倭国の軍団の一端です。

摂津国の今城塚古代歴史館、第2弾ですよ。

復元された埴輪がたくさん展示されていました。

円筒埴輪と家形埴輪に挟まれているのが、古墳時代の武人の埴輪

・・・と思いきや、古墳時代の甲冑の埴輪だそうです。

陰になっていて見え辛いのですが、顔に当たる部分に穴が開いています。
勝手に武人の埴輪だと思い込んでいたため、鬨の声をあげている状態だと決め付けていました。
でも、両腕が表現されていません。
 技術的に難しかったか?
 省略されたのか?
いやいや、甲冑を装備した武人埴輪は存在していますから、上記の様なことはありません。

最初の画像に見える様に、人物ではなく甲冑という「物」を表現した器材埴輪と評価されているのです。

 

今城塚古代歴史館内、別の展示で観られた古墳時代の甲冑の復元埴輪です。

やはり、こちらも両腕の表現がありませんね。
顔も表情をうかがわせる造形ではなく、顔に丸い穴が開いているだけです。
家形埴輪の間にあって〝道具〟である位置付けになっています。

 

出土した甲冑の埴輪を参考にして復元された挂甲(けいこう)が、煌びやかに展示されていました。

この復元・挂甲を観ると、確かに甲冑だけを表現しているのだということが理解できます。

壁に照明の光が反射しています。
製作された当初の、銀色に輝く鉄の札(さね)の存在を際立たせる為の演出でしょう。
何と素敵な展示なのでしょう。

 

この復元・甲(かぶと)には装飾がありません。

武人が着用すれば視覚的な威圧感が生じるでしょうし、通常時にこの状態で保管しているだけでも威信財として機能していたことでしょう。

 

首・胸元から両肩にかけて、ほぼ隙間の無い装備です。
鉄札(てつさね)を革紐で繋ぎ合わせていますので、身体の曲線にぴったりとフィットする様になっています。

 

腹から下腹部にかけて、革紐の色が変えられています。
古墳から出土する甲冑は錆びていますから、ここは復元を監修された研究者の方の素敵な創作・感性の賜物ですね。
勿論、絵画史料の描写なども参考にされていることでしょう。

 

大腿部を防御する部分です。
全てを均一の構造にしなかったところに、センスの良さが光っています。

しまった、脛当(すねあて)を撮ることを失念してしまいました。
また訪れる理由ができました。
まぁ、これが無くても今城塚古墳に行くという使命がありますので。

 

 

前方、斜め上から見ています。
矢が飛んできても、俯けばダメージは最小限に抑えられますね。

 

正面で、しゃがみながら見上げて撮りました。
充分な威圧感があります。
札(さね)に反射した壁の光が美しいですね。

いやぁ、古墳時代の復元甲冑が欲しくなってしまいましたよ(笑)。

2024年04月02日