恵光童子(イSム「掌」200体限定 廃盤)

2022(令和4)年10月20日(木)に発売された、高野山「木造 八大童子立像」シリーズからのTanaCOCORO「恵光童子」を観察していきましょう。
もう1年以上も経ってしまったのですね。

200体限定で、もう販売は終了してしまいました。
〝八大童子を揃えよう〟とお考えの皆様のお手元には、しっかりと届いているのでしょうか?
制多伽童子の販売数が他3体と比して圧倒的に多いですからね。
「恵光童子」は2024(令和6)年1月現在、Amazonで在庫僅少の状態です。
未だ新品を入手することはできますよ。

 

では「河越御所」に迎えた「恵光童子」の姿をみていきましょう。

おぉ、凜々しい表情です。
本物は全体を二材以上で造られた、檜の寄木造なのだそうです。

 

全体の様子が判る様に、360度転回させていきます。

 

何時ものことですが、平面の写真を中心にして斯様に調和のとれた造型を生み出しているのは奇跡ですね。
素晴らしいことです。

 

 

 

頭部には花形円形金具を3つ連ねた天冠を装着しています。
三連金具は正面と左右の3箇所に据えられています。

恵光童子の肌は〝青白色〟と言われていますが、通常の肌色ですね。
八大童子の肌の色合いは華やかですから。

恵光童子は〝八大童子の中で最も険しい眼〟をしていると評されています。
確かに眼力は強いですね。

とは言っても、本物と比較すると眼とその周辺の表現に相違があります。
本物は、眉間の隆起が顕著ですね。
右眉が若干上がっています。
イSム恵光童子の眉は凜々しく左右対称ですね。
眉間の隆起はありません。
イSムのインテリア仏像は〝本物のコピー〟を目指しているのではなく、日常で飾ることで身近に楽しむことをコンセプトとされていますからね。
部屋に飾って異和感が生じない様に〝可愛らしく〟ディフォルメされています。
頬もシュッとなっていますからね。

〝鋭い目つき〟ではありますが、本物と比較すると
 ・眼が小さい
 ・黒い瞳が小さい
ということが明らかです。
よく観察すると、イSム恵光童子は赤眼に黒い点を施しているだけです。
仏像フィギュアで「眼」の表現は〝命〟です。
イSム恵光童子が再販される折には、眼の大きさは現状維持でもよろしいと存じますが、是非ともしっかり「瞳」を描いていただきたいものです。

本物は〝青白い肌色〟ですが、経年の褪色(汚れ)により黒ずんでいます。
イSム恵光童子は、菜食で見事に経年褪色を表現していますがふつうの肌色がベースです。
部屋に飾るのであれば、青白い肌はちょいと気持ち悪い。
肌の色合いって大事ですからね。

 

顔の正面・下から見上げています。
凜々しいですよ、格好良いですよ。
本物は〝恵みの光をもって一切を照らし出す〟玉顔ですからね。

本物は眉間に皺を寄せて憤怒の表情をたたえていますが、イSム恵光童子に忿怒相は似合いませんからね。

それでも、やはり〝黒い瞳〟を描いていただきたいです。
この画像を観て、〝黒い瞳〟を望む気持ちが、より一層強くなりました。

 

イSム恵光童子の顔だけの転回画像です。
頭髪の生え際は、丹念に一本一本筆書きがなされています。
これは芸が細かい。

 

胸元には、本物ですと銅製の胸飾が装着されています。
イSム恵光童子では、胸飾は身体と一体化、彩色が施されています。

 

頭部後方にまわりこんでいます。
頭髪が艶々ですね、光の当たり具合によりますが。
案外とがっしりした肩幅です。

ちょいと寄ってみましょう。
頭髪は黒一色ではありません。
自然な風合いとなる様、茶色を差していますね。
丁寧に髪の毛が一本一本描かれているのが判ります。

本物は耳の後方部分から、下半身後方の裾内側で前後に割矧(わりはぎ)できる様になっているそうですよ。

 

 

恵光童子は
 左手に「月輪」(がちりん)を頂に掲げた蓮華
 右手に尖り三鈷杵、つまり金剛杵
を持っています。
「月輪」は、仏の無限の知恵を象徴するものだそうです。

持ち物とは別に身体のライン、適度に筋肉のメリハリがあり、括れも見えます。

 

でも、ちょいと角度を変えると童子たちに共通する〝ぽっちゃりお腹〟が見えちゃうのです。
これは愛らしい共通点ですよね。

 

こうして見ると、日に焼けた健康優良児みたいですね。
高野山不動堂・不動明王の眷属たる、引き締まった身体のラインが美しいです。

頭部と身体の根幹部分は一材によって造られているのだそうですよ。

 

右手に尖り三鈷杵が握られています。
握っている右手が、経年褪色(汚れも含む)の様子を見事に表現されています。
生まれてから(象として造られてから)ず~っと尖り三鈷杵を握ってきたという時間の経過を塗りで表現されていますね。
凄い技術ですよ。

本物の、上腕部の臂釧は木製、手首の腕輪は銅製だそうです。
それにしても尖り三鈷杵を持っている右手・右腕の塗りが見事ですね。

 

尖り三鈷杵を正面から見ています。
制多伽童子も清浄比丘童子も、持っているのはこの尖り三鈷杵です。

尖り三鈷杵のアップです。
ほらっ、握っている右手が、本当に汚れている手みたいですよ。
こうした経年を表現する塗りの技術、難しいですよね。
ただ汚すだけでとは違いますからね。

 

左手には、太く青々とした蓮華が握られており、蓮の花の頂には「月輪」(がちりん)が据えられています。

X線で胎内に月輪形の銘札が納められていたことが判っています。

それはそうと、胸襟が発達していますし、左脇腹にある括れが引き締まった身体を強調しています。

上帛の赤い表側には「菱形雲文」が施されています。
裏側は黒くなっており模様は不明です。

 

右腕の様子を観察していくと、なかなか厚い胸板と共に

〝ぽっちゃりお腹〟が判ります。

もうちょい視線を下げると、もっと〝ぽっちゃりお腹〟であることが判ります。

 

 

朱色の裳を着用しています。
裳の表側は「四ツ目菱入七宝継文」の地に「六弁花丸文」だそうです。
う~んっ、判らん。

裳の「四ツ目菱入七宝継文」の地に「六弁花丸文」・・・やはり判らん。
裳の縁は「牡丹唐草文帯」だそうです。
裾の模様は判りますね。

 

後ろにまわりこみます。
腰から緩やかな曲線を描いています。
腰布の模様は表裏共に不明だそうです。

裳の「四ツ目菱入七宝継文」の地に「六弁花丸文」、何となく判りますね。

腰布の模様は不明といいますが、汚れ・褪色?の様子が塗りで表現されています。
本物のこの部分は、見ることができませんからね。

「六弁花丸文」は判りますが、下地の「四ツ目菱入七宝継文」は認識できません。
裾の「牡丹唐草文帯」は判り易いですね。

 

ここ(露出している足)も経年褪色の表現が見事ですね。

足下の様子です。
本物の足釧は木製なのだそうです。

 

不動明王の脇侍として
 制多伽童子
 矜羯羅童子
のパターンが一般的ですが、矜羯羅童子に変えて恵光童子にすると三体が並んだ時の印象もだいぶ変わりそうです。

そのうち、幾つかのパターンを試してみますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当サイト内のすべてのコンテンツについて、その全部または一部を許可なく複製・転載・商業利用することを禁じます。
All contents copyright (C)2020-2024 KAWAGOE Imperial Palace Entertainment Institute / allrights reserved