かなり前のことですが、三河国岡崎で遊んだ時の画像です。
岡崎公園に本多忠勝が腰を下ろして構えていましたよ。

柄(え)の長さはだいぶ短めになっていますね。
造像作業の都合でしょう。
さて、公園内の「三河武士のやかた家康館」に入りますと、地階から1階への吹き抜けがありまして、階段沿いに

実物だ「蜻蛉切」レプリカが立っています。
「蜻蛉切」レプリカを手にするには地階で、槍先を間近に見るには1階への階段上で楽しむことができます。

「三河武士のやかた家康館」の「蜻蛉切」レプリカは、触れることができます。
刃はついていませんから大丈夫、切れませんよ。
本歌の正式名称は
「大笹穂槍 銘 藤原正真作」
といい、蜻蛉が触れただけで切れてしまたという挿話に因み「号 蜻蛉切」が付されています。
室町時代、三河国文殊派の刀工「正真」によって製作されました。
個人所蔵ですが、静岡県三島市の佐野美術館に寄託されています。

とてもとてもよくできているのです。
欲しいっ!
陽刻されている梵字は、上から
「カ」:地蔵菩薩
「キリーク」:阿弥陀如来
「サ」:聖観音菩薩
三鈷杵を挟んで樋の外側に
「カンマン」:不動明王
です。
死と隣り合わせの戦場に身を置く武士は敵に、そして自身に仏性を期します。
そうした心の内を表現しているのでしょう。
本物の「蜻蛉切」が極めて良好な状態で伝存していることは、とても喜ばしいことです。
この麗しい本物「蜻蛉切」の姿を忠実に再現した「写し」が存在します。
ひとつめは
1947(弘化4)年製作
大笹穂三角槍 世伝蜻蛉切効正真作形模面固山備前介藤原宗次鋳之
こちらは刃長43.9㎝(本歌の刃長43.6㎝)で、東京国立博物館が所蔵しています。
ふたつめは
2020(令和2)年
大笹穂槍 銘 学古作長谷堂住恒平彫同人/令和二年六月吉日
こちらは刃長43.0㎝(本歌の刃長43.6㎝)で、刀剣ワールド財団が所蔵しています。
模造刀業界の皆様、忠実な形状でなくても構いませんので、是非とも「蜻蛉切」っぽい槍を企画・製作してくださいませんかね?
因みに、「蜻蛉切」の雰囲気を楽しむことができるグッズとしては
静岡県三島市の佐野美術館ミュージアム・ショップで
「蜻蛉切 原寸大 刀剣クッション」
が販売されています。
また、山形県山形市の最上義光歴史館の公式サイトに
「天下三槍」のペーパークラフト(木村吉孝氏の企画)
が無料でダウンロードできます。
佐野美術館に本歌「蜻蛉切」を観に行きたくたってきました。
先ずは、原寸大クッションを取り寄せましょうかね。