「イSム」様は、これまで大和国聖林寺モデル「十一面観音」を2度、発売されています
「河越御所」では便宜上、
①初版:イSム「十一面観音」旧版
②2版:イSム「十一面観音」新版
と区分しておりました。
今回(2025・令和7)年1月末、)大和国「聖林寺」様よりデータ提供を受け、新造型「十一面観音 聖林寺」として新発売されました。
通算では
③3版:イSム「十一面観音 聖林寺」 新造型・初版
ということで、定義しておきます。
造型が新しくなっただけでなく、彩色も新たなものになったそうです。
併し乍ら生産が「限定数:50体」ということで、予約の段階で完売してしまったそうです。
今回「十一面観音 聖林寺」を逃してしまった方々、ここまで人気が高い訳ですから〝再販要望〟を「イSム」様に寄せられれば、それ程遠くない未来に再販されるでしょう。
TanaCOCORO「四天王 浄瑠璃寺」の例がありますからね。
落胆されずとも、暫し堪忍されれば入手できますよ。
さて、株式会社MORITA様本社における購入オーディションを経、「河越御所」に連れ帰った「十一面観音 聖林寺」がこちらです。

既に発売された旧版・新版との大きな違いは「お顔」になります。
従来の旧版・新版は、金箔の剥落・ひび割れを、顔面に線を入れ(傷を付け)て表現されていました。
新造型「十一面観音 聖林寺」は、剥落・ひび割れの表現はあるものの、顔面を横断する線の細工はありません。
本物に準拠している表現だったのですが、無くなったことで「お顔」の美しさが際立ちました。
以下は、「イSム」様公式HPに掲載された
左:旧版
中:新版
右:新造型・初版
です。

デコマス版(見本盤)ですので、一般流通品との相違はあります。
微妙ですが鼻筋から目の距離・目の開き具合・・・が変わりましたね。
そのうち、旧版・新版と新造型・初版を並べて比較してみます。
360度、回しています。

何処から見ても、美しいのです。
頭上の冠に配列された化仏の様子です。
後ろの2体が失われています、
こうした欠損箇所も忠実に再現しているところに、「イSム」様の〝本物準拠の拘り〟が見えるのです。

画像が小さくて(ピンボケもあって)見辛いのですが、化仏ひとつひとつの表情が豊かです。
小さくても、丁寧な造形であることが「イSム」様インテリア仏像の強味ですね。
「お顔」に柄付いてみます。

新造型の輪郭は、頬から顎にかけてふっくらしていますね。
本物だと半眼がもっと細く、口がへの字になっています。
いくら本物準拠とはいっても、仏頂面(笑)に忠実だと飾った時の印象がねぇ・・・・。
このくらいの半眼だと優しい印象になりますし、口元も可愛らしくなっています。
そして、金箔の剥落・ひび割れ表現がソフトになりました。
以前の旧版・新版だとひび割れを表す横線が入っていましたが、新造型ではそれがありません。
ひび割れ表現が無くなったことで、お顔の美しさが際立つことになりました。
胸から腹にかけての様子です。

本物の金箔残存具合を参考に金箔を貼り、金色を塗っています。
ここは職人さんの手作業なので個体差(個性)が出るところですが、購入オーディションで観察したところ、多少の差違はありましたが〝ほぼ同じ〟と見做して良いものでした。
水瓶を持つ左手の様子を観ていきます。
旧版・新版では1本、長い茎が上に伸びていましたが、新造型にはそれが見当たりません。

指の金箔の剥がれ具合に力が入っていますね。

掌(てのひら)に金箔が残っている表現となっています。
購入オーディションでは、掌(てのひら)に金箔が残っていないものがありました。
「個性」ですよ(笑)。
旧版・新版では上に伸びていた長い茎が、短くなっています。

水瓶の金箔剥落・ひび割れ具合も、旧版・新版に比べると自然なものになっています。
旧版・新版だと、ひび割れを表す線を後から入れていましたのでね。
新造型だと塗りによる表現です。
垂下している右手を観ていきます。


指の形状から、数珠を持っていた可能性があります。
下半身・前方の様子です。

右大腿部のあたり、天衣が破損しているのは本物準拠で、旧版・新版・新造型と共通しています。
裳の部分は新造型だと黒っぽさが目立っています。
よく観察すると金箔・金塗が施されていますがね。
なかなか手間が掛かっていますよ。
後ろ側に回ってみます。

腰元が括れていますので、スタイルが良く見えます。
前方からだと余り気になりませんが、後方からだと細身の像なのですね。
背中の様子です。

新造型では、黒さが目立ちます。
所々、金色が注されているのは判りますよ。
本物は艶が有り、大部分が黒色です。
新造型は、より本物に近い状態の配色になっています。
臀部は、ほぼ黒色です。

旧版・新版だと淡くですが金色が散らされています。
新造型では、よく観察すると淡く金色が散らされているかもしれない・・・という感じです。
新造型では、襞のところに金箔が残存状況が、本物に似せて表現されています。
旧版・新版だと金の濃淡だけになっていますが、新造型ですと赤味(茶色味)も加えて本物の色合いに近付けています。
ここは、かなり手間が掛かっているところですね。
手間が掛かっているところなので

左右から見ています。
金箔貼りと彩色で表現されていますが、美しいですね。
購入オーディションで確認したところ、どの十一面観音もここは丁寧に取り組まれた様で、個性がある表現になっていました。

もう〝好み〟ですがね、お顔とこの裳の表現を総合して、「河越御所」に連れ帰る十一面観音を決定したのです。
この、うねうねの画像・・・

蓮華座を拡大した画像です。
剥がした金箔を再利用しているのでしょうか?
手塗りも併用している様です。
この部分も、かなり手間を掛けていますね。
聖林寺モデルの十一面観音は、

蓮華座・敷茄子(しきなす)・反花(かえりばな)・3段の框座で構成されている台座の上に立っています。
光背は部分的に奈良国立博物館に寄託されていますが、そこは再現されておりません。
そこは、旧版・新版と同じです。
新造型の「十一面観音 聖林寺」は、旧版・新版に比べて若干、小顔になっている様です。
公式HPの画像比較では、微妙に少しずつ小顔になっている様に感じます。

水瓶に注された1本の長い茎が、短くなったのには何か訳があるのでしょうか?
お顔に〝傷〟(金箔ひび割れ表現)が無くなったことで

観音としての〝神々しさ〟が増した感じです。
綺麗、美しい、本物とは異なる優しいお顔立ちですので
斜めから見ても

下から見上げても、素敵ですなあ。

勝利時モデルの十一面観音は、「河越御所」に旧版・新版・新造型と3体御座します。
本物の聖林寺十一面観音とは、東京国立博物館に来られた際に逢っています。
でも、大和国聖林寺には未だ参詣したことがありませんの。
今春、大和国へ遊びに行く予定ですので、聖林寺に参詣したいと考えておりますのよ。
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