新薬師寺十二神将(京都・豪勝)

創業130年を超える京都の老舗人形工房「豪勝」様の製作、奈良・新薬師寺の売店で販売している陶製十二神将像の紹介です。新薬師寺の現本堂入口、入って右側に朱印受付・売店があり、売店正面の人形ケースに入った十二神将が並んでいます。

仕事で奈良に行った際、可能な限り新薬師寺に立ち寄るように心掛け、訪れる度毎に数体ずつ購入していました。ところが時間の間隔が空いてしまい10体を入手した時点で像の仕上がりに変化が出てしまいました(色合いの変遷については後述します)。

写真は、色合いが揃っている十二神将で、オークションによって入手しました。
正面から反時計回りに実際の十二神将の配列(但し正面を向かせています)のとおりに並べたものです。それぞれ全体的に白っぽいのが特徴です。


正面左側から反時計回りの順で個体を見ていきます(○数字は反時計回りの順です)。

①伐折羅

実物は奈良時代の製作で、像高は約162㎝です。
国宝指定名称は「迷企羅」となっています。
左手を垂れ下げながらも拳を開き、右手には剣を持っています。左手が剣身に添えられています。
このフィギュアの台座正面には「戌(いぬ)」が彫り込まれています。


②頞儞羅

実物は奈良時代の製作で、像高は約154㎝です。
国宝指定名称は「頞你羅」です。
冑を装着して左手を垂れ下げ、両手で矢を持っています。
このフィギュアの台座正面には「未(ひつじ)」が彫り込まれています。


③波夷羅

もとは奈良時代の製作であったと考えられますが、江戸時代末期の1854(安政元)年の大地震で損壊してしまい、此方だけが1931(昭和6)年の補作です。
像高は約160㎝です。
国指定名称は「宮毘羅」です。
冑を装着して両手で弓矢を構えています。
このフィギュアの台座正面には「辰(たつ)」が彫り込まれています。


④毘羯羅

実物は奈良時代の製作で、像高は約160㎝です。
国宝指定名称も「毘羯羅」です。
左手を腰に当てて、右手には三鈷杵を持ち頭上に掲げています。
このフィギュアの台座正面には「子(ねずみ)」が彫り込まれています。


⑤摩虎羅

実物は奈良時代の製作で、像高は約166㎝です。
国宝指定名称も「摩虎羅」です。
左手を腰に当て、垂れ下げられた右手には斧を持っています。
このフィギュアの台座正面には「卯(うさぎ)」が彫り込まれています。


⑥宮毘羅

実物は奈良時代の製作で、像高は約164㎝です。
国宝指定名称は「招杜羅」です。
左手を腰に当て、右腕は肩の位置まで上げられ、右手に持った剣は斜め下に向けられています。
このフィギュアの台座正面には「亥(いのしし)」が彫り込まれています。


⑦招杜羅

実物は奈良時代の製作で、像高は約166㎝です。
国宝指定名称は「珊底羅」です。
左手に持った剣は地面に向けられ、右手は掌を開いて腰に当てられています。
このフィギュアの台座正面には「丑(うし)」が彫り込まれています。


⑧真達羅

実物は奈良時代の製作で、像高は約163㎝です。
国宝指定名称も「真達羅」です。
垂れ下げた左手に宝棒、右手には宝珠を持っています。
このフィギュアの台座正面には「寅(とら)」が彫り込まれています。


⑨珊底羅

実物は奈良時代に製作され、像高は約163㎝です。
国宝指定名称は「安底羅」です。
左手を腰に当て、右手に三叉の鉾を持っています。
このフィギュアの台座正面には「午(うま)」が彫り込まれています。


⑩迷企羅

実物は奈良時代の製作で、像高は約162㎝です。
国宝指定名称は「因達羅」です。
左手を高々と上げ、右手は腰に当てられています。
このフィギュアの台座正面には「酉(とり)」が彫り込まれています。


⑪安底羅

実物は奈良時代の製作で、像高は約156㎝です。
国宝指定名称は「伐折羅」です。
冑を装着し両手で仏具の払子を持っています。
このフィギュアの台座正面には「申(さる)」が彫り込まれています。


⑫因陀羅

実物は奈良時代の製作で、像高は約156㎝です。
国宝指定名称は「波夷羅」です。
冑を装着し左手を腰に当て、右手で三叉の鉾を持っています。
このフィギュアの台座正面には「巳(へび)」が彫り込まれています。


此方が自身で新薬師寺から連れ帰ってきた10/12神将です。並べ方には特に意味はありません。各個体は付属品の円形板に像と案内板をボンドで接着しています。これで大きな揺れがあっても倒れることはありません。

あと残り2体で揃うため、5~7年程前に新薬師寺を訪れて不足していた2体(宮毘羅:亥/真達羅:寅)を迎えに行った時にのことです。
こうした事は縁があるか否かに左右されてしまいます。真達羅(寅)は売り切れということで、宮毘羅(亥)だけ1体を連れ帰りました。売店のケース入り見本は、買い始めた頃と変わらず白っぽい物だったので当然のことながら気になりませんでした。
戻って箱から開けたところ、出てきたのは何と〝黒っぽい〟宮毘羅だったのです。

左が以前自身で購入した招杜羅(丑)、右が黒っぽい宮毘羅です。同じ像が無いため、色合いの比較だけということで並べています。

新薬師寺の売店で売り切れだった真達羅(寅)はオークションで探しました。2体を入手することができました。何故、2体を入手したのかといいますと、これまた色合いが異なっていたからです。

左が冒頭にあげた12体揃いの真達羅、中・右がオークションで落札した真達羅です。
12体揃いの十二神将は台座に干支が浮き彫りとなっていますが、自身で購入した物とオークションで入手した物は干支を表現する漢字が記されています。

色合いの違いを比べてみました。

左が最も古く、右に向かうに従って新しくなっているものと考えられます。現在、新薬師寺の売店で入手できるのは一番右端の色合いとなります。
製作時期(もしくはロット毎)で色合いが異なることを、こうして知ることとなりました。

参考までに、オークションで「豪勝」様の作による東大寺戒壇院「四天王」像を見かけたことがあります。今後、入手することができましたなら、紹介したいと考えております。

 

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