「国宝 聖林寺十一面観音‐三輪山信仰のみほとけ」、拝観してきました。(1回目)

インテリア仏像で扱った大和国聖林寺十一面観音立像の本物と模刻に逢いに行ってきましたよ。
2週間超ぶりの休日だったので、早起きして上野の東京国立博物館に向かいました。

このご時世、「トーハクくん」と「ユリノキちゃん」もマスクを着用していました。

 

拝観予約をしたのですが開始時間に間に合わず、それでも本館特別5室における展示なのでゆっくりと拝観できました。
密にならぬ様に拝観人数の調整がなされていましたが、やはり本物の十一面観音のまわりには人が集まっていて、じっくり・しっかとりという訳にはいきませんでした。
平日の早い時間に再度拝観しに行くこととします。

 

図録を購入する際、希望すれば(当然、有料)限定朱印をいただくことができます。
観音堂の改修のための「出張」ですからね。
グッズを購入するだけでなく、こうした支援もしながらご縁を紡ぎ、功徳を積むことができたと感じています。

 

十一面観音立像の模刻が居るということを聞いていたので、探してみましたが本館の特別展がおこなわれていた周辺には居ませんでした。
探したら・・・居ましたよ、平成館のラウンジ(休憩スペース)の窓側に。

周囲には休憩している人びとが多かったのですが、ほぼ模刻のことを気にしていない様子。
そんな雰囲気を全く無視して模刻にまっしぐらに向かって行き、バシバシと写真を撮りましたよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この立像は、東京藝術大学大学院美術研究科の朱若麟氏が模刻制作されたもので、材料・構造技法を検証するため、可能な限り実物に近い技法で模刻研究されたものだそうです。三次元計測や透過X線撮影などの科学的なアプローチがなされ、何と内部構造までも再現されているそうです。
この様な本物に忠実な模刻は展示が終わったらどうするのだろうと思いましたが、朱さんは中国に持ち帰りたいと考えているのだといいます。制作された方ですからね、中国でも素晴らしい評価を得ることでしょう。

 

 

東京国立博物館は特別展だけでなく「常設展」も充実しており(当然ですが)、館内を散策すれば数時間楽しむことができます。

時間の制限があったので、本館1階の興味ある文化財だけ駆け足で観てまわりました。

 

模造「赤糸威大鎧」(あかいとおどしおおよろい)は何度も観ていますが、今回はぐるりと写真を撮りながらまわってみました。

 

武蔵国・御嶽神社に畠山重忠が奉納したと伝わる大鎧の模造です。
模造でいいので欲しいです。

 

刀剣コーナでは、

「厚藤四郎」(国宝)

 

「手掻包永」(重要文化財)

 

「来国行」

 

などが居ました。2階に行けば、もっといろいろな刀剣と逢えたのですが、このあとに用事があったので、次回の楽しみとなってしまいました。

 

時代は異なりますが、

肥後国「江田船山古墳出土鉄刀」(国宝)

 

動物の銀象嵌にライトが当てられ、観察しやすくなっています。
刀背の銘文を撮ることを失念してしまいました。それくらい時間に追われていたのです。

 

 

最後に「石人」(重要文化財)。

筑紫国造磐井の墓と伝わる岩戸山古墳から運ばれてきましたよ。
360度、どの方向からも観察することができます。

 

「石人」という呼称から、ゴッツい感じがします。
でも、回り込んでみると・・・

 

・・・案外、薄っぺらい。

 

背面はこんな感じです。

 

後ろにまわってみると、肩の部分に補修痕跡が見えます。
こうして〝遊び相手たち〟と交流していると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。

いったん、ここで話を切り上げますね。

2021年07月23日