滋賀県草津市志那出土 復元銅鐸(「鳴らす銅鐸」)(近江国)

「銅鐸博物館」の愛称で知られる、滋賀県の野洲市歴史民俗博物館には本物・復元品、そして売店ではレプリカが販売されている、愛好家にとっては堪らない〝銅鐸のワンダーランド〟です。

 

 

入館すると、復元・袈裟襷文銅鐸が出迎えてくれます。
感情の高ぶりが言動に反映してしまい、職員の方から「お写真、撮りましょうか?どうぞ。」と話しかけられてしまいました・・・恥ずかしい。

 

さすが、銅鐸博物館。どの方向を向いても銅鐸が視界に入ってきます。
「ご自由に鳴らしてください」の言葉通りに鳴らすと周囲に迷惑かと恐縮してしまいます。
吊り下げられている銅鐸が複製とはいえ「桜ヶ丘4号鐸」。セレクトがまた渋い。

 

 

せっかくなので、下から内側を見上げてみました。
言葉通りに「自由に鳴ら」される可能性は充分ありますから、ガンガン鳴らされても銅鐸の内側が痛まないように木製の舌となっています。
銅鐸博物館なだけに、銅鐸に対する労りの気持ち=愛情が伝わってきます。

 

さて、売店では数種類の銅鐸レプリカが販売されています。
何れは〝いちばん大っきい銅鐸〟2種類を迎えに行きたいと考えていますが、今回は販売されている銅鐸レプリカのうち「鳴らす銅鐸」に注目していきます。

 

 

同梱の説明書には

   復 元 銅 鐸
    弥生時代 総高12.5㎝

 銅鐸は、今からおよそ2,000年前の弥生時代に鋳造された青銅器で、農耕に際して悪霊を払い、大地の神・祖先の霊に感謝して豊作を祈る神聖な祭りに用いられた祭器であると考えられています。特に古い銅鐸は、振り子(舌)を伴ってみつかったものや、舌を吊り下げるための半円形の鐶をそなえたもの、内面にめぐる突帯の摩滅したものなどがあることから、揺り鳴らして使用されたことが明らかです。
 この銅鐸は、滋賀県草津市志那から出土した日本最小の銅鐸をモデルとし、ほぼ実物大で復元・製作したものです。銅鐸の中では古いもので、全体に厚く、吊り手(鈕)と鰭には三角形を連ねた鋸歯文を飾りつけ、身には縦横に斜格子紋様を配して4区画の袈裟襷文をなしています。銅舌も他の出土例を参考にして製作しました。成分については、古い銅鐸の成分比を考慮し、銅76%・錫16%・鉛8%の比率で鋳造しています。
 吊り下げて、古代の音色をお聞き下さい。

                   滋賀県野洲郡野洲町大字辻町57の1
                    銅 鐸 博 物 館 謹 製
                     電話(0775)87‐4410

                                      」

とあります。写真撮影時に購入したのではありませんので、説明書内の博物館所在地が古いものになっています。野洲郡野洲町は2004(平成16)年10月1日に中主町と合併して「野洲市」となりましたので、それ以前の購入でした。

 

滋賀県草津市志那で出土した銅鐸の実物大復元品ということです。
〝実物大〟というのが嬉しいポイントですが、見た目では判らない「銅76%・錫16%・鉛8%の比率で鋳造」というこだわりが凄いのです。

・・・因みに、この文章を入力していたら最近、銅鐸博物館を訪れた際に購入した2個目の「鳴らす銅鐸」が手元にあることに気付きました。

 

現行販売品の「鳴らす銅鐸」は、この状態で販売されています。
箱の中で痛まないようにプチプチ緩衝材で包まれています。

新しい銅鐸の同梱説明書には

        復  元  銅  鐸
          弥生時代 総高12.5㎝
 銅鐸は今から2000年前の弥生時代に鋳造された青銅器で、農耕に際して悪霊を払い、大地の神・祖先の霊に感謝して豊作を祈る神聖な祭りに用いられた祭器であると考えられています。特に古い銅鐸は、振り子(舌)を伴ってみつかったものや、舌を吊り下げるための半円形の鐶をそなえたもの、内面にめぐる凸帯の摩滅したものなどがあることから、揺り鳴らして使用された事が明らかです。
 この銅鐸は滋賀県草津市志那から出土した日本最小の銅鐸をモデルとし、ほぼ実物大で復元、製作したものです。銅鐸の中では古いもので全体に厚く、吊り手(鈕)と鰭には三角形を連ねた鋸歯文を飾り付け、身には縦横の斜格子文様を配して4区画の袈裟襷文をなしています。銅舌も他の出土例を参考にして製作しました。成分については、古い銅鐸の成分比を考慮し、銅76%・錫16%・鉛8%の比率で鋳造しています。
      吊り下げて、古代の音色をお聞きください。

                    銅 鐸 博 物 館          」

とあります。
少々の表記改めがありますが、説明内容はほぼ同じでした。

総高が12.5㎝なので小振りな銅鐸ですが、美しいフォルムが印象的です。

真横から観ていますが、鐸身のくびれが確認できます。
この〝くびれ〟が施されていることによって、柔らかくも美しい曲線が際立つのです。

穏やかな曲線を描く「鈕」(吊り手)と、そこから裾に伸びていく「鰭」には、規則的に三角形を連続させて「鋸歯文」が配されています。

 

鐸身には「斜格子紋様」が施され、「袈裟襷文」がなされています。
このレプリカ(本物にも)には、いわゆる〝銅鐸絵画〟は伴っていません。
こうしたシンプルな構図だからこそ、手頃な価格での販売が可能になるのでしょう。

「舌」は紐で括り付けられています。
鈕の部分を持って揺らしても、心地良い金属音を奏でてくれます。

新しい「鳴らす銅鐸」の舌の様子です。新しいので、艶がありますね。
このまま放置していると、先の古い画像の様に〝くすみ〟が生じるのでしょう。

 

箱から出したばかりだと、この様な色合いです。
素手で触り、そのままにしておくと、この艶やかな姿に変化していくことでしょうな。

 

凧糸で吊してみました。
一般的に鐸身の厚みは薄いものですから、叩いて音を出すのではなく、揺らすことで内側の舌が鐸身内部に当たり音が生じるのです。

窓際で強めの風を受けると風鈴とはまた違った音色が響き、室内でも風情のある雰囲気を楽しむことができます。

 

折角なので、新旧の「鳴らす銅鐸」2個を吊り下げてみました。
風合いを変えながら、たくさん吊り下げてみたいですね。

 

今後も近江国の野洲を訪れる度ごとに、この「鳴らす銅鐸」を購入してズラリと並べ、時間が掛かるでしょうが、壮観な光景をつくりあげようと考えています。

 

 

 

 

 

 

 

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