紀伊国高野山壇上伽藍(和歌山県)

参詣を終えた金剛峯寺から出て、そのまま徒歩にて壇上伽藍へと向かいました。
ご覧の如く、爽快な晴天でしたよ。

この参道、「蛇腹路」(じゃばらみち)と呼ばれています。
空海が〝東西に龍の臥せる如く〟と表現したことに因むそうですよ。
偶々でしょうが、木陰が龍もしくは蛇の姿に見えています(笑)。

 

根本大塔」が見えてきましたね。
手前に「東塔」があり、そこまでが「蛇腹路」となっています。

 

日陰には積雪が残っていました。
愚禅ですが、黄色の袈裟を着けた寺僧が読経をしながら歩んでいました。
観光客も少なく、こうした場面に遭遇できたのは嬉しいハプニングでした。

 

手前に見えるのが「東塔」です。

壇上伽藍の「東塔」は1127(大治2)年、院政を始めた白河法皇の御願により醍醐寺三宝院の勝覚(しょうかく)が創建したと伝わります。

 

偶々でしょうがね、白く長い雲が塔の相輪から伸びているかの様です。
左橋を〝頭〟とすれば、龍でしょうか?
干支を意識して蛇でも構わないのですが、蛇は空を飛ばんだろ(笑)。

創建当初の「東塔」には、本尊として後白河法皇等身大の尊勝仏頂尊(そんしょうぶっちょうそん)が祀られたそうです。
尊勝仏頂尊は、胎蔵界曼荼羅の五仏頂のひとつで、仏頂尊で最勝のものとされており、一切の害障を除く功徳があるといいます。
不動明王と降三世明王が脇侍となっているそうです。

 

「東塔」の正面に立っています。
白い雲が相輪に纏わり付いている様でしたので、遊んでいます。

この「東塔」、残念なことに1843(天保14)年に焼失してしまいました。
かなり時間が経過した1984(昭和59)年に再建され、現在に至ります。

 

もうちょい遊びますね。
白い雲が相輪から跳ねた感じ(笑)。
それにしても、清々しい青空っ!

 

壇上伽藍にはたくさんの堂が建ち並んでいるのですが、今回は「塔」に注目していきます。
「東塔」の位置からも充分に巨大さが伝わる「梱包大塔」。
青空に丹塗りの塔が映えています。

何時もだと観光客がいっぱい居て、タイミングがよろしくない場合は階段に外国人たちが座っています。
年末でしたのでね、壇上伽藍に観光客はほぼ居ませんでした。

 

雄大な「根本大塔」が青空の下、輝いています。
何、この深みがある青空っ!
実際に、この状況を目の当たりにすると〝密教の迫力〟が伝わってきました。

「根本大塔」は真言密教の根本道場そして日本最初の多宝塔形式の建造物で、816(弘仁7)~887(仁和3)年頃に竣工したと伝わっています。

 

「根本大塔」に入っていきます。
ちょいと見上げると青空を背景に、丹塗の木組がとても美しかったのです。

 

閉まっている扉も平安京に居る感じで、とても美しいのです。

塔内に入ったら、誰一人居ませんでした。
塔内は撮影禁止となっていますので、イメージを載せておきます。

ほぼ3分間くらいでしたが、独り占めできましたよ。
金色に輝く大日如来の前に座り、ず~っと観ていました。
東寺の立体曼荼羅の持つ迫力とはまた別の、〝密教とは何か〟が理解できる空間でしたよ。
その跡、時計回りに内陣を廻ってみました。
仏さんたちの横・後ろ姿を観ることも貴重な体験でした。
一周まわりきる前に・・・外国人観光客が入ってきました・・・。

 

リアル「胎蔵界曼荼羅」を満喫した後、売店(授与所)で朱印を頂戴しました。
そして「三鈷の松」(さんこのまつ)に近付いていきます。

普段ですと、観光客が「松葉の落ち葉」を拾っていますが、年末ですとその姿はありませんでした。
でも、拾いませんでしたよ。
多分、普段でも探しませんよ。
三葉のクローバー探しみたいで、面倒だもの(笑)。

 

帰国にあたり空海が中国の明州(寧波)から三鈷杵を放ったところ、この松に三鈷杵が引っ掛かっていたそうです。
高野山が密教を広める場所となったエピソードですよね。

 

「三鈷の松」を通り過ぎ、奥まったところに建つ「西塔」に辿り着きました。

「斎藤」は「根本大塔」と共に二基一対で空海の「法界体性塔」(ほっかいたいしょうとう)の構想を形成する建造物でした。
完成こそ空海の入定後の886(仁和2)年になってしまいましたが、金剛界大日如来を本尊として納めているそうです。
現在の「西塔」は(天保5)年の再建によるものです。

 

彩色が細超されていない(剥落か?)ため、江戸時代よりも以前の建物の如き佇まいを見せています。
〝中世から、ここに建っているんだぜぇ〟ってな雰囲気を醸し出しているのですよ。
建造物が有している印象って面白きものです。

 

壇上伽藍を出るために中門へと向かいます。

道順として、再び「三鈷の松」に近付いていきます。
晴天の下、背景に丹塗が鮮やかな「根本大塔」を控えさせた「三鈷の松」。
なかなか素敵な構図となっていますね。

 

今回は「金堂」に立ち入ることはしませんでした。

入ったら、独り占めできたかもしれませんがね(笑)。

 

道路の反対側に渡り、

「中門」を観ています。
高野山に泊まると、斯様にゆとりをもって諸所を満喫することができるのですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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