特別企画㉚ 法隆寺金堂モデル「薬師如来坐像」フィギュアのリペイント

仏像エンターテイメントの前回更新では
 「株式会社京都ミニ仏像工房」様:企画・製作
 「株式会社ダッシュ」様:製造元
の法隆寺薬師如来坐像フィギュアの比較をしました。

個体差はあれども「河越御所」に居る3体は〝ほぼ同じ〟でした。
この比較を経、海洋堂様の法隆寺金堂モデル「薬師如来坐像」フィギュアのストーリーは〝これでおじまい〟と思っていました。

すると〝運命の悪戯〟なのでしょうか?
個体差で収めることができない「薬師如来坐像」フィギュアに遭遇してしまいました。

光背の色合いが暗い(黒い)。
薬師如来の顔、金塗が濃い。
一見で、「河越御所」に居る3体と異なっていることが認識できました。

中古品を入手したので、存在を際立たせるために改造(簡易リペイント)をしてみました。

 

元々の個性と、改造(簡易リペイント)の様子を説明致しますね。

この「薬師如来」の顔、元からこの色でした。
顔全体が、濃淡有りの金色でした。

そして光背が、黒いっ。
元は、もっと黒かったのですよ。
化仏と凹凸に明るい金色を注してみました。

下地は銅色だった様ですね。
そこに黒の汚しが強く被せられています。
〝ロット違い〟では説明できない程の強烈な個性です。

お気付きにならないでしょうが、肉髻の窪みにも金色を注しています。

 

「裳懸座」(もかけざ)の造形に違いはありません。
せっかく顔の金色が濃くなっているということに因み、裳の凹凸に金色を差してみました。
・・・とは言っても、適当に金色を差しては拭って、塗っては拭って・・・の繰り返しをしたのですがね。
明るめの金色を使いましたので、派手にはなっていないと感じでいます。

 

左右斜めから裳懸座の様子を見ています。
離れて見ると、イイ感じになっていますね。

 

「薬師如来」の足元に目線を合わせています。
宙に浮いているかの様です。

 

光背の裏側にまわってみます。
光背銘に金色を注して、銘文を光らせようとしたのですよ。
でも、溝が浅かったので想定よりも金色の残りがよろしくありませんでした。
はみ出た金を拭った際、下地の汚し塗装も結果的に拭き取ってしまったので、改めて汚しました。
心にゆとりができたら、今一度銘文に金色を注して調整しようと思います。

 

今回改造(簡易リペイント)をした「薬師如来」が左側です。
右側は、2021(令和3)年に東京国立博物館・特別展売店で購入した「薬師如来」です。

こうして並べてみると、明らかに顔色と光背の下地の色合いが大きく異なっていることが判ります。

 

光背の汚し具合も、ここまで異なると〝ロットの違い〟ではなく、塗り手の好み(嗜好・癖)なのではないかと思ってしまいます。

 

「裳懸座」を比較しています。
左側が今回金色を注したものですが、これと比較すると初版(2021年・特別売店で購入)でも鍍金の様子をイメージさせる塗りがなされていることが判ります。
それぞれのキャラが引き立てられている様で楽しめています。

 

本に軽い気持ちで改造(簡易リペイント)をしたのですが、楽しむことができました。
また大和国法隆寺を参詣した時、売店で「薬師如来」フィギュアを購入し、いろいろと試すリペイントをしてみようと考えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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