居合刀特注 色替え姫鶴一文字(暗朱鞘)

此方の特注は「武装商店」様HPの2011年7/9で紹介されています。ベースは「無銘九字兼定HW(ヘヴィーウェイト)」。

この暗朱の鞘塗を見て、赤茶色系の姫鶴一文字を真鍮幅広刀身で製作してもらおうと考えました(画像は「武装商店」様HPより)。

この特注・姫鶴は、別紹介の特注・山鳥毛と同時に注文したものです。特注・山鳥毛(スーパー山鳥毛)は可能な範囲で本歌に忠実を目指したものでしたが、此方の色替え姫鶴は「無銘九字兼定HWの鞘塗と刀身はそのまま」に、
・完全な合口拵でなくても良い。
・鮫皮は赤鮫で汚しを強めにする。
・柄革は全体の色合いを考慮し、持ち込みの明るい焦茶革で天正拵にする。
・あとは職人さんにお任せで。
ということで特注を依頼しました。

 

 

〈 こだわりポイント 〉
柄下地の谷汚しは汚しをやや強めとし、汚し具合は数度のメールで画像を確認させていただき調整をしてもらいました。

 

〈 お任せポイント 〉

「姫鶴一文字」を模していること、さらに時代的なことも考慮し水牛角製の柄頭に柄革を巻き掛けた天正拵としていただきました。柄の真ん中を絞りつつ水牛縁頭を少々大きい物にしたことで、柄頭が張っているように見えています(実際、張っています)。

 

       (  左:表側の柄前    /   右:裏側の柄前  )

目釘の位置は、本歌姫鶴と同じ様に太刀用で開けられた目釘穴をそのまま打刀にしている所を再現したそうです。そのため、目釘位置は打刀に見られる通常位置よりもやや縁金具から離れたとのことです。目釘の素材は煤竹で強度を図っていただきました。

「扇に日の丸図」の目貫は、通常よりややずれた配置として柄真中に近くに据えられています。裏返すと柄裏側の目貫も真中よりに移動しています。この表裏目貫の配置は、現存する本歌姫鶴の目貫配置に倣ったとのことです。

 

よく観察しないと気付きませんが、切羽は2枚とも太刀切羽にしていただきました。

 

角度を変えて見ました。切羽に規則正しく刻みが入っており、一寸したアクセントになっています。打刀でもこの太刀切羽を入れると、洒落た感じが出てきます。

 

同時期に特注をお願いした二振りです。上が今回紹介した暗朱鞘の姫鶴、下が以前紹介したスーパー山鳥毛です。通常の居合刀・姫鶴は細身ですが、この画像で見ると暗朱鞘の姫鶴はスーパー山鳥毛よりも太めなのが判ります。そもそも姫鶴一文字は太刀でしたからね。

 

鞘を払うと、やはり暗朱鞘の姫鶴が豪壮な刀身であることが一目瞭然です。スーパー山鳥毛が細身・軽量刀身に見えてしまいますが、その様なことはありません。

 

同じ二振りの柄前の様子です。暗朱鞘の姫鶴は喰出鍔を入れていますが、切羽と鯉口がピッタリと合わさっています。勿論、スーパ-山鳥毛は完全な合口拵です。
共に柄頭が大きめなのですが、スーパー山鳥毛の柄頭の大きさが、この画像からお判りいただけるでしょう。上杉型の打刀はお洒落で格好良いということを実感します。

素人では気づかない、これまで触れてきた意匠の数々はプロならではのもので、これらを採用していただきとても嬉しいです。市販されている各種の居合刀・姫鶴一文字は細身の印象、実際に軽量なのですが、此方の特注は厳ついながらもスタイリッシュな装いとなり満足しています。
「色替え姫鶴」シリーズの紹介・特注は今後も続いていく予定です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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