大和国室生寺(奈良県)その参② ‐奥之院‐

2024(令和6)年3月末の西国遠征よりも前にアップすることを意図してまとめていた記事になります。
妙吉祥龍穴の激流が印象的でしたので、その記事の更新を先にしてしまいましたが、本来はこの記事のあとに妙吉祥龍穴の激流が更新される予定でした。

以下の画像は2022(令和4)年末に撮影されたものです。
大和国室生寺(奈良県)その参② ‐入口~五重塔‐の続編記事です。

 

修圓が封じ込めた龍が居る五重塔での遊びを終え、いよいよ「奥之院」へと向かうことにしました。
室生寺はこれまで何度も参詣していますが、「奥之院」登拝は2回に1度の割合でおこなっています。
スケジュールの詰め込み具合によって、登拝の可否が決まるのですよ。

 

五重塔の横に「奥之院」へと続く石段があります。
杉の木が多い茂っている山中へと足を踏み入れることになります。
石段の幅や勾配が一定ではありませんのでね、足元の装備はしっかりとしておきましょう。

神木ではありませんがね、〝ここから聖域になるぞ〟というメッセージが伝わってきそうな佇まいです。

振り返ると五重塔の後方が見えます。
陽は差しているのですが、光の当たっていない屋根には積もった雪が残っています。

「奥之院」の案内です。
手前には
「午後3時半 以降は
 ここから先に進まな
 いでください
        山主」
という注意書きがあります。

以前は「午後3時」の表示だったかと記憶していますが、季節によって変更されるのでしょう。

先程の「奥之院」の案内を過ぎると、緩やかな下りの砂利道になっています。
段々はありますので、足元にご注意くださいな。

緩やかな下りですが、慌てずにゆっくりと進んでいきましょう。
参道は未だ未だ続くのですよ。

金網のフェンスが見えてきました。
「奥之院」まで個人差はあるでしょうが、時間が掛かりますからね。

「ここから奥之院
  開扉(OPEN)
   AM 9:30
  閉扉(CLOSE)
   PM 3:30」
という注意書きが懸けられています。

室生寺の公式見解では、ここから先が「奥之院」という訳ですな。
毎日、天候に関係無く「奥之院」詰めの担当者が開け閉めしておられるのでしょう。

このフェンスは以前から設置されていましたが、掲示が増えていますね。
ルールを遵守しない族がいるのでしょうか?
仏教者・修験者にとって〝修行の場〟ですからね、気の緩みが命取りになりますぞ。

ちょいと平坦な道になりますが、向かって左側には何も設置されていませんからね。
落ちていかない様に注意が必要です。
悪天候や足元が濡れている時は勿論ですが、常時注意を払いましょうね。

何時の時代に調えられたのでしょう。
歪さを残しながらも、しっかりとした石組みになっています。
その先に朱色の太鼓橋が架けられています。

この朱塗の欄干を有する太鼓橋は「無明橋」(むみょうばし:室生寺公式HPでの表記)と名付けられています。
滑り止めが施されていますが、濡れている時は気を付けましょう。
この時は、向かって左側に積もっていた雪が残っていましたよ。

「無明橋」の真ん中に立って、これから上る石段を見ています。
歪んでいますが、室生寺側では登拝し易い様に整備作業をおこなっていますので大丈夫です。
ただ、場所によって石段の傾きや幅が異なりますので〝上るペース〟が乱れてしまいますよ。
これも〝修行の一環〟ですからね。
この「無明橋」を渡ると、場の雰囲気が一変しますよ。
気を引き締める必要があります。

「無明橋」を渡って直ぐの左手側、岩場に覆い被さるが如く樹木が根を張っています。
彼方此方にこうした岩場、そこに逞しく根を張る樹木の姿を見ることができます。

「奥之院」(の頂上)を目指して、この石段を上っていきます。
数えていませんが、700段あるそうですよ。

 

 

 

 

