広目天(イSム Standard 東大寺歓談院モデル 廃盤)

残念なことに詳細な情報は失念してしまいました。
「イSム」様のブログでも、2012(平成24)年12月27日付で
  イSム「大日如来」Standard(旧サイズ)
  イSム「広目天」Standard
の廃盤決定の情報が公開されたということを確認できるくらいです。

最近の復刻再販アンケートの後補にも挙げられていましたね。
「河越御所」ではケースにも入れることなく、埃を被っていましたのでね。
埃を払って、観察してみました。



大和国東大寺戒壇院(戒壇堂)モデルの「広目天」です。

「リアル仏像」シリーズで「四天王」が製品化されていましたが、Standardサイズは「広目天n」だけが単体で発売されていました。
流石にStandardサイズです。
彩色が緻密です。
若しかすると、塑像であることの表現にも力点が入っていた可能性が高うございます。



360度、まわってもらいました。

背景の苦労板に光が反射して、「広目天」の姿に集中できませんね。
今後、考えますよ。



「広目天」の頭髪の様子です。

あら、まぁ。
何と素晴らしい福耳なのでしょう。

頭髪は「五山髻」(ござんけい)という結い方をしています。
仏像芸術の表現方法です。
実際に、この頭髪を真似しようとしても難しいですよ。
Standardサイズだと本物では目視できない、こういった造形の様子を学ぶことができます。



後頭部から右側の頭髪の様子です。

「五山髻」(ござんけい)の前方・正面には五角形の装飾板が据えられています。
頭の上部の毛髪を捲いて、頭頂部で段々を設けて結わいています。
再現するにはヅラ(カツラ)ぢゃないとムリですね。



「広目天」Standardの顔を、正面から観ています。

案外、険しい表情になっています。
何時も、こうして「イSム」インテリア仏像を目にしているため、本物よりも「イSム」仏像の姿が記憶に鮮明に遺っています。
シュッとした顔となるようにディフォルメがなされていますね。



ちょいと目元が気になったので、拡大してみました。

左右のバランスが崩れ・・・いや、そうでもありませんね。
本物ですと、黒い石が埋め込まれています。
そうした表現が再現されていますね。
拡大した画像を観て、気付いた点ですよ。



「イSム」インテリア仏像のディフォルメは、まさに〝飾るための工夫〟ですからね。
ブランド・マネージャー様が「単なるコピーをつくっているのではありませんからね」とよく仰っていました。

左側は「広目天」Standard、右側が本物(東大寺戒壇院)の「広目天」の表情です。
本物が〝正解〟なのでしょうが、イSム「広目天」Standardも正解ですよ。
こうして見比べると、パーツの特徴は見事なまでに捉えているぢゃないですか!
強いて言うならば、本物が丸顔ってことでしょう。



視点を下ろし、胸部を観てみましょう。

またしても強いて言うなら、「広目天」Standardが顎周りがスッキリしているため〟〝撫で肩〟に見えちゃいますね。
ホンに微妙な差異なのですよ。

「広目天」Standardの胸甲に見える黒っぽい彩色は、お洒落なディフォルメですね。

各パーツの配置・バランスは、見事なまでに一致しています。
凄い技術ですよね。



では、左肩の獅噛(しかみ)の様子です。

多聞天・持国天・増長天の獅噛と違って、広目天の獅噛は牙・歯がありません。
しかし本物がそうなので、見事なまでの本物準拠なのです。

 

 

右肩の獅噛の様子です。
広目天の獅噛はどうも赤色だった様ですね。
獅噛が苦とを開けているところに緑色の彩色が残存している様です。
着衣の模様までは判りませんがね、垢・緑という組み合わせは相性がよろしいですからね。



左手には、巻物が握られています。

茶色く塗られて巻物っぽくなっています。
中身は、どの様な内容なのでしょうかね?



