東京国立博物館で古墳時代の武装を学んできました。

〝ある用〟を扨措き、久方振りに訪れた上野の東京国立博物館「常設展」を続けますね。
実際には1年ぐらい東京国立博物館には出向いていなかったのですが、以前撮影した画像を整理していたり、公式HPを閲覧していたことで脳が東京国立博物館に行った(入った)と誤認識していましたよ。

最近、出向いたところの博物館に立ち寄っていましたからね。
〝武人埴輪〟と思っていたら、甲冑の埴輪であったことは驚きでした。
・・・なので、東京国立博物館でも古墳時代の甲冑を観察してみました。

肥後国(熊本県)江田船山古墳から出土した
 国宝「帯金式甲冑」
です。

頭部を守るのが「衝角付冑」(しょうかくつきかぶと)。
首元を守るのが「頸甲」(あかべよろい)、
胴体を守るのが「横矧板鋲留短甲」(よこはぎいたびょうどめたんこう)
です。

復元されてギラッギラッしている甲冑も格好良いのですが、錆びた古墳時代の甲冑も歴史の重みを感じることができ素敵です。

そして、こちらも肥後国江田船山古墳から出土したは
 国宝「横矧板革綴短甲」(よこはぎいたかわとじたんこう)
です。

背面を前にして展示していますね。
復元修理がなされていて右脇に金色の金具があり、そこで開閉できる様になっています。

この2例は、摂津国の今城塚古代歴史館で観た復元された挂甲(けいこう)とは異なり、鉄板を鋲(びょう)で固定するものになっています。

こちらは、補修・復元された甲冑の埴輪の全体像です。

庇(ひさし)が付いた甲(かぶと)ですね。

頸甲(あかべよろい)と肩甲(かたよろい)が一体化した状態で形づくられています。

胴体を守る短甲の部分です。
この画像で見ている箇所は、展示用として復元されたものですね。
背面に、この元となる箇所があるのでしょう。
次に行った時、確認してみますね。

誰しもが気になるであろう〝ブツブツ〟。
鉄板を固定している鋲(びょう)を表現しています。

腰元から傘の如く広がりを見せているのが草摺ですね。
発掘で出土した破片を組み合わせて補修、更に復元しています。
破片を組み合わせて復元するのは、かなり難儀な作業ですよ。
車線の向きで、鉄札を革紐で縅している様子を表しています。

古墳時代人の感性・表現力は、なかなか粋なのです。

最後に、こちらは下野国(栃木県真岡市)鶏塚古墳から出土した
 「挂甲を装着した武人埴輪」
です。

失われた部分が多い様ですが、出土した破片を見事に組み合わせて復元されています。

この武人埴輪は、上半身と下半身が別に造られており、スカートの様に広がりを見せる草摺の部分を上半身、大腿部からが下半身となっています。
上半身・下半身を別に造って差し込んでいるので、全体のバランスが微妙になっています。
この様に上半身・下半身を別に製作して合わせた例は他でも確認されているのだそうです。

顔の赤味がかっているのは単純に出土した粘土の色なのか、それとも彩色されたものなのか気になりますね。

製作時期・地域により甲冑の特色があって奥深いですね。

2024年04月15日