石段を上っては様子を撮って・・・を繰り返しています。
この上っている時に、心の余裕なぞありませんょ。
画像からもお解りいただけることですが、石段が平らではありません。
石段の幅も場所によっては違います。
これで体力、更に集中力も殺がれていきます。
流石、「高野」を名乗っているだけのことはありますよ。


ちょいと参道の石段から外れ、

「常燈堂」(じょうとうどう)を見上げています。
石垣が段々に組み上げられているところに懸造(かけづくり)で建っています。

あと、もう一息です。
参道の石段に戻ります。

偶然、気付いたのですが、側石に文字が彫られていました。
・・・ん~っ、判読できませぬ。

石段の上面に文字が彫られているものもありました。
・・・やはり判読はできませんでした。
他にも仰山あるのでしょうな。

あともうちょいのところに坊主が座っていました。
ありゃ、右手を捻って法具を持っていらっしゃる・・・。

綺麗に真っ直ぐ伸びていますね。
紙墨じゃないのに、清清しさを発しています。

〝天照大神の恵み〟が強めに差してきました。
間もなくゴールであることを知らせてくれているかの様です。

とは謂い乍ら寄道して「懸造」を横から見ています。
雪が残っていますね。

 

 

巧妙な気の組み方をしていますが、現代的な雰囲気を感じました。
調べてみると、1935(昭和10)年の建立なのだそうです。
なぁ~んだ、案外若い建物ぢゃないか(笑)。

古くて文化財指定を受けていれば、修繕用の木材がこんな風に雑然と置かれることは無いでしょうからね。

未だ石段の途中でしたが、「常燈堂」を横から見ています。
「金剛殿」の額が掲げられています。

石段を上りきって「常燈堂」を見ています。
「常燈堂」は、額②もありました様に「金剛殿」または「位牌堂」とも呼ばれているそうです。

左にちら見えしているのが「御影堂」(みえいどう)です。
いつも閉まっているので、写真を撮ることを失念してしまいました。
まぁ、また登拝するでしょうから、その時には撮っておこうと思います。

突き当たりの建物、左側の窓口的なところが授与所、右側が休憩所です。
「奥之院」では2種類の朱印をいただくことができます。
勿論、守り等の授与もありますよ。

朱印をいただいてから、御坊と話をして喜捨をしました。
御坊から「有り難うございます」とお詞を受けましたが、此方こそ有り難うございますなのです。

「御影堂」は撮り損ねていましたが、その奥の「七段石塔」の様子は撮っていました。
岩の表情が様々ですね。
室生の山は、岩場が剥き出しになっている所が幾つもあります。
古来から〝信仰の場〟だったのでしょう。
〝修行〟するには善き場所ですよ。

 

「常燈堂」縁の廻廊を楽しんでいます。
ここに来たら毎回、注目していますよ。

この床板にある節穴(笑)。

毎回、下を覗きます(笑)。
これでも、結構高い懸造であることが実感できます。

角っこに据えられた木造・擬宝珠(ぎぼし)。

観光客がスリスリ/ゴリゴリしたのでしょうか?
野生の鳥獣がガリガリしている可能性はありますがね。

眼下に室生川が流れています。
室生の町並みも広がっていますね。

欄干の間から、下を見ています。
当然ですが、見下ろすと高所恐怖症ではなくても、おっかないですよ。

 

あらっ、歴史を感じさせる柱ですこと・・・ぢゃないのです。

 

 

 

 

1935(昭和35)年に建立されたとは謂え、文化財指定がされていないとは謂え、落書きや傷を付ける凶行・愚行は厳に慎むべきです。
  室生寺関係者の目が届かない位置だから
  自分よりも先に誰かがしているから
・・・というのは理由にはなりません。
後世に意識の低さ/愚かさを伝えることは止めましょう。
罰が当たりますよ。

 

 

「常燈堂」縁の廻廊から、上ってきた石段を見下ろしています。

 

難儀な道を上ってきたものです。

 

さぁ、これからこの石段を下って俗世に戻りましょうか。
これから何度も、この石段を上っては下るという修行を繰り返すのですよ。
次の登拝は何時にしましょうかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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