制多迦童子(イSム「掌」3rd. Ver. 100体限定 復刻再販 廃盤)

つい先日、2020(令和2)年の矜羯羅童子発売・制多伽童子再版の前にイSム様のロジスティックセンターを訪れ、現物を拝見させていただいたことから「矜羯羅童子」の記事をアップしました。

2020(令和2)年9月に「矜羯羅童子」が発売されましたが、この発売に合わせ、2014(平成26)に販売終了、2017(平成29)年に100体限定再版したところ即時完売となった「制多伽童子」も100体限定でしたが2度目の復刻販売がなされたことにも触れました。

イSム「制多伽童子」発売については、以下の通りとなっています。
 初版:2012(平成24)年に発売、2014(平成26)に販売終了。
 2版:2017(平成29)年に100体限定で再販。  →即時完売。
 3版:2020(令和2)年に100体限定で復刻再販。→矜羯羅童子の発売に合わせて。
 4版:2021(令和3)年に100体限定で復刻再販。→烏倶婆誐童子の発売に合わせて。

・・・と、いうことで「制多伽童子」の3版について観察してみましょうか。

制多伽童子2版の記事でもご覧いただきましたが、制多伽童子の肉身の色は、どんどん赤味が強くなっている印象です。

 

ぽっちゃりと愛らしいお姿をまわしてみましたので、お楽しみください。

 

断トツに人気があるのは、可愛らしさの中にも凜々しさがキラリと光っているからなのではないでしょうかね。

〝愛らしさ〟は目、瞳の表現でしょう。

本物ですと瞳が小さく、白目の上の部分があいていますが、イSム「制多伽童子」は瞳が大きく描かれ、白目の部分が少なくなっています。

 

五髷(ごけい)の様子を、角度を変えて楽しんでみました。
「何で、こんなヘアスタイル?」などと思われるのでしょうが、『聖無動尊一字出生八大童子秘要法品』に五智如来(ごちにょらい)の「五智」示している髪型なのです。文章を入力していますが、何のことやら・・・です。

 

本物ですと、五髻のそれぞれは木の下地が見えるほどに彩色が剥落していますし、髪の毛を束ねることでできたであろう膨らみの部分は彩色が剥がれや退色が目立っています。
イSム制多伽童子では、あまり激しくならない程度に彩色の濃淡を利して「インテリア」としての美しさを表現されています。

 

後頭部は、こんな感じ。
肩帛(けんぱく)は、初版に比べると2版と同様に〝黒っぽさ〟が強くなっています。

 

鮮やかな赤い肌の色ですが、目に障ることがない程度に彩色で汚しを表現しています。
本物は制作時を考慮すると極めて良好に赤い彩色が残っている訳ですが、よく観察してみると擦れ・剥がれによる退色も含んだ汚れがかなり目立っています。
イSム制多伽童子は、本物に準じて退色・汚れを彩色で表現していますが、〝汚しが気になる〟ことが無い程度になっていて、異和感は全くありません。
寧ろ〝綺麗だな〟と思う程の色合いになっています。

 

木目?皮が付いたままの木の棒ですよね。
曲がったり、出っ張ったりとリアルな木を表現しています。それでも「宝棒」(ほうぼう)と称しています。

 

腰元で左腕を曲げ、挙げた左手には三鈷杵(さんこしょ)を握っています。
通常の三鈷杵と比べて、鈷(こ)のそれぞれに鏃(やじり)の如き尖(とが)りが施されています。この〝尖り三鈷杵〟、仏具屋さんでは見たことがないですね。
「欲しいから造って」と頼んだら、特注で価格がどんなになってしまうやら・・・。

 

本物ですと、指の彩色が擦れたか、人間が触れたか等で彩色の剥落が顕著です。
イSム制多伽童子では、そこまで彩色剥落をイメージしていません。
肌部分に塗る赤い顔料をベースで塗り、本物の画像を参照しながら〝汚し過ぎない〟に留意しながら汚しをかけている様ですね。

尖り三鈷杵、角度を変えて観ていますよ。
一体式ではなく、左右から握った手に差し込んだ形式の様ですね。微妙に曲がっているところは手作業の証、〝味わい〟なのです。

 

下地の赤い彩色と、汚しの彩色によって、左の手(指の動きも含めて)立体感だけでなく生きているかの様な質感が伝わってきます。

 

ちょいとピンボケになっていますが、指それぞれの違う動きと汚しの彩色によってリアルな手になっていますね。
個体差かもしれませんが、2版よりも若干汚しが薄くなっている様です。
せっかくロット違いを購入しているのですからね、こうした違いは大歓迎ですよっ。

