因達羅大将(イSム「掌」・限定生産)

 

<img src=”因陀羅.jpg” alt=”因陀羅”/>

因達羅大将

薬師如来の第六誓願「諸根具足」を司っています。左手を腰に当て、右手に鉾を持つ姿になっています。

 

頭部には兜を装備しています。
波夷羅像・頞儞羅像・安底羅像と同じく装飾の無いヘルメット形式です。
因達羅像の眉庇は上部に反り上がっており、吹返しは後方の錣と一体化する様に曲線を描いています。
黒っぽい顔面は下方に向けられながらも、兜を浅く被っているので表情が良く見えます。表情は厳めしい眉の動きと、反り上がった立体的な口髭により、静かなる怒りを表現しています。

<img src=”因陀羅.jpg” alt=”因陀羅”/>

持物は、珊底羅像と同じく三叉戟(三叉槍)です。
この三つ叉の槍は、神話に登場する神々が持つ武器、つまりギリシア神話では海神ポセイドンが持つトリアイナ、インド神話ではシヴァが持つトリシューラという名称で知られています。
自然現象を操作する力、人間の精神性に影響力を持つという武器として定義されています。

襟甲・胸甲を繋ぐ甲締具に複雑な装飾をともなう飾鋲が施されています。胸甲の中央には菊座が付けられています。紐帯は詳細に縄目が再現され、胸部には赤色系統の顔料が残っています。襟甲、肩甲、胸甲の縁と飾鋲、腹甲の縁に金箔の残痕が再現されています。
腰には太めの腰帯と、連結した天衣が装着されています。
三枚が一体化した前楯の形状は十二体の中でも独創的な物となっています。
裳と脛甲には赤色系統の顔料が用いられていたことがわかります。

背面をみてみると、背中の甲には黒い描線の痕跡が、また肩甲と鰭袖にかけても顔料と黒い描線が残っています。腰上での結び目は、繊細に縄目が再現されています。
腰部から臀部にかけての表甲は、ほぼ顔料が剥落している状態です。裳にも顔料の残痕が表現されています。

この写真のごとく、金箔・顔料がほぼ剥落している状態を彩色で表現するところがイスム像の素晴らしさですので、再販された際には是非手に取って、じっくりと観察してもらいたいです。

 

 

 

 

 

 

 

当サイト内のすべてのコンテンツについて、その全部または一部を許可なく複製・転載・商業利用することを禁じます。

All contents copyright (C)2020-2024 KAWAGOE Imperial Palace Entertainment Institute / allrights reserved