居合刀特注 色替え姫鶴一文字(青梨子地鞘)

此方は、新宿「魂琥李斗(コンクリート)」様において特注をお願いした、色替え姫鶴一文字です。居合刀の鞘塗で梨子地といえばほとんど金梨子地ですが、企画品「四神守護刀・青龍」の青梨子地鞘があまりにも美しい仕上がりだったことが強く印象に残っており、青い「色替え姫鶴」の特注を考えて依頼しました。希望の概要はお伝えしましたが、仕上がりはお任せということとしました。

〈 特注ポイント 〉

<img src=”姫鶴一文字.jpg” alt=”姫鶴一文字”/>

 

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柄巻は鞘塗の青梨子地をイメージして錆納戸の牛革(裏)を持ち込みました。以前特注した四神守護刀・青龍の柄革が濃紺でしたので、重複しないようにスカイ・ブルーの革を選び持ち込んだのです。

 

柄下地は銀鮫にしてもらいました。此方の特注は明るめの色合いをイメージしていたので、柄頭の無地金具、鍔の通常喰出鍔は鮫皮に合わせて銀色にしていただきました。喰出鍔には小柄・笄が収まるように溝が施されています。目貫は雌雄龍図、刀身は鎬造り(樋無し)で、刃文は姫鶴一文字です。

 

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鞘塗は、金具と柄下地の銀色の存在を尊重していただいたようで、目の粗い紺梨子地にしていただきました。鞘塗は同色であっても個体差が生じるのは常なのですが、「紺梨子地」という表現での注文だったにもかかわらず、アレンジを加えていただいたのはとても嬉しく、有り難かったです。

あとでYouTubeに標準「青龍」の紹介動画がアップされていることを知り、特注「青龍」の青梨子地がイレギュラーであったことを知りました。この紺梨子地が標準「青龍」の鞘塗りでした。

 

また、この特注姫鶴の鞘には小柄・笄櫃も備えていただきました。小柄・笄櫃は鞘師の方にとって手間がかかり、さらに値段が高くなってしまう原因でもあるので既製品での作例は少ないそうです。

 

少々短めの姫鶴となりました。全く同じ形で、単なる色替えだけだと飽きてしまうので、このように予想外の事は喜んで受け入れました。長脇差の姫鶴として、数ある居合刀の中でも独特の存在感を放っています。下緒は色々試した上で、全体の色合いを考慮して小豆色(光沢のある薄紫)の物に変更しました。小振りの姫鶴に小豆色がよく似合っています。

 

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最後に二振りを並べて青系の梨子地塗りの違いを見ていただきます。同じ仕様で特注を依頼しても、恐らく並べて比較すると同系統内での色違いは生じるはずです。これも特注の醍醐味と考えると楽しみの幅が広がります。

 

 

 

 

 

 

 

 

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