伐折羅 2015L imited(イSム 完全受注製作 2015年限定モデル)

TanaCOCORO「伐折羅~魄~」が発売されたことを受け、既に販売終了した「伐折羅」Standardサイズのお話をしました。
・・・となれば、同じく現在販売が終了している「伐折羅 2015 Limited」のお話をせねばなりますまいて。
2015(平成27)年6月24日~7月15日の間、完全受注製作だった作品ですよ。
彩色師・篁千礼氏の特別彩色でございました。
現在では「イSム」様公式HP「取扱い終了商品」でしか見ることができません。

では、完全受注製作の「伐折羅 2015 Limited」の流麗な姿をご覧いただきましょう。

背景を黒くすると、鮮やかな彩色が映えます。
素晴らしゅうございます。

 

360度、転回させています。

小っさいので、もう艶やか云々が判りませんぞ(笑)。

 

頭髪が纏められ、毛先が乱れて炎髪の様になっています。
髷の中、金色に塗られた「戌」が居ます。
頭髪が同色なので、緑錆をイメージした彩色が為されています。

「伐折羅 2015 Limited」には瞳が描かれています。
「伐折羅」Standardに比べると「怖さ」は・・・かなりの忿怒相ではあるので室の異なる「怖さ」を纏っています。

後述しますが、装着した鎧の飾り彩色が・・・まぁお見事っ。

 

アンティーク・ゴールドを基調とした鎧が、とても美しいのですよ。

 

明るめの画像で、表情をご覧いただきましょう。

目はカッと見開き、黒っぽい顔面が憤怒の形相です。
「伐折羅」Standardには瞳がありませんでしたが、瞳が描かれていても恐ろしい形相なのですね。

 

逆手で握った三鈷剣の切っ先をこちらに向けた状態で、憤怒の形相を見ています。

いや~っ、おっかないですね。
因みに三鈷剣、ちょいとだけ湾曲しています。
でも、カッコいい感じの曲がり方なので、これは善しとしています。
ほんに偶然なのですよ(笑)。

 

三鈷剣の切っ先を、ちょいと下に向けた状態です。
「伐折羅」Standardと同じく〝殺気を纏っている〟のに瞳があるのと、華やか&鮮やかな装飾が施された鎧を着けていることで、かなり印象が変わります。

 

ほらっ、三鈷剣なので真っ直ぐな筈なのに湾曲しているの、お判りいただけますよね。

 

背景を白くした画像ですが、こちらでも〝イイ感じに紛っている〟のが確認できますね。
普通だと〝三鈷剣が曲がっている〟なんてクレームの対象になってしまいますよね。
併し乍ら偶然の産物、しかもLimitedですからね。
製造途中に、若しかすると「まぁ、いっか」だったかもしれませんが、結果として大成功でしたね。
この〝うねり〟、素晴らしい〝個性〟になりましたよ。

 

鮮やかな鎧の様子も楽しむため、黒い背景で鎧のほぼ全体を観ることができる画像です。

ねぇ、三鈷剣が素敵でしょ(笑)。

 

大和国興福寺東金堂モデルの伐折羅、この逆手で三鈷剣を振り上げている姿が凜々しいのです。
角度を変えながら、その勇姿を楽しんでいきます。

 

 

 

アンティーク・ゴールドを貴重にした鎧、〝地味なのに派手さがある〟という不思議な魅力を有しています。
所々に金色やアクセントの赤が注されていますので、見事なまでの美しさを感じます。

 

三鈷剣を逆手に持っている右手を拡大しています。

肩口から手首まで、着衣や防具が華やかに彩られています。
これ、彩色ですよ。
将に美術・芸術品ですよね。

実際に身体を防護する機能を有した防具ですよね。

装飾も丁寧に塗り分けられていますのでね、こうした細やかな意匠の連動・連結が全体の調和がとれた美麗さに繋がっているのでしょう。

 

今度は、魔物を抑える左手に注目していきますね。

肩当に植物の意匠が表現されていますね。
アンティーク・ゴールドの中では単なる赤色だと突出してしまいますが、金色の花葉意匠を乗せることで、全体の一部として収まっていますね。

 

ちょいと回り込んでみます。
下に着込んでいる甲の縁取り、エメラルド・グリーンに金色で植物の意匠が描かれています。

 

更に回り込んでいくと、

アンティーク・ゴールドの鎧の下に着込んでいる甲の模様として表現されていることが判ります。
赤と緑の相性が良いのは知っていましたが、アンティーク・ゴールドとも相性がよろしいのは驚きでしたね。

肩から脇にかけて、金色に縁取りされたエメラルド・グリーンの帯に忍冬唐草文様が施されています。
イSムのブランド・マネージャー様やいつもお世話になっているスタッフ様から「篁千礼先生は、植物の模様が得意なんですよ」」と教えていただいたことがあります。

深みのがあるアンティーク・ゴールドに、このエメラルド・グリーン+唐草文様は見事に映えていますよ。
重厚さと優美さを併せ持つ鎧ですね。

 

もっと下に回り込むと

エメラルド・グリーン+唐草文様は、脇腹のところから腰元へと下りています。
肩当てと連動しているのでしょうか?
想像するにスリム化した「短甲」を装着している感じですね。

 

