帝釈天(空海 立体曼荼羅 真言宗開宗1200年記念 東寺監修 公認 MINIBUTSU 大サイズ)

2021(令和3)年末の駆足初詣は、大和国の社寺を対象としたオトナの遊びでした。
しかしながら、最終日に山城国の東寺に立ち寄ったのは、先日の記事で触れております。駐車場に車を停めて、朱印をもらって・・・それでいて金堂・講堂に行かなかった。一般的に「何をしているんだ?」と思われるでしょうが、理由があるのです。因みに、今回の大和国遠征において、奈良に滞在したにもかかわらず何度でも訪れたい新薬師寺は勿論、東大寺・興福寺にも立ち寄らなかったのです。結果として、観光客があまり居ないであろう社寺をピンポイントで訪れました。

話を戻しまして、大和国から武蔵国に帰還する途中、敢えて山城国東寺に立ち寄った理由は・・・

                  (画像は https://www.amazon.co.jp より)

各寺院の許諾を得て、所蔵彫像を製作されている「MINIBUTSU」様による「空海 立体曼荼羅 真言宗開宗1200年記念」シリーズのうち
 【東寺監修 公認 MINIBUTSU 大サイズ】帝釈天
を迎えにいったのです。

 

                  (画像は https://www.amazon.co.jp より)

Web上で、この帝釈天像の存在は知っていました。
これまで数えていませんが、かなりの回数、東寺を訪れ、売店において小さな仏像たちを連れ帰ってきています。未だ「立体曼荼羅21体セット」には手を付けていませんけれどね。「MINIBUTSU」様では既に完売となってしまっています。

 

                   (画像は https://www.amazon.co.jp より)

2020(令和2)年末に東寺を参詣した際、売店でこの「MINIBUTSU 帝釈天・大サイズ」が陳列されているのを見ました(実際に店頭に並んだのはこれよりも先のことでしょうが)。大サイズを目の前にするのは初めてでした。「MINIBUTSU」様公式HPや、その他信用できる通販サイトでの価格は88,000円超の価格、Amazonだと66,000円で販売されている物(仏像)ですが、東寺の売店ではナント45,000円という破格の安値で販売されていたのです。

 

                  (画像は https://www.amazon.co.jp より)

残念なことに、ここ近年は東寺に立ち寄ることが「武蔵国へ出発するための気持ち切り換え」という位置付けになっていました。当然のことながら「また参詣します」という気持ちをもっての行動です。散々、山城国や大和国の社寺・博物館等を訪れて、それらの維持・振興に貢献した後の参詣になりますので、財政的にこの帝釈天を連れ帰ることができなかったのです。因みに帝釈天・大サイズの隣りには不動明王・大サイズが座しております。
コロナ禍の影響により、西国遠征はなかなか実現できない状況になっていますが、せめて年末の駆足初詣は遂行しようと考えていました。

この帝釈天・大サイズを迎えたことで、財布の中身はとても寂しい状態になってしまいました。

 

帝釈天は、この箱の中におわします。
売店のおばちゃんに「大っきい帝釈天を1体、いただきたいのですが、お願い致します」と声がけをしたところ、おばちゃんにとってはなかなかな〝おおごと〟が始まってしまいました。
まぁまぁな時間待たされ、おばちゃんはバックヤードから段ボール箱を持って出てきました。テープで固く封じられた箱を「中身を確認してもらいますからね」と開けたら、上の白い箱が出てきました。こちらも上部がテープで封じられていて、おばちゃんは箱のマトリョーシカ状態に「えーっ、また箱っ?」と声が出ていました。「・・・開ける?」と問われたので「お願い致します」と応えました。すると、おばちゃんが「コレね、ここ2・3年くらいで2体しか売れていないのよ。だから前に売れてからだいぶ経っているから、箱のこととか忘れちゃってたわ」と笑いながら教えてくださいました。「通常よりもだいぶお安い価格なのに、そんな感じなのですか?」と質問すると、「案外、出ない(売れない)ものなのよ」と応えてくださいました。

 

