五劫思惟阿弥陀(イSム「掌」)

「一劫(いちごう)」って、のどのくらいの長さを指すのかご存知でしょうか?
  「一劫」=約4億3千2百万年
ですから
  「五劫」=21億6千万年
・・・もはや、理解力が追い付かない程の長時間です。

今回、お話しするのは大和国東大寺勧進所阿弥陀堂の五劫思惟阿弥陀如来坐像をモデルとした、イSム様より発売されている「五劫思惟阿弥陀」です。
中心部分は檜の一木から彫り出され、他の部分は寄木造で構成された、鎌倉時代の作といいます。特別開帳は10月5日となっている秘仏(重要文化財)です。

現物(本物)を未だ現場で見たことはないのですが台座上に鎮座して高さ106.6㎝。
しかしイSム五劫思惟阿弥陀は台座が伴っておらず、TanaCOCOROシリーズということも相俟って、お手頃価格となっています。

阿弥陀如来の異形のひとつ、「五劫思惟阿弥陀」。
イSム様の造形は、両手を合わせて合掌しているものです。

 

360度回転させるとこの様になっています。ちょっと小さいですね。

 

 

 

五劫思惟阿弥陀の顔を正面から観ています。

特徴的な頭髪はおいておき、顔が四角く表現されています。
眉間には白毫、しっかりと弧を描く眉、薄らとあけた目は彫眼です。
小振りな鼻、静かに口を閉じています。

本物はもっと扁平な顔面で、目・鼻・口が顔の真ん中に寄っています。
イSム五劫思惟阿弥陀は四角い顔面を少々縦長にすることで、顔全体の均衡を整えているように感じます。このデフォルメにより、頭髪とのバランスも連動して〝可愛らしさ〟にも似た好感を得る風貌になっています。
螺髪の列も、本物より1列(もしくは2列?)減らすことにより本物のボッテリ感を無くしています。

 

左右それぞれ真横から頭部を観ています。
「四十八の大願」(大無量寿経に説かれている、阿弥陀仏が法蔵菩薩であった時に立てた願のこと)を成就するため、極めて長い期間、剃髪もせずに坐禅しながら思惟していたことから、螺髪が頭部に覆い被さる冠物の様になってしまったのだそうです。

螺髪が伸びるとドレットヘアーになると思うのですが、仏教的にはこの様になるのですね。

頭頂部から後頭部にかけての螺髪の状態です。

 

襟足の方から見上げた後頭部です。
よく「アフロ」と表現されますが、もはやブロッコリー・ヘアーですよね。

 

五劫院のものとは違って、合掌しています。
左右の斜めからの姿を載せています。
纏っている衣を襞が、柔らかい布の緩やかな感じを見事に表現していますね。

 

 

先にも触れましたが〝お手頃価格〟(イSム様公式HP・WEBSHOPでは14,300円税込)なので、脇侍として2体を購入しました。
並べると、この様な感じです。

表情もそうですが螺髪や衣に施されている金の彩色に微妙な差異が見受けられます。

例えば、合掌から顔を見上げた画像ですが、顔面の金箔剥落具合に若干の違いがありますね。

同じ角度ではありませんが、左側の像の頬から顎にかけてのU字形の金箔剥落が右側の像よりも強くなっています。こうした個体差で〝遊ぶ〟(楽しむ)のも、また一興です。

 

 

Standard単体の足元に2体並べると、なかなか良き仏像チームができあがります。

 

 

 

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