長物特注 鍛人製 千鳥十文字朱鑓

此方は、「武装商店」様HP2009(平成21)年4/17「鍛人特注de千鳥十文字鑓」で紹介された「鍛人製 千鳥十文字朱鑓」です。

ベースは2007(平成19)年9/10「鍛人製 試作千鳥十文字鑓」で紹介された、全長約七尺(2m超)の、二本継ぎながら振り回しても〝折れない〟強度を誇っているという千鳥十文字鑓です。

                     (画像は「武装商店」様HPより)

穂先の千鳥十文字は、砲金製(青銅製)でしっかりとした造りとなっていますが、形状がこの様な状態なので刃文は全体に入れることができなかったそうです。
口金から蕪巻までの太刀打ち部分には鮫皮の研ぎ出しと金属線を巻き付けた、地味ながらも色合いの変化が美しい装飾が施されています。更に石突も大型の物が装着されています。

千鳥十文字鑓に限らず、現存する鑓の穂先はだいたいがビックリする程に小さいものですが、この試作・千鳥十文字、そして今回紹介する千鳥十文字・朱鑓は本歌よりも遙かに大きいサイズになっています。

 

こういった長物を見てしまうと・・・当然、欲しくなってしまいますよね。

 

そもそも真剣製作の「鍛人」(かぬち)製品なので、なかなか店頭に入荷することも無く、高額商品ですから、おいそれと手が届く物でもありません。

武装商店様に通いながら店主様に相談しつつ、鍛人製品について理解を深めるためにご教示いただき、デザインを考えていきました。

 

こだわりポイントとしては、


①「千鳥十文字鑓」の柄を長くする。
 2007年9/10紹介「試作千鳥十文字鑓」よりも柄を長くしたい。
 3mぐらいにしたいが、一般的な住宅の天井には刺さらない程度の長さに収めてもらいたい。

 

②鮮やかな「朱塗りの鑓」にしたい。
 「同田貫藤原正国」(仮称)の朱鞘Ver.に用いられた〝強めの凸凹塗り〟を採用したい。

                     (画像は「武装商店」様HPより)

 これは7/28紹介「居合刀特注 鍛人製金具装着 大型三鈷杵目貫 朱鞘 鵜首太刀」とお揃いにしたいと強くお願いしましたが、この〝強めの凸凹塗り〟は難しい様で、普通の朱塗りになりました。

 

③「鍛人製品は高いですよ」というので、「ここまでなら用意しますよ」と予算提示をしました。
 〝お揃い装備〟を想定していた
 7/27紹介「居合刀特注 大型独鈷杵目貫 朱鞘 長脇差」
 7/28紹介「居合刀特注 鍛人製金具装着 大型三鈷杵目貫 朱鞘 鵜首太刀」
を合わせたくらいになりました。
 〝戦場に赴く際〟の装備は、なかなかな費用が掛かっているのです。

 

④上記の要望を踏まえて、あとのデザイン・仕上げは職人さんにお任せとする。
 特注する際は、外観の大筋(ポイント)を伝え、あとは職人さんの感性にお任せするのが一番なのです。素人がいろいろと言っても、職人さんの経験と感性には適いません。これまでの数多の特注で、職人さんの技術については絶大な信頼をしていますので、〝お任せ〟こそが最高・最善の特注に繋がっていくことは間違いないのです。

 

こうして、なかなかな製作時間を経て納品された鑓をご覧ください。

まず、全長が約八尺(約2m40㎝)にしていただきました。武装商店様・看板の一つである「ドラゴン殺し」よりも身長が高くなっています。張り合う気はありませんが、これは凄く嬉しい。

                                 (画像は「武装商店」様HPより)

 

試作の千鳥十文字鑓と同じく全体の中程に金具が装着され、ネジによる二分割式となっています。が、試作よりも各パーツが長くなっています。

柄の塗りは、要望通りの朱塗り一色。

 戦場に赴く際に携える「大型独鈷杵目貫 朱鞘 長脇差」
 戦場に赴く際に佩いていく「鍛人製金具装着 大型三鈷杵目貫 朱鞘 鵜首太刀」
とお揃いの朱色になっています。特注時期が異なるので色合いに違いが生じてしまう可能性がありましたが、「色を揃える」ことを強くお願いしたので、コレはかなり嬉しいポイントです。

 

石突金具は、試作と同じく鉄製の物を装着しています。
石突は刺さらない方が取り扱い上都合が良いので、この形態で大満足です。
この石突金具、かなりの大型ですよ。突かれると暫くの間、戦闘不能になってしまいます。

 

色合いの話が中心となってしまいましたが、各パーツについて観ていきましょう。

まずは穂先、千鳥十文字の穂先です。
刺突できる十文字部分には刃文を入れていただきました。

 

試作と同サイズで、現存する千鳥十文字鑓の穂先と比べると、かなりの大型になっています。コレを〝戦場で振り回したくて〟特注したのです(実際にはそのような機会は無いでしょうが・・・)。

刃文が判る画像を掲載しますね。直刃ですが、試作では入れることができなかった所まで挑戦していただきました。職人さんには感謝感謝です。

 

逆輪は手造りで、軽く叩きが入っています。四つの猪目が入っており、研ぎ出した朱色の鮫皮が顔をのぞかせています。
太刀打ちの部分には、朱塗りの鮫皮研ぎ出しが施されています。大きめの粒が入った〝良い鮫皮〟を使用していただきました。
画像の中央部ちょっと下に目釘が打たれています。

 

胴輪が装着されている箇所を中心に観た画像です。
全体の朱色とのバランスをとった、朱塗りの研ぎ出し部分です。
この箇所は試作には無い色合いなので、華やかな印象を受けます。

 

太刀打ち箇所の朱塗り鮫皮研ぎ出し部分の全体像です。
大きめの親粒が入った〝良い鮫皮〟を巻鮫としていただきました。手前中央部には親粒が見えますね。
居合刀の柄よりも遙かに長く太いものですので、手間と「金」が掛かっているトコロです。

 

試作では赤かった蕪巻ですが、今回の特注においては全体の朱色とのバランスを考慮して「金色」にしていただきました。
武装商店様のHPでは「柄・鮫皮の赤と金具の黒の中に、ワンポイントで金のアクセントをあしらって」と解説が添えられています。〝お任せ〟すると、武装商店・店主様と職人さんが、こうした〝遊び〟を加えながらも全体のバランスを踏まえた「美の追究」をしてくださいます。こうした卓越した芸術的センスにハマってしまっています。

 

特注・千鳥十文字鑓の〝上半身〟の様子です。

柄の朱色が鮮やかです。
穂先も太刀打ちの部分は、たとえブルンブルン振り回しても、絶対に当てないように注意します。

二分割した状態で、継ぎ目から太刀打ち部分の画像です。
見た目通りに太いんですよ。だから重たいんですよ。振り回すのは大変なのです。

 

最後に、上半身の180度展開の画像をご覧いただきましょう。

何とも〝美しき姿〟哉。

 

参考までに。
現在も販売されている「真田幸村愛用 三代村正鍛 大千鳥十文字槍」のアルミ鋳造穂先は、鍛人製の砲金(青銅)製の穂先を模った物だそうです。
こちらであれば、もっと気軽に柄の色を自由に考えての特注ができそうです。
問屋さんに製作途中の部材があれば・・・という条件付きですがね。

 

 

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