上の箱から取り出したのが、この発砲スチロールです。これもグルッとテープで巻かれていました。「もうっ!」と徹底した梱包におばちゃんは呆れていました。
本体の状態を簡単に確認して、箱に戻してもらいました。おばちゃんが持ち帰り梱包は必要かを聞いてきたので、「駐車場に車を停めていますので大丈夫です」と簡単に紐で縛ってもらうだけにしておきました。
売店のおばちゃんと話をしている中で、大サイズは売店に並んでいる不動明王・帝釈天の他に四天王が存在するので、「あっこに並んでいる以外の種類ってあります?」と聞いてみました。すると不動明王・帝釈天の2種しか無いということでした。

事情は判りかねますが、不動明王・帝釈天だとバラ売りが可能だからでしょうか?四天王を店頭販売すると人気・不人気で在庫調整が大変になるからでしょうか?セット販売だと高額になるので売れないでしょうけどね。

何はともあれ、無事に帝釈天・大サイズを武蔵国に連れ帰ることができました。
箱を開けると、まずは「証明書」が出てきます。

こんな立派なフォルダーになっています。開いてみると、

 

・・・本格的な「証明書」でした。
「MINIBUTSU」様、この証明書の値段ってナンボですか?と言いたくなる程にしっかりした物になっています。「東寺 正式監修・許諾」を標榜していますからね。

 

箱から帝釈天・大サイズの本体を取り出しました。
帝釈天の目線に合わせて観ています。こんな、お姿をしています。

 

角度を変えて、白象「アイラーヴァタ(アイラーヴァナ)」の目線に合わせて観ています。

 

全体像が判る様に、360度まわしました。

 

 

 

帝釈天自体は、こんな感じです。

現在はWeb上からページが消えてしまった様ですが、かつては本物からデータ採寸をしている場面やパーツごとに拡大画像が掲載されていて、その特徴が良く判ったのですけれどね。
頭部のアップ画像がこちらです。

〝見本〟ということは重々承知していますが、彩色がだいぶ違っていませんかね?
仏像フィギュアを扱っている、どちらの会社様にも共通することなのですけれどね。

 

顔・首元に、肌を表す彩色が・・・薄らと?のっていますね?
額の〝第三の眼〟が・・・見えませんね?
まぁ、そこは置いておきましょうか。

 

後頭部の様子です。造形は、本物からデータ採寸をしているので本物と同様です。

 

左手を腰に当て、右手に独鈷杵(どっこしょ)を持っています。
独鈷杵は「ヴァジュラ」と呼ばれ、人びとを苦しめていた阿修羅の守護龍神(蛇の怪物とも)「ヴィリトラ」を真っ二つに断ち斬った武器だそうです。短いのにねっ。

 

反対側から独鈷杵(ヴァジュラ)を観ています。
やっぱり小っさい、そして短いっ。コレで大丈夫なんか?と思ってしまいます。

形状から「Elfin Knights Project」様が製作・販売されたオリジナルデザインの「新式独鈷杵」が最も近いものでしょうかね。

 

背景を黒くして、帝釈天のお姿を観ています。
独鈷杵(ヴァジュラ)は、やはり「Elfin Knights Project」様の「新式独鈷杵」が相応しい。そのうち新式独鈷杵を入手せねばなりませんな。

 

額に〝第三の眼〟は見えませんが、端正な顔立ちはしっかりと表現されています・・・ん?。微妙に違いますな、本物からデータを採っているのにィ。

 

西域風の鎧の上に襷状の条帛を掛けています。

 

布の重なり具合が表現されています。
背中の鎧・布の表現は、各社の帝釈天によって違いがあります。
各社が所有するデータ、商品開発予算、製作者・・・そこは正しい・間違っているではなく〝個性〟です。
こうしたところ(違い)を〝楽しむ〟のが仏像エンターテイメントの真骨頂にございます。

 

帝釈天は、白象「アイラーヴァタ(アイラーヴァナ)」に「鞍敷」(くらしき)を掛けて跨がっています。この姿勢で鞍を使わずに象の背に乗っているのは、かなら強力な腹筋の力を利かせていることになりますね。

 

鞍敷・右側の様子です。
だいぶ簡略化されていますね・・・

 

鞍敷・左側の様子です。
帝釈天が左足を下ろしている形状ですが、やはり鞍敷の再現はだいぶ簡略化されています。

 

帝釈天は「半跏」(はんか)で、左足を下におろす「踏み下げ」のスタイルで象の背に乗っています。親指の反り上げは、思ったよりも目立ったものではありませんね。

 