胸甲には金縁取りの内側に植物文様に緑・赤の装飾が施されています。
深みのある金/通常の金/緑/赤という組み合わせが、随所に鏤められている、統一感を意識した配色になっています。
また、アンティーク・ゴールドの縁取りに金を注すのも素敵な配色です。
素晴らしい差配ですよ。

腹が腹甲から大きくズレています。
伐折羅の身体が、それ程に捻られているということですね。

 

では次、魔物を制するため、大きく広げられた掌(てのひら)に注目していきます。

黒い肌(手)に緑青を注しているので、まるで金属の様な雰囲気が出ています。

画像を紛失してしまいましたが、この「伐折羅 2015 Limited」の左手、遮光器土偶が倒れてきて指3本が粉砕してしまったという「事故」があったのです。
精神的に相当落胆したのですが、何時もお世話になっているスタッフ様に相談したところ、修理担当のスタッフ様に取り次いでいただき、斯様に仕上げていただきました。

飾っていると者が倒れてきて仏像に損害を来す、移動するとうっかりぶつけて手を欠損する・・・こんな悲劇が何度かあります。
販売終了(廃盤)や限定の仏たちが覆い「河越御所」にとって、修理対応してくださることは、とても嬉しく有り難いことです。
複数の指折れで1万円以上を要しますが、損傷前の姿に戻ってくれるのであれば意に介しませんからね。

 

鎧の下に着用している衣の袖、重なっているし、広がっているし・・・。
ポリストーン製なのに、軽やかな布の様に見えますよね。
本物も然ること乍ら、イSム「伐折羅」Standardの再現具合も素晴らしいですよね。
篁千礼氏特別彩色「伐折羅 2015 Limited」は、この袖口に赤味(赤茶色)が強めに注されています。
アンティーク・ゴールドと暗めの赤が、絶妙の調和を奏でています。

 

開いた掌(てのひら)が、下に対して圧迫しているのが判る画像です。

まぁ、〝圧迫している〟というのは比喩ですが、可視化された魔物が居ればグチャッと押さえ込まれていることでしょう。
これまた後述しますが、腰から膝周辺までを防護する重ねられた甲の装飾、何と美しいことでしょう。

 

圧伏されている魔物の目線から、開かれた左手を見ています。
大和国興福寺では、この目線で伐折羅を拝観することはありませんからね。
いろいろと表現はありますが、いわゆる仏像フィギュアと纏められる物(仏)のことを「河越御所」では単なるレプリカ/売物ではなく、日本の歴史や文化、そして信仰を身近に感じ、そして体感できる手段・方法と認識しています。
手元で愛でることができる仏像として、所蔵寺院について調べたり、諸仏についても学ん(・・・それは実際にしていませんでした)でいくきっかけになることでしょう。
「イSム」様のインテリア仏像は、そうした「河越御所」の認識・定義を充分に満たしてくれています。
いや、想定を遙かに上回る素晴らしい仕上がりで、逢いたい仏像を巡る機会をつくってくれています。
〝楽しい遊び〟の源(みなもと)となっているのですよ。
感謝感謝です。

 

右手の観察から、下半身を防護する重ねられた甲の様子を見ていきましょう。

各甲毎に塗り分けられ、それぞれの魅力・個性が際立っています。
この並び、考えられた末の配色なのでしょうね。
最高に美しい仕上がりです。
篁千礼氏特別彩色の限定品は、篁千礼氏の創作で配色・彩色が為されています。
確かに高価ではありますが、一度この魅力に囚われてしまうと・・・離れることができませんの(笑)。

Limitedが発表されたら、諸事を扨措いてLimited購入に注力するとよろしいでしょう。
その時は〝辛い〟(笑)ですがね、後々に無茶したことが無限の喜びになりますの。

 

位置・視点を変えていますが、何処を観ても何と優美なことでしょう。
こうした芸術を、何時も身近に感じることができる「イSム」インテリア仏像は、〝オトナの遊び〟としては至極の対象ですぞ。

 

「伐折羅」Standardですと、暗い色合い的に余り明確ではありませんでしたが、こうして「伐折羅2015Limited」を観察していると腰から臀部にかけてに〝搔き傷〟の様な線が見えます。
木目を仮託した表現なのか、それとも他の意味があるのかは判断つきかねますが、本物の当該部も、こんな感じなのでしょう。

 

右側から腰回りの様子です。
流麗な雰囲気だけではなく、実際に鎧を着込んでいる質感もしっかり伝わってきます。

 

後方に廻って、後ろへと靡いている裳の居の様子を見ています。

軽やかに流れている裳が、深いアンティーク・ゴールドで塗られているので金属感が伝わっています。
〝布なのに金属〟という矛盾した表現ですがね。
編み目のとても細かい鎖帷子の様だとすれば、共感いただけますかね?

 

横から見ている、草履(サンダル?)ばきの足もとです。

黒い肌に緑青を注しているので、肉体に金属感が備わっています。
彩色って、無限の広がりを持つ美術的表現なのですね。
凄いですね、素晴らしいですね。

 

最後に、明る目の画像で「伐折羅 2015 Limited」の全体像をご覧いただきましょう。

いや~っ、カッコいいですね。
美しいですねっ、イイでしょ(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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