多聞天(空海 立体曼荼羅 真言宗開宗1200年記念 東寺監修 公認 MINIBUTSU 大サイズ)

先日、東寺にMINIBUTSU様が製作・発売された「帝釈天騎象像」を迎えに行ったことについて触れました。今回は〝その仲間〟四天王のうち多聞天・大っきいサイズのお話でございます。

帝釈天の時と同じですね。白い箱に収納されておりました。

 

「MINIBUTSU」シリーズは2011(平成23)年、上野の東京国立博物館・平成館特別展示室において2011年7月20日(水)~9月25日(日)の期間で開催された「空海と密教美術展」を契機に販売された商品です。それぞれが「真言宗立教開宗1200年」を記念して、東寺の監修・公認の仏像フィギュアたちなのです。

そうした背景もありまして、立派な「証明書」が同梱されておりまする。

 

中身は、こんな感じ。

流石に「証明書」だけあって、立派にございます。

 

 

箱から出てもらいましたよ。
東寺講堂の入口を入ると、右手側に立体曼荼羅が並んでいるのですが、「多聞天」の立っている場所は梵天の後ろ、奥の隅っこになります(講堂の東北隅)。奥の方に居て、どちらかというと暗がりの中で見ていたので、あまり具体的な姿は印象に残りませんでした。図録等でみても、東大寺戒壇院の四天王に比べると表情が・・・ということもあって、御所に迎え入れることは先延ばししていました。

同じくMINIBUTSUシリーズの「国宝東寺監修 立体曼荼羅21体セット」が、通常価格199800円という高額商品であったこともあり、何となく〝MINIBUTSUシリーズ〟は先延ばしということになっていました。しかしながらディスプレー棚が付属している21体セットが売り切れ(ただし探せば未だ入手可能)になってしまったこと、あと「真言宗立教開宗1200年」記念ということが気になってしまい、段階を踏んでということになりますが、御所に迎え入れることとしました。在庫は未だありそうなのですが、入手できなくなってから後悔をしてはなりませんので、〝今のうちに〟地道に迎えていくことにしたのです。

 

背景を暗くしました。全体像は、こんな感じです。

既にシリーズの大サイズは不動明王・帝釈天が居るのですが、遂に四天王を迎え入れる計画が始動したことを実感します。

 

350度、まわってもらいましたよ。

 

東寺講堂内の配置・大きさ等で本物の背面などは見ることができませんからね。
このように自邸に迎え入れれば、通常では見ることができない視点からのアプローチが可能になります。とてもとても楽しい遊びです。

 

 

 

多聞天は仏教の教えを守る、北方の守護神です。
頭部の後ろには小振りながら火焔光背が位置しています。
東寺講堂の多聞天は、四天王のうちでも比較的補修箇所が多いとされており、そのため身体にも他の3体と比較して彩色が多く残っています。
頭部(顔の部分)の彩色は落とされ、造像当初の顔立ちに近づけられているそうです。でも実際に本物の写真を見てみると、目・顔には彩色が残っていますね。因みに瞳の位置は本物準拠になっています。
さすが一木造、本物の顔には木目が顕れています。MINIBUTSU多聞天・大ではそこまでは再現されていません。

 

装飾が付随している輪っかを被せた兜を着用していますね。
側頭部から後頭部にかけての布(革?)が大きく翻っています。

前頭部には三鈷をイメージした前立、左右には火焔をイメージした鍬形が金属製であろう輪に一体化されています。本物は前立に植物の装飾が細やかに付いていますが、MINIBUTSU多聞天・大では簡略化されています。

 

ちょっと引いて観た、右手側からの頭部の様子です。
正面から見ると潰れた鼻の様な感じがしていましたが、横から見るとなかなか高く長い鷲鼻ですな。
大きく翻っている頭部を護る布(革?)がまるで襟のように首元を防護しています。

火焔光背が、なかなか厚手な造りになっているのですね。

肩よりも高い位置で「仏塔」を掲げています。

 

掲げた右手の掌に乗せられている「仏塔」を正面から観ています。
単純に掌に乗せているだけではなく、親指・中指・薬指3本でおさえた持ち方をしています。

 

本物の仏塔は、しっかりと造られた物になっていますが、MINIBUTSU多聞天・大ではかなり簡略化されています。致し方ありませんな。

本物と比べると、こちらも極めて簡略化されていると言わざるを得ませんが、袖の彩色はとても頑張ったものになっていると感じます。高評価ポイントですよ。

 

仏塔を掲げる右手の袖口ですが、前腕部を防護する籠手と波打つ布の翻りが本物に忠実に再現されています。
ただ、緻密な文様の再現まではなされていません。それでも可能な限りの文様再現と色の塗り分けはなされていて、省略・簡略化は気にならないものになっています。寧ろ充分なくらい。

 

左側、ちょっと斜め前から観た画像です。おぉ、カッコいい。

左手を逆手にして、三叉戟(さんさげき)を持っています。MINIBUTSU多聞天・大では、この三叉戟は差し込み式になっています。

 

