2023(令和5)年6月15日(木)~28日(水)という短い期間限定の受注生産
阿修羅 2023 Limited(Standardサイズ)
のお話です。
2023(令和5)年の夏にできあがり、納品していただきました。
「河越御所」に連れ帰っても、箱に入ったまま封じられている例が増えています。
諸事ありましてな、致し方ありません。
赤系の身体をした阿修羅と、金色の相性は極めてよろしいですからね。
こうした画像を見てしまうと、そりゃぁ申し込んでしまいますよ。
「新しい時代への希望感じさせる阿修羅像」
(イSム様公式HPより引用)
封じられていた箱から解き放たれた「阿修羅」2023Limitedが、こちらです。
背景が普通の白壁なので、印象がだいぶ違ってしまいますがね。
「イSム」様公式HPの説明で
「全身を一本の大木に見立て生命のエネルギーを象徴する色彩を纏った阿修羅像」
と述べられています。
随所に被せられている金色がとても、大層美しく輝いていますよ。
360度、転回させています。
何処から観ても、麗しいお姿となっていますぞ。
ノーマル彩色の阿修羅Standardと似ていますが、やはり華やかさがありますので違うと判ってしまいます。
上から「垂髻」の様子を観ています。
〝第一の手〟、掌(てのひら)から前腕部にかけて金が塗されている様です。
ベタ塗りではないのです。
阿修羅の
「腕を左右に広げる姿を一本の大木に見立て、天と地とを結ぶ生命の存在と輝きを彩色で表現」
したのだそうです。
確かに掌(てのひら)にパワーが満ちている感じが伝わってきます。
金の載せ方で徐々に力が満ちていく様が表現されていますよね。
素晴らしいっ。
金髪の「垂髻」ですが、下地が茶色?それとも阿修羅の肌の色と同じでしょうか?
金色の完全なベタ塗りではありませんね。
僅かに紅い下地が残る様に、丁寧な手塗りです。
イSム「阿修羅」は2016(平成28)年のリニューアルで、表情が本物にかなり近付きました。
2023Limitedの表情も、剥落・褪色・ひび割れが無いだけで本物と同じ表情をしています。
よく顔の肌色(辰砂:しんしゃ)を観察すると、薄らと金色が散らされている様です。
単なる一色塗りではないところが、肌の質感のみならず、まるで活きているかの如き表情となっていますよ。
流石、彩色師・篁千礼氏入魂の作品ですね。
左右の顔にも、同じく辰砂の上に薄らと金色が散らされています。
どちらの顔も、表情がシャープですね。
眼光が鋭いからでしょう。
紅い肌(辰砂)と金髪の「垂髻」の組み合わせ、相性の良さは極上ですね。
肌に載せた金も、この調和を引き立てています。
正面から上半身の様子を観ています。
六臂それぞれの角度は、イSム様「阿修羅」が抜群に美しいです。
更に六臂それぞれの太さ(細さ)も絶妙なのです。
大和国興福寺の阿修羅像を造形を象った仏像フィギュアは多数あれど、この調和はイSム様「阿修羅」が特化しています。
価格も相応なのですがね。
さて、篁千礼氏によれば
「三面六臂の黄金バランスで直立する姿を、地に根を張り天にそびえる一本の大木に見立て、生命の象徴」
とされているそうです。
確かに〝一本の大木〟に見立て、て、活力満ち溢れる様子が伝わってきます。
顔に散らした金色が〝第一の手〟の金色と連動し、美麗な様を増幅していますね。
「金色で彩った腕の先と頭部は、天から降り注ぐ生命のエネルギーを表現」
しているとのこと。
「天から降り注ぐ生命のエネルギー」を〝第一の手〟で受け止め、そのエネルギーが浸透している様子なのですね。
左右からそれぞれ〝第一の手〟を観ていますが、引き締まった表情と相俟ってエネルギーが充満しているかの如きですね。
辰砂に金を散らしている顔が、とても麗しく端正なお顔立ちとなっておりますよ。
素敵です。
では次、〝第二の手〟を観ていきますね。
正面・斜め上から視点です。
お顔を頂点とし、きれいに三角形を象っています。
とは謂っても、、合わせた掌(てのひら)は正中線からズレていますがね。
本物、準拠ですよ。
「阿修羅」フィギュアで合掌が正中線に位置していると違和感を持つのは、その為ですよ。
胸や腕にも薄らと金が塗されているのが判りますね。
地味ですが、いい存在感を醸し出しています。
装着している臂釧や腕釧には、佐伯市ではなく金箔が貼られているそうです。
輝いている様に見えるのですよ。
何とも贅沢な「阿修羅」ですこと。
合掌の位置に視点を合わせています。
全体ではありませんが、辰砂の肌の上に載せられた金色が光を受け止めて映えています。
この塗り方、如何様にすると〝こうなる〟のでしょうね。
真似してみたいですよ(笑)。
本物みたいにヒビ割れや剥落・褪色がありませんからね。
凜々しいお顔立ちです。
それにしても〝阿修羅の腕の角度〟は言葉を失う程に美しいですなぁ。
この角度再現で、「阿修羅」フィギュアの出来具合は比較できますよね。
量産体制で、コレが表現できているのですよ。
驚愕の技術力です。
腕の角度もさることながら、
それぞれの〝手のかたち〟も素晴らしく美しいのです。
〝第一の手〟以外の手にも金が施されていますね。
「阿修羅」2023Limitedは、観れば観る程に、その魅力に引き込まれていくのです。
合掌している〝第二の手〟が目立っていますが、左右に広がる〝第三の手〟を観ていきます。
ホンに偶々ですが〝第二の手〟と〝第三の手〟の左右が同じ様な角度になっています。
こうした偶然の産物を目の当たりにすることも、楽しい遊びです。
弓と矢を持っていたという説が有力視されていますね。
違っていても構わないのですが。
弓と矢を、もしくは何をどの様に持っていたのか・・・想像することでも楽しむことができます。
どんな弓矢だったのだろう?
