「親魏倭王」印(筑前国)

かなり前のことになりますが、福岡県の甘木市観光協会(当時)のホームページで「親魏倭王」の金印が販売されている情報を見つけ、通信販売を利用して購入しました。
ちなみに福岡県朝倉市は、2006(平成18)年3月20日に甘木市・朝倉町・杷木町が合体して誕生しましたので、「甘木市観光協会」は「あさくら観光協会」となっています。

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金印は、この様な木箱に入っています。蓋には「親魏倭王」の文字がおされています。

 

<img src=”親魏倭王.jpg” alt=”親魏倭王”/>

同梱の説明書は以下の様な文面となっています。


「親魏倭王」の印
  □(印文)
 中国の史書「三国志」に記されている「魏志倭人伝」に初めて日本のことが出てきます。
 この中で、邪馬台国の女王卑弥呼に「汝を親魏倭王となし、金印紫綬(くみひも)を仮える。装封して帯方太守に付し仮授させる。」とあります。
邪馬台国論争が日本三大ミステリーの一つとして論争の渦中にありますが、女王卑弥呼の墓が、この「親魏倭王」の金印が出土されれば終止符が打たれます。
現在は「魏志倭人伝」に登場する国のうち、對島国=対馬、一支国=壱岐、末盧国=唐津、伊都国=糸島、奴国=福岡・筑紫が明らかにされていますが、その先の国が特定出来ていません。昔、民族が移動する場合には、その地名を持って移住していたこと、奈良大和地方と甘木朝倉地方との主要な地名が一致し、地名配置も極めて類似点があることから、邪馬台国は甘木朝倉地方に存在し、神武天皇に率いられて東遷し、大和朝廷になったという「邪馬台国東遷説」が有力です。更に、古事記・日本書紀、考古学サイドの見地に加えて、数理統計的手法を駆使して、天照大御神=卑弥呼、高天の原=邪馬台国が解明されています。
 さあ、あなたも邪馬台国の謎解きに参加しませんか?
      監修 甘木市観光協会

 

漢代(後漢)の印制度において、階級の序列により綬の色、つまみの紐の形式、印の材質・印文が区分され、定められた印を綬によって身に付け、官職に就くことを「印綬を佩びる」と表しました。
印の大きさは一寸(約2.3㎝)四方で、紐には長さ一丈二尺(約2.8m)の絹紐を通して常時携帯し、物品・情報の封緘する封泥に押印することになっていました。

中国周辺の異民族の支配者(朝貢国の王等)を外臣とし、彼らに下賜されるのは
 金印紫綬…外臣で王号を持つ異民族の支配者へ。中国列侯に準じて与えられる。
 銀印青綬…異民族支配者の臣下へ。中国内臣に準じて与えられる。
 銅印黒綬…異民族支配者の臣下へ。中国内臣に準じて与えられる。
 木印黄綬
の4種で、外臣は中国王朝に直接仕えている内臣よりも低い扱いを受けていたそうです。

 

 

箱の中から取りだした、真鍮製の印には上記の様な規定にのっとって、短めですが紫綬が結び付けられています。

購入して当方に届いた時、箱を開けて中を確認し、また箱に戻しました。
それから十数年の時間が経過していました。
久方振りに箱から出してみると、印はくすんでいました。紫綬がついた上の画像は長きにわたって箱の中に放置していた物を撮影していますので、くすみが目立っています。

 

さて、磨きクロスで製造当時の輝きを取り戻しました。組紐は印を磨くために取り除いております。この画像では、違いがあまり判りませんね。

<img src=”親魏倭王.jpg” alt=”親魏倭王”/>

 

<img src=”親魏倭王.jpg” alt=”親魏倭王”/>

角度を変えながら、印の全体像をご覧ください。
実物は現時点で発見されておりませんので、この印は想像で製作されていることにご注意ください。

 

 

 

印面はこの様になっています。

売店でこういったグッズが販売されていると、嬉しくなり購入してしまいます。

 

さて、邪馬台国論争に介入する気はまったくありませんが、ご参考までに。
〝親魏○○王〟の称号下賜事例は「親魏倭王」と「親魏大月氏王」の2例だそうです。
「親魏倭王」は、日本列島の倭国に与えられた称号です。倭国は三国時代、魏の敵国だった呉(孫氏)の背後に位置しており、呉に対する牽制としての「親魏」の称号が与えられたのではないか、と考えられています。
「親魏大月氏王」は、インドのクシャーナ朝に与えられた称号です。大月氏は三国時代、魏の敵国だった蜀(劉氏)の背後に位置しており、蜀に対する牽制としての「親魏」の称号が与えられたのではないか、と考えられています。
『三國志』では「親魏○○王」を並立させるため、倭・大月氏は同規模で、魏からみて東西対照な位置にあるとされたのだといいます。

このあたりの事情についてまとまった書籍として、
東洋史学者の故・岡田英弘氏(東京外国語大学名誉教授・東洋文庫専任研究員)の『倭国‐東アジア世界の中で』(中公新書482:1977)、
中国古代史がご専門の渡邊義浩氏(早稲田大学理事・文学学術院教授)の『魏志倭人伝の謎を解く‐三国志から見る邪馬台国』(中公新書2164:2012)
の2冊が刊行されております。是非、お読みくださいませ。

 

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