仏像が持つ三叉戟(みつまたのやり)ですが、先端の刃部は小さめに造られているものがほとんどです。実際に伝存する槍も先端部はビックリするほど小さなもので、大きいものは、だいたい模造で製作されたものです。

三叉は、創造・持続・破壊(もしくは欲望・行動・知恵)を象徴すると謂われ、自然現象に影響を与えたり、人間の精神へ影響力を及ぼすような効果もある様です。

柄(え)に付けられた房のたなびきで、静止している多聞天に躍動感を付与する役割を果たしています。

 

槍の柄(え)を逆手に持っているのは、おそらく両手のバランスではないかと考えることができます。
通常の持ち方をすると、多聞天は両手を挙げる姿勢になります。戦闘態勢に入った仏像の姿勢としてはありそうですが、ここで敢えて逆手に柄を握ることによって、先に見た左斜め前から観た様な格好良さが表現できています。こうした効果を考慮しての〝逆手持ち〟であろうと推測します。

 

 

着用している鎧に注目してみます。

本物は後世の補修が多いということで、画像で見ても他の3天よりも華やかさが備わっています。彩色に加えて截金(きりかね)で様々な文様が施されているため、煌びやかさが際立ちます。
MINIBUTSU多聞天・大では、黒い下地に金色の彩色と截金の文様を、あまり華美になり過ぎない様にのせ、絶妙なバランスをとっています。

 

背面から背中を観ています。
背中、鎧の突起の形状に合わせて截金風の彩色が施されています。
腰から臀部にかけても、同様に截金風の模様が施され、更にその上に経年による埃が積もった様子も表現されています。
この埃が積もった表現は、肩・袖の部分や光背を支える柄の部分にも見えます。
この表現は斬新に感じます。でも触ったり拭いたりすると取れてしまいそうで、気をつけねばなりません。

 

帯に絡めて腹部から右肩を介して膝裏辺りまで垂れている天衣。
前側は暗めの下地のままですが、後方から見ると赤い色が注されています。
膝付近で大きく後方にたなびいた形にして、躍動感を感じさせる様にしていますね。

 

右側、少々斜め後ろから観ています。
強めの翻波(ほんぱ)が、風を受けて波打つ袖口に施され、見事な躍動感を伝えています。
肩から垂れる天衣も単調になることなく、風の動きを受けて流れている様子が見事に表されています。

 

今度は反対側、左手の少々後方から観てみましょう。

右側では腕の動きから省略(?)されている防具としての肩当・袖がしっかりと表現されています。
左手は下ろしているので袖口の波打ち具合は右側と異なっていますが、特に天衣の裾の巻き返りが特徴的です。

 

特徴的な天衣の〝巻き返り〟部分に注目してみましょう。
右側の様に赤い色は注されていませんが、あまり派手にならないように金色が注されています。
環状になった柔らかい天衣は、風の変則的な動きを表現していますね。単純に考えれば、多聞天の周りでは風が渦巻いているかの様です。
下半身・後方に纏っている布にも、経年による埃の積もり具合が施されています。
足元と台座にも埃が積もっている感じが表現されていますね。徹底しています。

 

多聞天の下半身・前方の様子です。

中国・唐風の装飾性を備えた装備ですね。
本物には華美な彩色と繊細な截金(きりかね)が組み合わせられていますが、MINIBUTSU多聞天・大では華やかさを抑え、全体の色調バランスが整えられています。
その上で、埃が積もっている彩色も随所に掛けられていますね。

 

〝埃が積もった〟様子は、こうして後ろから観ると全体に施されているのが判ります。

 

寄って見ると、光背・支柱の裏側に顕著ですね。

 

 

東寺講堂の多聞天は、「地天女」(ちてんにょ)の両腕に支えられて立っています。
地天女の左が「毘藍婆」(びらんば)、右が「にらんば」だといいます。
この毘藍婆・尼藍婆は邪鬼ですが、仏教に帰依したので踏まれていないのだそうです。
同様の構成は東寺宝物館に居る、かつて羅城門に立っていたという兜跋毘沙門天(とばつびしゃもんてん)にも見ることができます。

 

後方にまわってみました。
〝埃の積もり具合〟が見事に表現されています。
台座の端っこや光背支柱の辺りは、触った時の指の跡がついています。
触ると損なわれてしまう細工であるならば、これ以上、触って損なわれないように注意しなければなりません。

 

毘藍婆(びらんば)の背中。

 

尼藍婆(にらんば)の背中。

 

 

 

 

最後に、カッコいいので背景を黒くした状態で、多聞天を下から見上げています。

 

 

雰囲気を変え、背景を白くして、多聞天を下から見上げます。

本物とは色合いが異なりますが、色調を地味に抑えたMINIBUTSU多聞天・大は素敵ですな。

 

 

MINIBUTSUシリーズの大サイズは、価格的になかなかな大物ですので、これから追々と迎えていきます。そのタイミングで、また記事をアップしますね。

 

 

 

 

 

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