもは反対側(外側)から見ていますが、こちら側から見る楼門の姿は新鮮です。
木組みの様子もよく判りますね。
初詣シーズン(年末~年始にかけて)は、拝殿の左手側にテントが張られ、シーズン限定のアイテム授与がなされます。
七支刀(しちしとう)と勾玉(まがたま)が描かれている盃、2つ購入しました。
ハ-トではありませんよ、「猪目」(いのめ)です。
世間的に、そして女子にとっては「ハート」なのでしょうけれどね。
帰還して荷物整理をしていたら、似た様な小箱が2つありまして・・・開けてみると同じ盃が2つ出てきました。前回(2020年末)の参拝時にも同じ盃を2つ購入していたみたいですな。
もうひとつは、「海運 寅だるま」。
見本を見て、気に入ったので連れ帰りましたよ。
前から見ると、こんな感じ。愛らしい。
後ろから見ると、こんな感じ。
「だるま」ということは判りませんな。
近江国の「ひこにゃん」に通ずる〝愛らしさ〟ですわ。
2022(令和4)年が寅年ということで「寅だるま」だとすると、去年は「丑だるま」だったのか?さすれば来年は「卯」(うさぎ)か?その次は「辰」(ドラゴン)、更にその次は「巳」(へび)かっ!来年の「卯だるま」も可愛らしそうですが、「辰」は置いといて、開運「巳だるま」が如何なる容姿になるのか、今から楽しみです。これからの年末、石上神宮に行かねばならなくなってしまいましたな。
拝殿と売店テントの間を通り抜け、横っちょの回廊から境内を出ました。
連子窓の緑色と用材の朱色、そして白壁によって回廊が美しく彩られています。
おぉ、ここでも小野老の歌「あをによし 寧楽の京師は」が蘇る・・・と思いませんでした。色合いは同じでも、神域・聖域ですからね。薬師寺・唐招提寺に立ち寄ってから石上神宮に来たのですがね。
この回廊の外側には幾つかあるうちの「神木」の1本が立っています。
接近可能、触れることも可能な状態の神木です。
原則、神木には触れません。よくスリスリされる方がおいでですが、その結果、木の皮が傷んでしまい木の寿命に影響を及ぼしてしまいます。
木の身長の1/3あたりに注連縄が巻かれています。
回廊横からだと判り辛いでしょうが、
たまに鶏たちが封じられている聖域の上に立っているのが、この神木です。
鶏をイジって、楼門が見えるからと参道を登っていくのが一般的でしょうが、見どころって至る所にあるのですよ。
帰り道、焚き火が用意されているところを通過します。
薪木が山積みにされています。参拝客の方々が暖まったことでしょう。
木漏れ日が差しています。
年末でしたので、15:00あたりの石上神宮・参道はこの様に静寂なものでした。
木漏れ日が強く差してきたのが印象的でした。
当初の予定で、石上神宮には寄らないという計画でしたが〝呼ばれた〟ので急遽参拝することにしました。
今回(2021年末)の石上神宮参拝は、これとは違ったものでした。
やはり〝呼ばれた〟ことは間違い無い様です。
「起死回生」のきっかけを得ることができましたよ。〝死〟の状態であることは色々な形で体感させられるのですが、現状の〝死〟から〝起〟きあがり、そして〝回生〟を成しますよ。
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