伐折羅(イSム「掌」 篁千礼氏彩色 特別極彩色Ver.)

此方は、TanaCOCORO[掌] 伐折羅に篁千礼氏が極彩色を施された、2体しか造られなかったという「伐折羅 特別極彩色Ver.」です。

 

株式会社MORITA様本社(現・ロジスティックセンター)にうかがったある日、最初の十二神将が発売された後のことだったと記憶しています。
伐折羅のCG彩色復元がなされた折り、色々な経緯があって制作されたのですが倉庫に戻ってきて〝眠っている〟というお話を知りました。その時に購入意思を伝えて価格を聞いたのですが教えていただけませんでした。
しばらくするとイSム会員限定の在庫放出セール(正式名称は失念してしまいました)の通知ハガキが届き、そこに件の伐折羅の情報が掲載されていました。予約等といった特別措置は無いということでしたので、セール当日は早朝のうちに表参道店前へ到着、開店を待っていました。そうして確保したのがこの1体になります。もう1体は後日オークションに出され、極めて高値で落札されていました。何処かのご家庭で愛でられていることでしょう。

 

よく目にする伐折羅のCG彩色復元されたものと、配色・模様の形状・色彩が異なっています。彩色を担当された篁千礼氏はTwitter上でこの作品に関して、CG復元や人口絵具での〝落ち着きのない復元〟を嘆かれ、伝統的な岩絵具などを用いることで〝あざやかな色彩の中にも荘厳な落ち着き〟が表現できたということをご説明されています。
それでは華麗かつ荘厳な極彩色・伐折羅の姿を楽しんでいただきましょう。

 

360度転回させました。今回は極彩色を際立たせるため、背景を黒くしてみました。

 

 

 

 

 

書籍で見る写真や本物は、彩色がほぼ失われていますが部分的な残痕をもとに配色は復元されているようです。復元CGの伐折羅の姿は、新薬師寺本堂内の売店で販売されている絵葉書やDVD(『奈良 新薬師寺 十二神将 まぼろしの色彩を追って~天平のバザラに合いたい~』)でご確認ください。

 

これまで、TanaCOCORO[掌] 十二神将のうちの伐折羅とTanaCOCORO[掌] 単品の伐折羅(新・旧Ver.)の表情を、角度を変えながら見ていただきましたが、此方の極彩色・伐折羅の表情も、何処から見ても華やかで素晴らしいのです。

目を見開き、今にも火焔を吐き出さんが如き横顔です。

眼力が凄いです。吠えるかの様な口の迫力が強烈に伝わってきます。

本物の目には石が嵌められているそうですが、調査に当たった方によって黒/茶色という証言が得られています。瞳はどちらにも見える(感じられる)様に塗られています。単純に色を塗るのではなく、見る者によって感じ方に幅が出る様な色の使い方・塗り方は素晴らしいですね。

 

炎髪を後方から見た画像です。
派手な頭髪の形状なのですが、落ち着いた印象を受けます。異形を違和感の無いものにしてしまう・・・彩色というのは凄い力を持っている技術ですね。

 

胸甲に注目した画像です。
何種類もの金色が注されていますが、ギラギラ感ではなく落ち着きを伴う鮮やかさが伝わってきます。
復元CGだと胸甲の緑色の部分にも細かな文様が入っているのですが、この飾鋲を核にした模様が〝荘厳さ〟を象徴するのだと感じています。

肩甲や袖にも時代を考慮した模様が施されています。
袖が翻っている部分は、表と裏の配色が違っています。こうした細部にまで彩色の意識が行き届いているところが素晴らしいです。

 

上半身の背中を見てみましょう。

金地に植物の蔓の文様が施されています。
歴史的に評価の高い屛風絵は、金地の上に絵具が載せられていてもギラついた下品さが全くありません。この背中には、そうした屏風絵の持つ上品・気品な佇まいを感じることができます。まさに〝荘厳〟です。

 

三鈷剣が全て金色になっています。
不動明王の持ち物でもある三鈷剣は法具かつ武器ですが、金色に塗られていることで人知を超えた力を持っている感じが強調されているかの様です。

 

剣先を向けつつ左手で仏敵を威嚇する、発せられたパワーを感じる画像です。

三鈷剣に注目していましたが、腹部から大腿部までを覆っている甲冑が想像を絶する緻密さ・丁寧さで装飾されています。これはもはや美術品の領域っ。

 

背中から腰・臀部にかけての様子です。
腹の上で結ばれているのが、本当の紐の様に見えます。
新薬師寺十二神将のうち唯一石帯を装着している伐折羅ですが、別パーツで石帯を締めているかの様です。彩色の力って凄いと実感しています。

 

そのまま視点を下げていきます。
金色の縁を備えた表甲・下甲、天衣の裾が重なっています。
こうして色と模様を配すると、重ね着と裾が動いている様子がとても判りやすいです。
相性の良い赤・緑を下地にし、天衣の裾には白地に赤・青で花が散らされています。
派手と地味の絶妙なコラボレーションが、整ったリズムを奏でています。

 

大腿部から臑にかけての様子です。
これを「荘厳」と謂わずして、何と表現できましょう?
ギラつきではなく、もう神々しさが溢れてきそうです。
これが人間の手(篁千礼氏の技術)で為されたのです。もう感動してしまいます。

 

そして足元の様子です。
沓の彩色・模様付けが復元CGと異なっています。
全体像を観てみると断然、この沓の配色・模様が調和しています。

 

通常販売品ではない訳あり(特注流れ品)の像でしたが、無理・無茶・努力して入手できて良かったと、熟々感じています。

 

 

 

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