帝釈天騎象像を左・真横から観てみました。
この角度からだと、親指の反り上げは目立つものになっていますね。
半跏・踏み下げで、片手を腰に当て背筋はほぼ真っ直ぐの体勢です。
少々頭部を前に傾けています。
瞬間的にこの状態は可能でしょうが、ずーっとは厳しいものですな。
まぁ彫像だから、そして帝釈天だから、その心配は不要ですね。

 

白象「アイラーヴァタ」の顔を正面から観ています。
東寺講堂のアイラーヴァタは2本の牙と1本の鼻という、普通の象の姿をしています。
台座は本物と同じ形態になっています。
表面がザラザラした仕上げになっていますが、これは本物に準拠しているもので、大きい東寺講堂¥帝釈天フィギュアには共通しているポイントです。
「MINIBUTSU」様の帝釈天・大サイズは、細かく観察していくと所々に気泡?の痕跡が見て取れます。彩色する以前に整える(埋める)べきでしょうな。

 

背景の黒い板を外してみました。
眉間のところに複数、気泡の様な凹みが判りますね。
帝釈天本体では、あまり気になりませんでしたが、アイラーヴァタの仕上げは雑だったのかもしれません。

 

背景を黒くすると格好良さが格段アップします。
アイラーヴァタの瞳が表現されているのが判ります。
耳を輪っか状(もしくは布状?)の物で小さく畳んでおり、顔の中央と左右の目の下に鈴の飾りを装着しています。

 

右牙の付根、鼻の付根のところに気泡の様な凹みが見えます。

 

本物と比較すると、牙に入っている筋が半分まで彫られていません。
牙の先端も本物だと鋭いのですが、少々穏やかな物になっていますね。確かに取り扱う際、これだと危険(刺さる)ではありませんからね。

 

アイラーヴァタの顔を反対側(左側)から観ています。
気泡?の凹みもそうですが、所々に見える小さな凸部が気になります。
 「日本人原型師の指示のもとで細部のディテールにこだわり」
 「職人の手により1点1点手作業で彩色された」
を謳っているのであれば、仕上げに労力を投入すべきでしょうな。

 

ちょっと引いて見た画像になります。
こうして見ると、アイラーヴァタの姿は充分カッコいいのですけれどね。

 

 

尾っぽの様子です。
通常ですと、アイラーヴァタの真後ろにまわることはできません。斜め後ろから観察することはできます。
本物のアイラーヴァタの尻を後ろからじっくりと観察したことはありませんが、こうなっているのでしょうね。

 

 

さて、いろいろと気を取り直して

格好良い、左斜めまえからの帝釈天騎象像の様子です。

 

格好良い、右斜めまえからの帝釈天騎象像の様子です。

 

 

 

東寺の売店で(こちら側からすると)偶然に出逢い、通常よりもだいぶ安価で販売されていることを知りました。定価を知っていたので、〝仏像フィギュア好きが殺到して売り切れ〟になるのではないかと心配していましたが、売店のおばちゃん曰く「ここ2・3年で2体しか出てないの、これで3体目よっ」と売れ行き具合を教えていただきました。
武蔵国に帰還してからWeb上で確認してみました。
・「MINIBUTSU」様公式HP…66,000円
・Amazon         …66,000円
これ以外にも販売しているサイトはありますが、88,000円台になっていますね。
更に捜索してみますと、〝特別価格〟を掲げて40,000円台で販売しているというところもありました。心がひかれてしまいますね。

いつもお世話になっているイSムのスタッフ様へ世間話的に
「ネット上でかなり安く売っているところを見るのですが、そこと関係あります?」
と聞いたことがあります。すると
「そういった所とは取引していません。代金を払ったのに商品が送られてこないというお客様からご連絡を何件もいただいております。ウチとは関係が無い・・・」
というご回答。
「そうですよね、だいだい半額だと欲しくなってしまいますが。そういういのって怪しいんですね。」
現実に引き戻され、少々気落ちしてしまうのでした。

東寺の売店に不動明王と帝釈天が並んでいるうちに、ご興味をお持ちの方は迎えにいかれたらよろしいと存じますよ。売り切れてしまったらおしまいですからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

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