阿修羅(Standard 特注:明治27年当時損傷状況再現仕様)

コロナ禍に苛まれる以前のことでした。
現在から5~7年程前っていうことで、詳細については記憶しておりませぬ。
「イSム」ブランド・マネージャー様に
 「腕の無い(腕が欠損している状態)阿修羅ってできますかね?」
と問い合わせまして、明治時代に撮られた写真を参考に、あとはお任せで特注をお願いしました。

コロナ禍の影響により、ブランド・マネージャー様は中国渡航ができなくなり、また「阿修羅」Standardのロット製作も延期される・・・といった諸事情が重なり、特注の話が現実のものとなったのは2025(令和7)年夏終盤のことでした。

皆様もネット等でご存知であろう、大和国興福寺「阿修羅」の前腕部が欠損した状態を撮影した1894(明治27)年の写真を参考にしています。
中国の工房で彩色まで済んだ画像を送っていただき、問題ありませんでしたのでO.K.のメッセージを返信し、霜月(11月)頃に日本へと到着したとのことでした。

連絡をいただき、「株式会社MORITA」様本社まで迎えにいきました。
実物との初対面でしたよ。

特注をお願いしてから・・・数年が経過しています。
待つことについては、何の苦もありませなんだ。
箱を開けていただいて、この姿を見た時は・・・心底感動しましたよ。



一旦、箱から出てもらいましたよ。

前腕部が無いっ!

 

前腕部が無いっ!!
壊れてしまった、不備のある阿修羅ではありません。
最初から、この姿になる様にお願いしていたのですよ。



「河越御所」に連れ帰り、

改めて箱から出てもらいました。
明るいところで、じっくり観ると・・・違和感がありますが1894(明治27)年に撮影された明治修復前の阿修羅の姿に酷似しています。
現在の阿修羅のイメージが強うございますからね。



360度まではいきませんが、グルッと回ってもらいました。

前腕部2箇所が欠損していると、回して観察することで現状・阿修羅とは違うため・・・新鮮な印象を受けます。



上半身を正面から観ています。

旨の前で合掌している左腕は、もうちと開いているのですが、そこまで1894(明治27)年の画像に忠実な再現ではありません。
そこまで拘ると、価格が飛び跳ねることになるでしょうからね。
・・・〝腕の欠損を再現〟することで、手間が掛かっていますから。
通常「阿修羅」Standard価格の2倍とまではいきませんが、それに近い価格になってしまいましたのでね。
〝可能な範囲〟での再現ですので、大満足ですの。



角度を変えて、観ています。

共感していただけんでしょうが、角度・視点を変えながら観察しているととっても楽しいのです。



右腕の欠損部分に注目しています。

只、腕をカットしただけではありませんね。
折れてしまった箇所、手間を掛けて表現されています。
なかなか難儀だったことでしょう。

1717(享保2)年に発生した大火災によって興福寺の西金堂が焼失してしまったそうです。
「阿修羅」前腕部2箇所が欠損してしまったのは、この時に西金堂から運び出された際だと推測されています。
運び出したひとが折っちゃったか、何処かにぶつかっちゃったか・・・まぁ、兎にも角にも前腕部2本が欠損してしまったのですね。
折れた前腕部2本、何処にいっちゃったのでしょうかね。
興福寺「五部浄」の右腕みたいに、別の何処からか発見されるなんて・・・無いでしょうね。

 

左手が正中線上にありますね。
1894(明治27)年の画像によると、左腕の脇がちょいと狭いのです。
明治修繕で、こうした角度になったそうです。
左の掌(てのひら)は、向かって右側②反っていました。
議論がありましたが、合掌をしていたことが有力視されているそうです。



左手の掌(てのひら)が見える位置から観ています。

通常「阿修羅」(Standard&TanaCOCORO)だと合掌しているので見えないのですが、今回の特注では掌(てのひら)が見えています。
黒っぽく祭式がなされています。
赤い彩色が遺っているという可能性もあったかと思いますが、黒っぽくなっていることで経年の状況がリアルになっていますね。

 

右手の前腕部が欠損していることで、阿修羅の右胸~右脇腹の辺りの様子が見え易くなっています。
旨・脇腹のひび割れが、しっかりと再現されています。
前腕部があると、そこまでは気付きませんでした。

折れた箇所と、その周辺の彩色、通常「阿修羅」と異なる仕上げになっています。
こうした細やかな配色、嬉しいですね。



レアなので、左の掌(てのひら)を更に観ています。

よく観ると赤身を遺して、黒色を被せた彩色が為されていました。
凄く、有り難く嬉しいことです。



では、左の前腕部欠損状況を観ていきます。

今回の特注「阿修羅」だと、左腕は〝横に折れている再現〟となっています。
1894(明治27)年の画像を参照すると〝縦(叉は斜め)に折れている〟様に見えるのですがね。
まぁ、そこの部分はお任せでしたので、よろしいのですよ。

 

あらっ、是叉レアな図柄です。
やはり折れた断面、只単にカットしただけではありませんね。
火災から救い出す際、何処かにぶつかって折れた・・・という光景がイメージできる加工が為されていますね。
欠損箇所の周辺、通常「阿修羅」より手が込んでいる彩色が為されています。

 

欠損箇所がピンボケになっていますが、特注で前腕部が無くなっているからこそ、こうした図柄が撮れました。
阿修羅・左面が「左腕が無くなっちゃったぢゃないか」って云っているかの様(笑)。



今回の特注は〝腕無し〟がテーマでしたからね。

前腕部欠損2箇所以外は、通常「阿修羅」Standardと変わりありません。
「河越御所」には新版Standardが複数居りますの。
何時か、それらを並べて遊んでみますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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