 

初版・2版の記事でも注目しましたが、3版でもガッチリと観察しますよ、〝ぽっちゃりとした腹〟を。
確かに矜羯羅童子もぽっちゃりを感じさせるものではありましたが、制多伽童子の〝ぽっちゃり〟はまた別物っ。

 

右後方の脇腹から腰回りにかけても、

 

後方から腰回りを観ても、

 

左後方から腰回りを観ても、

 

右斜め前から観ると、前方にポコッと膨らんだ腹が見事なまでに愛らしい。
矜羯羅童子は背中・腰周りが引き締められているので〝オトナになりかけている身体〟という感じがしますが、制多伽童子はこの通り、見事な〝童子腹〟(どうじっぱら)です。

又しても個体差かもしれませんが右腕の汚し、2版は前腕・上腕部が共に汚し強めなのですが、3版は前腕が強めの汚し、上腕の汚しが薄くなっています。本物の画像を見てみると、確かに3版の色合いが本物に近い再現になっていますね。
こういった発見をすると、ロット違いを逃すことができなくなってしまいます。

 

如何にカッと見開いて怒りの感情を目で表現したとしても、
左手に凄い法力を秘めた宝棒を持っていたとしても、
右手に厳(いか)つい尖り三鈷杵を持っていたとしても、
・・・この〝ぽっちゃりとした腹〟にはインパクトで叶わないのですよ。

 

緑系の腰布、形状は見事なまでに本物準拠。これは初版・2版と共に変わらない点です。
経年で退色してしまった本物よりも残っている緑を鮮やかにして「インテリア仏像」たるに相応しい仕上がりになっています。
裳(も/裙:くん)は、地が「四ツ目菱入り七宝繋ぎ文」で、そこに5花「団花文」と四弁花丸文を乗せています。縁には「雲唐草」模様が表現されています。
ここも初版・2版・3版、いずれも妥協の無い縁取り・彩色になっています。まさに職人さんたちの集中力の為せる妙技ですな。

 

緑の腰布が厚手で、大腿部横側から臀部にかけて覆っています、
しかし、その下に纏っている裳の柔らかい布が風によってヒラヒラと靡いている様が表現されています。
本物のそうした造形と雰囲気を、イSム制多伽童子は見事に再現しているのです。
本物はどうしても経年による痛みがある訳ですが、イSム制多伽童子は本物よりも色の鮮やかさを意識し、それでいてインテリア感を損なわない絶妙の調和で退色・汚し(像によっては剥がれも)を再現しています。

横から観ても、

 

後ろから観ても、

 

前から観ても、2種類の布の質感と躍動が見事に表現されています。
この動きに、本物に忠実な模様を手描きで現している訳ですからね。素晴らしいです。

ぽっちゃり感を強調する、足首の2本の皺。
脛の彩色の残存具合の表現も、本物準拠のものになっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うぉ、何だこの画像はっ?

・・・て思われましたか?
これはですねぇ、
 中央:イSム制多伽童子の初版
 向かって右:イSム制多伽童子の2版
 向かって左:イSム制多伽童子の3版
を並べたものです。
初版がオレンジ色っぽくて大きい、2版は初版よりもちょっと小さい、3版は2版よりもちょっと小さいということが判明する画像です。
制多伽童子は、復刻再版を重ねるごとに小っちゃくなっています。あと5回くらい復刻すると半分くらいになっちゃうのでしょうかね?

 

並べると、当然ですが「楽しくなってくる」ので、あれやこれやと位置や角度などを変えて写真を撮ってしまいます。
全てを掲載することはできませんが、2版(右)・3版(左)を前に出して並べました。初版は後ろに居ても、大っきいのです。

やはりサイズの違いが明らかですね。
肩の高さ、腰布の高さが違います。
彩色については、ロット違いなのか、単純な個体差なのか、それとも塗りを担当した職人の違いか・・・と理由はいろいろと想定できます。
当御所では「ロット違い=彩色具合の違い」という認識をしております。

 

2版(右)・3版(左)だけで並べてみました。
これだけ見ていると同じにも見えますし、違う様にも見えてきます。
こうして復刻再版される度に迎えにいくと楽しみというか、悩みというか・・・複雑な気持ちになってしまいます。

 

 

 

最後に、スッキリするため、ビシッとカッコいいイSム制多伽童子(3版)を正面から観た画像で締めましょう。

次回(とはいっても次の更新ではありません)は、烏倶婆誐童子の発売に合わせて復刻されたイSム制多伽童子(4版)を観察しますね。

 

 

 

 

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