何を持っていたのだろう?
日本の文化財(美術品)って、「無い」ことから観る者の感性に委ねることって幾つもありますよね。
禅問答みたいで奥深く、楽しいです。
次は胸元を観ていきます。
シンプルな瓔珞ですが、その周辺と、それぞれの腕の付け根に僅かながら金色が注されていますね。
この〝チラリズム〟にも似た細工が、「阿修羅」2023Limitedの特徴ですね。
左肩から垂れている「条帛」(じょうはく)は金と対比して銀色とは、何とも洒落ていることでしょう。
流石に篁千礼氏、巧妙ですよね。
「条帛」は色が綺麗かつ丁寧に塗り分けられていますね。
「阿修羅」って腰元がキュッと締まっていますよね。
この括れ具合も、「阿修羅」の調和がとれた身体を為す一大要素ですよね。
左右の肩から、それぞれ三臂が出ている様子です。
普通に骨格・筋肉の考慮すると厳つくなったり、不自然さ(不気味さ)が露骨になってしまいますが、この細さ&角度によって不自然さ(不気味さ)は影を潜め、寧ろ自然体(美しさ)を感じさせています。
金箔の臂釧・腕釧も美しく存在を主張しています。
今度は、後ろに回ってみましょう。
肩に掛けられた「天衣」(てんね)は金で縁取られた銀色です。
「条帛」との調和が図られていますね。
所々に見えるヒビ割れ再現は、ベースとなっている「阿修羅」Standardのものです。
「阿修羅」2023Limitedでは、こうした破損部分に特段手は加えられていません。
金の「垂髻」と接している耳に金色が注されています。
左右の顔の額や頬にも、薄ら乍ら金が注されています。
右脇から背中部分を観ています。
金で縁取りされた条帛の模様、綺麗に刻まれていますね。
こうした特別彩色ですと、標準ヴァージョンでは見過ごしてしまう箇所にも目が留まります。
「裳」の折り返し部分も、金の上に淡いエメラルド・グリーンの彩色を載せており、〝布の軽やかさ〟が表現されています。
後ろから観た、上半身の様子です。
配色がとても綺麗ですね。
確かに、大きく枝を広げた大木の如きに見えてきます。
一転して、前方から腰元を観ていきます。
イイ感じに締まった質感の腹、折り返した「裳」のたなびき具合が素敵です。
まぁ、これはLimitedに限ったことではありませんが。
肌にも見られた、金を薄らと塗す技法。
凄いですよね。
「裳」が透けていて軽やかな感じが見事に表現されています。
そのまま、視点を下ろしていきます。
縁取りは金、「裳」の色が銀色と対比が見事です。
裏地は折り返し部分よりも濃いめのエメラルド・グリーンです。
単純に彩色しているのではなく、場所によって彩色の濃淡等が帰られていますよ。
凄いです。
あしらわれた蓮華の模様が、花弁ごとに色合いを変えて彩色されています。
芸が細かいですよね。
勿論、絶賛しているのですよ。
膝下くらいですね。
「裳」の銀色も、単なる銀のベタ塗りではありませんね。
燻し具合とでも言いましょうか、深みのある彩色となっています。
更に視線を下ろしていきますと
「金剛板」(こんごういた)と称するサンダルを履いています。
足の爪だけでなく、指から足甲まで金色が注されています。
この辰砂と金色の組み合わせ、繰り返しますが最高に相性がよろしいですね。
こうした細かい箇所まで隙の無い彩色、素晴らしいですよ。
グルっと回って、臀部から踵までの様子です。
これ、ポリストーンですよ。
薄く軽やかな「裳」のたなびき感、見事に表現されていますね。
メタリック(銀色)で塗られている「裳」なのに、
メタリックで塗り分けられている蓮華模様なのに、
襞や曲線で、布の質感が見事に表現されています。
通常の「阿修羅」Standardでもそうですからね、篁千礼氏の特別彩色版だと尚更美しさが際立ちますね。
これ叉、通常「阿修羅」Standardにも共通するのですが「裳」の裾、この形状も見事ですよね。
露わになっている脹ら脛、筋肉が隆起している訳ではありませんが、全体のバランスを踏まえると、この太さ・形状が最適なのですよね。
「金剛板」の後ろ側、こんな漢字です。
何処か〝阿修羅グッズ〟として発売すればイイのに(笑)。
最後に。
普通の白壁(壁紙)なのに、光の当たり具合からか青っぽく見えています。
辰砂と金色のコラボレーションが、より際立っています。
顔面に金色が塗されている様子が判りますね。
何という偶然なのでしょう。
こちらも同様に、偶々青味がかった壁を背にした「阿修羅」2023Limitedの様子です。
通常に撮った画像よりも、偶々撮れた画像の方が辰砂の肌に金を刺している様子が判り易いです。
いやぁ、「阿修羅」2023Limitedってカッコいいですなぁ。
合掌している〝第二の手〟にピントを合わせています。
正中線からズレているでしょ。
イSム様「阿修羅」は、どんな彩色でも格好良く、美しいのです。
次のLimitedで「阿修羅」が採択された時、どの様な艶やかな姿を見せてくれるのでしょうかね。
とても楽しみです。
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