2024年06月07日 眠っていたのは「男大迹王」でしょう。

2024(令和6)年の春、大阪に遊びに行った時のお話です。
摂津国の今城塚古代歴史館、第3弾となります。

目を引いた展示のひとつに家形石棺のレプリカがありました。

だって、石棺と蓋の間に隙間があるんです。
石棺内が明るくなっているんです。
そりゃぁ、気になりますわぁ。

勿論、覗きましたよ(笑)。

 

あらっ、安らかに眠っておられる。
今城塚ですからね、「男大迹王」(おほどのおう)をイメージしていることでしょう。
「男大迹王」は一般的に継体天皇と称されています。
  『古事記』では「袁本杼命」(をほどのみこと)
  『日本書紀』では「男大迹王」(をほどのおおきみ)
と表記されている人物ですよ。

『古事記』によれば近江国、『日本書紀』によれば越前国に居た応神天皇の五世孫だそうです。
悪名高き武烈天皇の没後、チーム大連(大伴金村:おおとものかなむら/物部麁鹿火:もののべのあらかひ)によってヤマト政権に迎えられたと謂われています。
19年も大和国入りをせず(果たせず?)、河内国で即位したと謂います。
500年代前半の複雑な政治状況を反映していると考えられています。

最近、「日本は万世一系、こんな国は世界中で他に無い」と力説するおっちゃんの話を聞かされましたのでね。
記録を精読することで「日本は万世一系」という妄想は打破できます。
更に「日本は・・・」と聞かされたのですが「倭国の時代を無視するなっ」という指摘は・・・しませんでした。
偏ったイデオロギーに囚われている人とは関わり合わないのが身の為ですので。

脱線しちゃいましたね。
エンターテイメントに話を戻しましょう。
「男大迹王」の埋葬状況を再現した展示ですが、直刀?剣?が左右にそれぞれ配されています。
刀身は復元されていないと思いますが、丁寧に再現されています。
これで刀身が入っていたら、素晴らしいっ!
頭部に冠も据えられています。
それよりも頭の左右、そして胸の上にある副葬品の銅鏡レプリカにご注目ください。
「男大迹王」の
  頭上左側:画文帯神獣鏡
  頭上右側:斜縁二神二獣鏡?
  胸 の 上:内行花文鏡
と3枚が別の銅鏡レプリカですよ。
こういう〝芸の細かさ〟、堪らんですねぇ。

 

足元から観ています。
見切れてしまいましたが、金銅沓も配されていますよ。
足首の開き/傾き具合が死後、ちょいと時間が経過した様子を見事に表現していますね。
肌の色合いと相俟って、リアルな被葬者ジオラマになっていますよ。

こうした展示を目の当たりにしている時は楽しくて気分も高揚しつつ撮影をしています。
でも、帰還して画像を整理していると
 ・もっと全体像を
 ・多角的な視点から
 ・ピントが合う様に注意する
・・・などという課題を意識せざるを得ませぬ。

また2024年内に、大阪府高槻市およびその周辺を探訪したいと考えておりますよ。