視点を変えて観ています。

右側の画像はピンボケになってしまいました。
腕の様子、塑像らしくザラザラした再現がなされています。



右手には、筆が握られています。

しっかりした筆ですね。
先っちょには、たっぷりと墨を含んでいる様です。



スラスラと文字を書き始めそうですね。

〝彩色で動き〟までを表現できていますね。
「イSム」インテリア仏像を観察すると、彩色の可能性が無限に広がりをみせていることに驚愕します。



本物は若干、肩幅が広うございます。
腰周りの引き締まり具合が、際立っています。

イSム「広目天」Standardは、細身の印象が強いです。
それでも全体のバランスが調っているので、全く違和感がありません。

各甲の装着と重ね具合、紐による縛り方、布の重なり・垂れ具合は、リアル仏像/TanaCOCOROの「広目天」よりもかなり緻密です。
是非ともStandardサイズで多聞天・持国天・増長天を個別に発売していただきたいものです。



背中の様子です。

本物(東大寺戒壇院・広目天)の背中をじっくりと観察したことはありませんが、白黒写真だと、彩色・文様が遺っている様に見えます。
イSム「広目天」Standardでは、彩色・文様の残存状況を極めて簡略化した表現をしています。
〝本物のコピーをつくっている訳ではない〟という、懸命なご判断ですよね。
簡略化されて(彩色が失われて)いるからこそ、想像力を膨らませるという遊びができます。



下半身、前方を防御する装備の様子です。

革製の甲を複数枚、重ね合わせています。
革製の甲を重ねることで、動き易さが実現するのですよ。
こちらは塑像ですから、機動性や軽量化という現実的な話は気にしなくてもよろしいのですがね。



後ろに回り込んで、腰元の様子を観察しています。

甲は紐で締め合わせ、帯は布を捻りながら強度を出している表現になっています。



臀部・大腿部を覆っている甲の様子です。

本物(東大寺戒壇院・広目天)の白黒写真を観察してみると、ここまで大きくはありませんが黒っぽくなっていることが判ります。

普段は見ることができない部分は、論文や研究資料などを参考にしているそうですよ。



大腿部を防御する甲の重なり具合、臑甲・沓の様子です。

甲には、塑像のざらついた表現が施されていますね。
革製の印象が見事に表現されています。

邪鬼の上に立っていますが、全く力み(りきみ)は感じられませんね。



左から、右からと甲の重なり具合を観ています。

甲と甲の境目を見付けると、重ねている甲の構成が推測できます。
成る程ね、こうして動きやすくしているんだ、って判りますよね。



後ろ側にから、膝下の様子を観ています。

ズボン式の袴、膝下から足首までを臑甲で覆っています。
スリムなラインなのですが、実際の鎧ということを鑑みれば、もっとゴッついラインになって然るべきでしょう。
造形だから、こうしたバランスになっていることでしょうがね。



では、ここから踏まれている「邪鬼」の様子を観ていきます。

リアル仏像/TanaCOCOROだと、あまり鮮やかな彩色はありませんのでね。
淡いですが、こうして「邪鬼」にも彩色が施されていると嬉しいですよね。



色が注されていても

完全に動くことは罷り成りませんがね。
やはり東大寺戒壇院モデルの四天王は、Standardサイズで揃えたいものです。



「邪鬼」の頭髪は、茶色が注されています。

 

「邪鬼」に着衣の表現があります。

リアル仏像/TanaCOCOROだと「邪鬼」の尻は露わになっています。
どちらが本物準拠なのでしょうね?
謎です。



イSム「広目天」Standardは、かなり前に品切・廃盤となってしまいました。
オークションでも出品されることは稀です。
入手は不可能です。

復刻再販の後補として挙げられていますが、セット物のうちの単品ですからね。
難しいのではないでしょうかね。

「河越御所」は切に東大寺戒壇院モデルの四天王をStandardサイズで発売されることを祈念しておりますぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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