美術刀特注 へし切り長谷部

「武装商店」様HP2013年10/16紹介の問屋企画品「黒田官兵衛拵 へし切り長谷部国重」は現存する福岡市博物館所蔵の金霰鮫青漆打刀拵を、美術刀製作の技術・パーツを組み合わせて再現したものです。多少の色合いは違っていますがとても奮闘した作品です。こうした試みは素晴らしいと感じています。この商品のパーツ詳細に関しては「武装商店」様HPを御参照下さい。

当家において美術刀の切返鞘での特注は幾多にも及びますので、単純に既製品を購入するのは風情ある所作とはなりません。しかしながら新規のパーツが多数組み込まれているので無視する訳にもまいりません。なので黒金切返の部分にアレンジを加えました。

これまで美術刀鞘塗で数多の人柱経験を積み重ねてきたので脳内でのシミュレーション、すなわち既存の塗りの色変更や組み合わせを考え、小烏丸刀身平清盛拵で用いた凸塗と、既製品「姫鶴一文字」で用いられている斑塗(市販品では紫・金/黒・金/金・黒/赤・金の4パターンが存在します)の組み合わせを提案してみました。そしてできあがったのが以下の一振りです(斑塗は金・黒でお願いしています)。

<img src=”へし切り長谷部.jpg” alt=”へし切り長谷部”/>

 

 

細めの赤合皮、金の柄頭と黒の縁金具、秋草図の目貫、斧題目の鍔。いずれもこの美術刀における新パーツだそうです。

美術刀用の「斧題目」鍔ですが、居合刀用の物とは異なり、表裏共に「南無妙法蓮華経」の文字が彫り込まれたデザインになっています。本物の「斧題目」鍔の裏側(柄側から見た面)は、瓢箪と蔓が彫り込まれています。金型制作費の問題でしょうか?でも本歌コピーは求めていないので、美術刀の両面題目はアリでしょう。

 

<img src=”へし切り長谷部.jpg” alt=”へし切り長谷部”/>

 

居合刀特注では金霰鮫の凸凹感を控えた(近日公開予定)ので、美術刀特注では立体感を現したいと考えていました。既製品の滑らかな金地とは異なり、ザラザラした粗い感じがしっかりと具現化できた「燻し金」にとても満足しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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