安底羅大将(イSム「掌」・限定生産)

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安底羅大将

薬師如来の第九誓願「安立正見」を司っています。両手で払子を持つ姿です。

 

頭部には兜を装備しています。
波夷羅像・頞儞羅像と同様に、装飾の無いヘルメット形式で、眉庇・小さめの吹返し・錣が簡略・一体化した兜を浅く被り、兜装着の4体のうち目線は下向きであるものの顔は前を向いていて表情がわかり易くなっています。また、顎髭が立体的に表現されています。
眼は見開いているものの怒りがひしひしと伝わる訳では無く、むしろ無表情と謂うのが適切なものになっています。

持物は払子です。
払子とは仏具の一種で、獣毛・麻などの繊維を束ねて柄をつけ法要の際に虫払いをする物でしたが、のちに煩悩を払う法具となったと謂います。

毘羯羅像・伐折羅像・波夷羅像・頞儞羅像・珊底羅像と同様、喉元にある甲締具には飾鋲が据えられています。
各甲を結び付ける紐帯は宮毘羅像・毘羯羅像・招杜羅像・波夷羅像・珊底羅像と同じく縄目が繊細に表現されています。
安底羅像の紐帯は赤味がかった彩色が、さらに胸甲の下、胸部の下甲に赤い顔料と線刻が比較的良く残っています。
両肩甲・腹甲、腰の天衣、下半身の下甲に薄くなっていますが金箔の痕跡が見受けられます。
裳には赤い顔料が濃く残存しています。

背後にまわると、兜の後頭部に描線の痕跡が見て取れます。塑土の風合いに、赤味がかった顔料もしくは汚れが一様ではなく再現されています。背中の甲は、金箔・色彩がほぼ剥落していますが、左肩と背中中央部には重層的な塗料の痕跡が写実的に表現されています。腰上の紐帯は、結び目が無いものの、縄目の表現が細かに再現されています。

表甲の腰部から臀部にかけて、薄らとした金箔の上に鱗状の描線が施されていたことがわかります。
兜から背中の甲にも同様の装飾があったことが推測できます。下甲と裳には赤味の強い顔料が施されていた様です。これらの再現は、何種にも分類された彩色作業によって成り立っているとのことです。

イスム像の素晴らしい点のひとつが、モデルにした像の現状を詳細かつ忠実に色彩を以て再現することにあります。他の仏像フィギュアはダイナミックにデフォルメをしてしまいますが、「インテリア仏像」の場合は現存文化財に対する敬意がなされているのです。

 

 

 

 

 

 

 

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