TanaCOCORO「阿修羅」は厳密に謂うとロット毎に彩色の集成が為されていたそうです。
今回の旧版・新版比較は、2016(平成28)年5月のリニューアルを境目としています。
では、TanaCOCORO「阿修羅」の旧版(2011・平成23年8月発売)と新版(2025令和7年3月購入))を比較していきます。

こちら、TanaCOCORO「阿修羅」の旧版です。
2011(平成23)年8月に発売された、TanaCOCORO「阿修羅」の初版ですよ。
そんで、新版は・・・

TanaCOCORO「阿修羅」初版が前に出てきましたよ。
・・・あぁ、そういうことねっ。

2025(令和7)年3月に購入したTanaCOCORO「阿修羅」の新版が、旧版の後ろに隠れておりましたの。
「河越御所」に居る仏像たちは、こんな感じで皆、お茶目なのです。
TanaCOCORO「阿修羅」の新旧版を並べています。

阿修羅を2体並べている画像は原則
左:新版 2025(令和7)年3月に購入
右:旧版 2011(平成23)年8月に発売された初版
としています。
一見して、色合いが異なっているのが判りますね。

右の旧版は、色合いが全体的に暗い感じです。
経年状態を表す白い汚し塗りが強めですね。
これに対し、左の新版は、原の色合いは赤味が強くなっています。
同じに見えますが正面の顔、新版は目が小さく彫りが深くなっていますね。

右の旧版、充分に本物の興福寺モデル阿修羅とそっくりと感じますが、リニューアル後の新版は各パーツ(目・花・口)が顔面の真ん中に集中し〝シュッとした印象〟が強調されています。
「リニューアル」って、こういうことなのですね。
凄いですよ。
TanaCOCORO「阿修羅」新旧版を、右側から観ています。

〝唇を噛み締めた幼年期の表情〟です。
やはり旧版は、経年状態を表す汚し塗りが強めですね。
新版は赤味が強い塗りになっています。
腕の汚し塗りは新旧版、共に同じ様なものですね。
TanaCOCORO「阿修羅」新旧版を、左側後方から観ています。

〝苛立ちの様な勧請を湛えている青年期の表情〟です。
旧版は、顔の半分程に汚し塗りが施されています。
新版は、汚し塗りが軽めで目立たない様になっています。
左側の三臂も腕の汚し塗りは新旧版、共に同じ様になっています。
TanaCOCORO「阿修羅」新旧版を、左斜め前方から観ています。

左側の新版は身体の中心部分、即ち顔から腹にかけて(後方は首元から腰まで)の赤い肌への汚し塗りを抑えている様です。
大和国興福寺モデル「阿修羅」が持つ清新なイメージを強調したディフォルメですね。
素敵です。
六臂の汚し塗りは新旧版にそれ程の相違は見られず(新版が微妙に軽め)、という仕上げになっています。
正面の顔を比較し易い画像です。

新版の〝シュッとした顔〟小顔効果(笑)が出ていますね。
旧版に比べて顔面を平らにし、パーツを真ん中に集中させたことで凜々しい印象を受けます。
・・・旧版も、本物の興福寺「阿修羅」の特徴を捉えていますね。
ディフォルメされた新版が、凄過ぎるのですよ。
首元から足元まで、前から観ています。

旧版が纏っている裳は、白っぽいですね。
新版の裳が暗い印象の色合いになっています。
あと新版の右胸にひび割れの表現が加わっています。
これはStandardサイズ/TanaCOCOROサイズの阿修羅に共通する新版の特徴です。
参照する画像によって印象が変わってしまうのですが、新版の暗い色合いが現存状態をよく表現している様です。
後方②廻って観ましょう。

新版の頭髪が若干、明るめになっています。
オレンジ色の注しがありますからね。
肩の「天衣」(てんね)、本物は経年で白くなっていますが所々黒っぽく見えます。
黒っぽいところは、緑色らしいのですがね。
見た感じは旧版が本物準拠なのですが、新版は白っぽさを取り払って、緑っぽさを活かして金色の縁取りを施したディフォルメが施されています。
・・・どちらとも、工夫の限りを尽くした造形なのですよ。
左肩から右脇に垂らされている「条帛」(じょうはく)、「天衣」と同じ色合いですが、花柄が施されています。
後方、ちょいと上から観ています。

右側が旧版、TanaCOCORO「阿修羅」の初版です。
左側が新版、現在流通しているTanaCOCORO「阿修羅」で最新のものです。
この2体の間に10年以上の時間差が存在しますが、ロット数では・・・かなりの数があるでしょう。
旧版・新版のどちらが優劣・・・ということではなく、それぞれが特徴・個性を持っていて、その時々に〝これが再興の出来だっ〟と製作された仏像フィギュア(インテリア仏像)なので、そうした「イSム」様の心意気を旧版・新版の比較から学んでいます。
旧版(右)を手前に、新版(左)を奥の方へ移動させました。

色合いが異なるのは、ご覧の通りですが、
旧版、顔の汚し塗りが後方から見ても徹底されていますし
旧版、裳に赤味を注しているのが目立ちますね。
新版、頭部から胴体にかけての肌の赤味を強めにしている、
新版、宝相華を黒めにし、裳全体も暗めにしている。
と、拘りの彩色が施されていますよ。
ちょいと発想を変え、

奥が旧版、手前が新版です。
色合いは扨措き、六臂それぞれの角度をご覧ください。
芯旧共に〝ほぼ同じ〟角度ですよ(笑)。
これが本物(左右非対称)準拠をベースにしている、「イSム」様製の阿修羅像なのです。
腕の角度は見事に揃っていますが、掌(てのひら)は個体差が顕著でしたね。
折角なので、後方からの全体像も掲載しますね。

六臂の角度はほぼ同じ、掌の形状・角度には個体差が顕著です。
型抜きしたパーツの組み合わせや、接合してからの収縮・・・など、実際には寸分違わず同じモノを製作することは現実的に難しいらしいですよ。
左右斜め前方から、全体像を観ています。

TanaCOCORO「阿修羅」の旧版・新版比較。
長く株式会社MORITA様/仏像ワールド様/イSム様のインテリア仏像(リアル仏像)を追い掛けてきたからこそ実現した遊びです。

同じ像(大和国興福寺阿修羅)をモデルにしながら、ロット違いだとここまで相違点が見出すことができるというオトナの遊びです。
価格から、全てを追跡・購入することは困難ではありますがね。
でも可能な範囲で、こうして仏像フィギュアの遊び方を探究・追究して参る所存でございますよ。
当サイト内のすべてのコンテンツについて、その全部または一部を許可なく複製・転載・商業利用することを禁じます。
All contents copyright (C)2020-2025 KAWAGOE Imperial Palace Entertainment
Institute / allrights reserved.