大和国室生龍穴神社奥宮「妙吉祥龍穴」(奈良県)その肆

2024(令和6)年3月26日(火)のことです。
伊勢湾岸道路・橋の上で3時間程、渋滞に巻き込まれていました。
武蔵国川越をこの日の未明に出発したのにもかかわらず、大和国に到着したのは14時30分頃になっていました。
高速道路の分岐を誤ったという失態・不運も重なりましたのでね。
限られた休日であったのに、およそ10時間も車中に居たことになります。

今回は朝早ではなくても、大和国室生には訪れようという、いつにも増してライトな気持ちでいました。
しかし予想外なことに荒れた天候となってしまい、初めて〝雨の室生〟を体感することをイメージしていました。
傘をさしての探訪なんて興醒めですからね。
降ってくる雨を全て受け止める覚悟でした、ホントに。

ただ、時間を考慮して別のある場所を先に訪れ、そのあとに室生へと向かいました。
渋滞ハマリによって、予定が吹き飛んでしまいましたからね。
限られた時間を最大限に有効活用するため、訪れる場所を絞り込みました。

室生龍穴神社の前を素通りし、真っ先に妙吉祥龍穴に向かいました。
夕方で暗くなりかけても室生龍穴神社には〝強力なライト〟があります。
しかし、妙吉祥龍穴には照明装置はありませんし、昼間であっても薄気味悪いですからね(笑)。
どちらか?という選択を迫られた状態でしたので、妙吉祥龍穴を選びました。
目的地に向かっている途上、普段は山から水が流れ出ているであろう場所から、まるで水が噴き出している様子を数箇所目にしました。
トンネルの入口横は、まるで滝の如く水が雪崩れ落ちていました。
室生川の流れが、これまで訪れたうちでは最も激しかったこともあり、ちょいとだけ〝期待〟もして進みました。

夕方でしたが、靄が掛かっていました。
降雨の最中であったら、どうだったのでしょう?
五里霧中の状態だったのかもしれません。
ほぼ真ん中に球体の蜂の巣が健在でした。

龍穴の入口に到着した時、ちょうど〝満足げなおじさん〟が階段をあがってきました。
車を停めて外に出たら、これまで聞いたことのない轟音が響いていたのです。
正直、「下りて大丈夫なのか?」という不安がありましたが、おじさんが帰還していたので大丈夫と判断しました(笑)。

伊勢湾岸道路の橋の上、濃い霧の中で
 霧の立ち籠めた室生龍穴神社は?
 霧の立ち籠めた妙吉祥龍穴は?
と想像してみました。
だって、おっかないんだもん。

でも、そうした懸念は、見知らぬおじさんの表情によって払拭?されたのでした。

 

階段を下りていく途中、既に〝異変〟が視界に入ってきました。
〝招雨瀑〟とは良く名付けたもの・・・などというレベルではありませんでした。

いつも「チョロチョロとしか水が流れていない」と愚痴っていたので、今回は水量豊富な招雨瀑を観ることができるぐらいにしか思っていなかったのです。

 

先程から〝白く見えているモノ〟は水流ですよ。

 

 

 

〝鉄砲水〟という表現がありますが、将にそれっ!
自然の驚異を目の当たりにした感じでした。
今回は諸事ございましてな、単独で妙吉祥龍穴を訪れたのでした。
勿論〝嬉しさ〟は大きかったのですが、それを恐怖に近い〝畏怖〟の念が上回りました。

 

・・・でも折角ここまで来たのですからね、撤退はありませんよ。
龍の如き水流が奏でる轟音に包まれながら、龍穴の前まで辿り着きました。

 

こちら、デジタルカメラで撮った画像ですが、レンズに水飛沫が付いちゃっています。

水飛沫を感じるのです(実際、浴びています)。
遙拝所の床は、この水飛沫で濡れていました。
遙拝所そのものが水浸しでしたよ(笑)。

 

ニュースの映像として目にする〝濁流〟とは違って、荒々しい水流なのですが〝キレイ〟なのですよ。
写真をご覧の皆様、清らかさが伝わりますでしょうか?
自然の草木によって濾過されている?ため清らかな印象、そして神域を流れていますので現実的にも清浄な水なのでしょう。
飲むどころか、手を清めるのは無理ですがね。

 

これ程、信仰の対象としての〝水流の激しさ〟を目の当たりにするのは初めてでした。
当たり前のことですが、流れる水の表情が一定ではないのですよ。
ず~っと観察した訳ではありませんが〝ぶつかった〟り」〝弾けた〟り・・・と、次から次へと違う動きをしているのです。

 

単なる激しい水流ぢゃないのです。
比喩表現ですが、将に〝龍の荒魂〟を目の当たりにした感じです。

計測はしていませんが3分くらいで、水流の激しさには慣れました。
でも、怖さ(自然に対する畏敬の念)は収まりませんでしたよ。
鳥居を潜ってから戻ってくる迄、ず~っとおっかなかったのですから。

 

数年にわたる継続的な室生への参拝・参詣が、結実した現象なのでしょう。
特に何かを願ったりしていないのですがね。
これまで〝龍と戯れる〟と表現してきましたが、その究極形態の遊びでしたよ。
古(いにしえ)に準えて謝意を表する儀式のあと、遊び仲間と装束を整えて宴を催すくらいはしたかったのですが。

 

 

 

 

いつも「チョロチョロとしか水が流れていない」と言っていたのは、いつも天照大神が天候を差配してくれていた賜物だったのですが、今回はあの気難しい大和国室生の龍からの素敵な賜物だったのだと受け止めております。
感謝感謝、善哉善哉。

 

ちょっとピンボケしていますが、水流と龍穴の全体が見渡せる画像を撮りました。
・・・痛恨のピンボケです。

こちら、2023(令和5)年末の様子です。
全く同じ構図ではありませんが、水流の違いがお解りいただけることでしょう。

 

 

 

5~10分くらい居たのですが、おっかなかったですよ。
夕方の16時30分をまわった頃だったので、誰も来ないかと思い込んでいたら・・・観光客がご到着でした。
それを機に撤収しました。
もう充分楽しんだので、この光景を満喫してもらうためには当然と思いましてな。
ただ、知らない人たち(女性2人組)でしたが
 「下りると凄いですよ」
と会話をしてしまいましたよ(笑)。
正直、その言葉しか出てこなかったのです。

 

もう、この様な表情の「招雨瀑」に接することは無いでしょう。
忘れることの無い「記憶」を、あの気難しい大和国室生の龍から頂戴しました。
ほんに感謝の念でいっぱいです。

因みに帰り道、当然のことながら室生龍穴神社の前を通りましたが、そのあとの時間制限がありましたので、感謝したのに立ち寄りませんでした。
「また参拝します、御免。」と口に出しながら通過しました。
今年(2024)のうちに、また参拝することになるでしょう。

 

「河越御所」は、スピリチュアルをセールス・ポイントにする気は更々ありませんが、ここ最近の大和国室生では不思議な経験を積ませていただいております。
今回の妙吉祥龍穴を訪れる日にちをほんの数日前に決めましたが、天候の予報は知りませんでした。
室生どころか、広く西日本が荒れた天気となることなぞ、知る由もありませぬ。

この2年程は、偶然が姿形を変えて〝気付かされて〟いる様です。
単発の参拝だと室生の龍とは繋がらないですよ。
少なくとも年2回参拝を2・3年続けないと、室生の龍を感じることは難しいでしょう。
あとは、あの気難しい大和国室生の龍に気に入られるか否かでしょうかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

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