大日如来(M-ARTS リアル仏像 Standard旧版 廃盤)

大和国の圓成寺(えんじょうじ)は山号を忍辱山(にんにくせん)という、柳生街道沿いにある真言宗の古刹で、此方の大日如来坐像のモデルとなった運慶の最初期の作品である国宝・大日如来坐像を所蔵していることで知られています。

 

運慶の最初期の作品とされる大日如来坐像は、檜材による寄木造で、漆箔(しっぱく)仕上がなされている玉眼(ぎょくがん)の像です。
両手で智拳印(ちけんいん)を結んでいることから金剛界の大日如来です。像高は98.8㎝(98.2センチとも)と、それほど大きい像ではありません。

1920(大正9)年には古社寺保存法により国宝(旧国宝)に指定され、1993(平成5)年に文化財保護法によって改めて国宝指定がなされました。国宝の名称は「木造大日如来坐像 運慶作1軀」といいます。

今回とりあげるのは仏像ワールド「リアル仏像 大日如来」(Standard旧版 大日如来)です。
下の写真のように現行のStandard大日如来よりもだいぶ小振りな造形です。
また金箔の残痕状態の再現が、本物よりもダイナミックになっています。

 

この旧版・大日如来については発売開始時と廃盤になった時期について、情報を保存していなかったため、詳細は忘却してしまいました。

 

さて、気を取り直して360度の転回で、大日如来像の全体をご覧ください。

 

 

運慶最初期の作品ということに加え、頭部と身体のバランスが整っていることから造形の美しさは高く評価され、人気の高い像になっています。

 

丸い輪郭の顔に、切れ長の鋭い眼差し、堅く結んだ口唇。
本物ですと玉眼を嵌入していますが、此方の大日如来は半眼状態の目を彩色で表しています。

 

宝冠は後の時代の補作ですが、天冠台は造像当初のものといいます。
此方は細やかな透彫を再現した宝冠に緑の彩色を濃いめに施しています。
正面中央部に赤い宝石が嵌め込まれているのですが、そこは赤く彩色しています。

 

宝冠に隠れて見えにくいのですが、高く結い上げた髻は平安時代初期の作例に倣っている造形だそうで、髻の正面を花形に束ねるのが中国・宋代の仏画の影響と推測されているといいます。
髻には髪毛の筋が一本一本、丁寧に彫り込まれています。

 

玉眼ではありませんが、圓成寺大日如来の目付きを彩色で見事に再現しています。

 

圓成寺大日如来は身体が4度後方に傾斜しているので、玉眼の瞳の位置は中央よりもやや下寄りに描かれ、礼拝する人々に視線が合う様に調整がなされているそうです。
顔のアップを見てみると、本物よりも金色が占める割合が多くなっています。
漆下地に相当するところは単純に黒色をぬっているのではなく、茶色がかった塗りが見られます。

 

耳の形状は、耳朶を長めにした耳朶環状(じだかんじょう)となっています。耳孔(じこう)は表現されていません。
髪の毛は一本一本筋彫りを施しています。
右耳の後方から肩にかけて垂髪を広げながら垂らしています。左側の垂髪は欠損しています。

 

胸には瓔珞(ようらく)というネックレスが装着されています。
腕には臂釧(ひせん)、手首には腕釧(わんせん)を着けています。アクセサリーは緑色に彩られています。
本物の上半身を襷状にめぐっている条帛(じょうはく)は、如来の身体とは別材で制作され、それを身体のラインに合わせて貼り付けているのだそうです。手間も費用も余計に掛かってしまう作法ですが、上半身を後傾させる造像という新しい姿勢の制作にあたり、上体の〝左右対称〟を確保し、腹の前で印を組む両腕の空間構成を優先させながら条帛が貼り付けられたのだと考えられています。

金箔の残痕状況も経年を感じさせるように工夫して彩色されています。顔面と同様に漆下地は均一な黒色を塗っているのではなく、茶色っぽさを加えたり、左腕の下地剥落箇所の再現のように本物を参考にした彩色表現がなされています。

 

腹の前で、左手の人差し指を右手で握る「智拳印」(ちけんいん)を結んでいます。これは金剛界の大日如来のしるしで、菩提(悟り)と煩悩(迷い)は本質的に同様であるとする「煩悩即菩提」を意味しています。

 

台座の上で結跏趺坐(けっかふざ)しています。
下半身を覆っている裳と腰布は、自然に流れる様な襞が刻まれています。
両膝は厚みをもって象られ、衣文の彫りや衣端の処置も自然な表現になっています。

 

細く括れも見える腰が後傾しながら印を結ぶ上体を、バランスをとりながら支えています。
横から見ると、結跏趺坐の形で組んでいる両足はなかなか逞しく盛り上がりをみせています。

 

光脚部分には葉っぱの装飾が据えられています。此方の大日如来(Standard旧版)では、光背は固定されています。

 

光背の二重円相部(円盤状の頭光と身光)と光脚は、造像当初のものと考えられています。
光背の周縁部は損失してしまったと考えられています。
とても良く再現されています。

 

左右それぞれ真横から、背筋を伸ばして座る大日如来の姿勢を見ている画像です。
顔の頬の張り具合、背中から腰・臀部にかけての曲線などから、人体を写実的に再現していることによる肉厚感・弾力性を感じさせてくれます。

 

上半身をやや後方へ反らし気味にし、胸・腹と印を結ぶ両腕との間隔を広くとることでバランスをとっている像です。
背中・腰周辺の曲線から実際の人間の身体を参考にしていることが指摘されています。

 

台座のうち、いちばん上の蓮華部は造像当初のもので、台座の敷茄子(しきなす)から下框(したがまち)にかけては美術院による補作だそうです。

 

左が圓成寺大日如来(本物)、右がリアル仏像・大日如来(Standard旧版)の顔面です。
リアル大日の顔の金塗り部分が、本物の金箔残存状況をもとにしながらもダイナミックに再現していることが判ります。ディフォルメするにしても、金彩色が少ないよりも多い方が嬉しく、得した気分になります(個体差はあるのでしょうが)。これもまた楽しみ方のひとつでしょう。
こうして並べると違いが明確になりますが、別個に単体で見ているとリアル大日が身近な存在ですから〝本物がこの様な感じの造形だ〟と感じてしまいます。さすが「リアル仏像」です。

近日のうちに、イSム・大日如来について見ていきたいと考えています。

 

 

 

 

 

 

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