不動明王立像 2020 Ginza 篁千礼氏彩色 松屋銀座催事限定受注品

2020(令和2)年10月16日、イSム様公式HP「NEWS&TOPICS」において
「 松屋銀座催事限定!篁千礼彩色 極彩色不動明王 」
が発表されました。

                                   (イSム様公式HPより)

2020(令和2)年10月29日(木)~11月3日(火・祝)の期間で、松屋銀座本店様での催事会場限定・受注生産品でした。
彩色師の篁千礼氏によって身体を群青に彩られた不動明王立像になります。

なかなか江戸(東京)へと出向く事が難しい時期でもあり、電話にて購入意思を伝えて迎えることができました。数日前に宅急便の方が連れてきてくれました。

既にイSム様の不動明王立像はStandard版と2017年Limited版を迎えているのですが、何れも火焔光背の無い時期の像です。火焔光背付の不動明王はこれが初めてでした。

 

光を当てているために明るめの青色に見えますが、実物は落ち着いた群青色です。

火焔光背も含めた全体像は、この様になっています。

 

同梱の説明書に
「 ふどうみょうおうりゅうぞう
  不動明王立像
    2020 Ginza

  憤怒相で衆生導く運慶渾身の明王像
  存在感増す、朱と群青の極彩色

  煩悩に迷い悟りの道から外れた人びとを、慈悲の怒りをもって
  救う不動明王。
  モデル像は、源頼朝の挙兵に応じて軍功を立てた和田義盛の発
  願によって大仏師運慶が制作した重文像。鋭い眼光、引き締まっ
  た体躯の堂々とした造型に、彩色師篁千礼氏が手彩色をほどこ
  した、2020年の松屋銀座本店催事限定受注制作品です。
  条帛には法輪、裙には羯磨と曲線による卍繋ぎ文様があしらわ
  れた、目にも鮮やかな極彩色仕上げをご堪能ください。
                                」
という解説が掲載されています。

 

篁千礼氏からのメッセージカードには
「イSムの不動明王像は以前から極彩色を施してみたかった像のうちのひとつ。端正ながら迫力のある造型と、まとまりのある光背が魅力です。(抜粋)」
とあります。
身体は、綺麗で落ち着いたを群青色で染め上げられています。

相模国横須賀の浄楽寺は、鎌倉幕府において源頼朝と主従関係を結んだ御家人を統率する侍所の別当(長官)を任された和田義盛が創建した7つの阿弥陀堂のうちのひとつと考えられています。モデルとなったのは和田義盛の発願によって運慶が造像した不動明王立像です。既にイSム様よりStandardで販売されています。

 

転回させると、この様になっています。

 

火焔光背の本朱色と、深みのある群青色の肌、銀色の州浜座のコラボレーションが絶妙の調和を魅せています。

 

不動明王は、大日如来の化身と謂われています。

密教の修行を妨げる外からの誘惑、内なる煩悩などの障害を取り除くために憤怒相となっています。その一方で仏の教えを理解できずに苦悩から抜け出すことができない者たちへの悲哀の情と憐愍の念も含まれていると考えられています。更に弱気な人間に活力を与え、激励する意味があるといいます。

左目が半目となっているものの、2つの目は荒々しく厳しい眼差しです。
眉をひそめ、額に波の様な皺が3本出ています。この3本の皺は〝驚嘆・興味・関心〟を意味しているのだそうです。
口は硬く閉じられていますが右牙は上に、左牙が下に向かって出ています。

不動明王は、平安時代初期~中期あたりまでは両眼を大きく見開き、口の両端に牙を出して弁髪を左側に垂らす姿が特徴でした。平安時代後期以降になると右目を見開き、左目は半目とする天地眼で、下の牙で上唇の端を噛む表情、そして莎髪が一般的になっていきます。

浄楽寺・不動明王は中世の造像ですから、頭髪は「莎髻/莎髪」になっています。
頭頂部には髪を束ねた「七莎髻」が据えられ、華やかに金色で彩られています。

頭髪「莎髻/莎髪」は燃え盛る焔の如く、うねりを見せています。
巻毛の先端は球体となっており、その部分は金色が注されています。頭髪の流れが金線で丁寧に描かれていますね。

グルグルグルグル・・・莎髻(しゃけい)/莎髪(しゃはつ)が丁寧に象られています。
極彩色仕様ならではの彩色表現です。

 

上腕には金色の臂釧が嵌められています。濃い群青色に目映く金色が輝いています。

肩から腰にかけての纏っている条帛は、表が淡いエメラルドグリーン、裏が深紅に彩られています。表には法輪が描かれています。
法輪は輪と放射状に伸びる8本の線で構成される法具で、多くの人びとが煩悩に乱されて悟りえない多くの人びとに釈迦の説法を届けるものであり、また転がりながら自在に敵を砕破する武器でもあります。

身体には複雑に表裏を見せながら条帛が絡まっており、制止していながらも翻っている様子が丁寧に再現され、生じている皺に合わせて法輪が描かれています。

 

条帛と腰布をまとっているので見落としがちですが、不動明王は〝ぽっちゃり・むっちり〟しています。
そもそも不動明王の起源は〝如来の使い歩き(パシリ)〟をする童子だそうです。このぽっちゃり・むっちりとした膨よかなシルエットは、インドにおける理想的童子(こども)の姿だったのだそうです。

 

右手には、悪縁・苦悩の元凶・物事に対する執着心・害をなす霊的存在を断ち斬る剣を握っています。
手首には腕釧が嵌められています。

剣の持ち手部分の拡大画像です。
装飾の形態から三鈷剣です。三鈷剣は三鈷杵の中央の鈷が伸びて剣となっている物で、災厄・悪気・煩悩を切り払いつつ、剣を持つ者を守護し、魔を降伏する力を有スル法具・武器です。

左手には、羂索を握り締めています。
この羂索は、苦悩する人びとを八方塞がりな状況から救い上げたり、害をなすものから引き離したり、良縁を引き寄せたりと、いろいろな効力を有しています。悪しき者共を縛り上げて改心させる力もあるそうです。

 

腰布の様子です。
折り返しの裏地が条帛と同様の淡いエメラルドグリーンになっています。
雲形模様が施されている黄色い布が臍の前から大腿部後方にまわされています。
裙には三鈷杵を十字形に組み合わせた羯磨が描かれています。

裙に描かれている羯磨は〝仏の智慧〟を表現しているそうです。
裙の地紋には「不断長久」の吉祥の意味を込めた、曲線による卍繋ぎ文様が丁寧に描かれています。

腰布の折り返し部分、画像の中央にみえる布が翻っている箇所ですが、丁寧に濃い緑色出塗られている上、金線が注されています。

また、たなびいて皺になっている裳裾にも羯磨や金線模様がしっかりと施されています。
流石、篁千礼氏の極彩色仕様。

 

 

州浜座には銀色を下地に、金色とスカイブルーが注されていてとても美しい仕上がりとなっています。
この色合いをとても気に入ったのですが、・・・何とっ、時が経つにつれて酸化・変色してしまう純銀を塗っているそうです・・・。
「Ginza(銀座)」をイメージしているという洒落が効いているそうですが、その輝きをずっ-と保ち続けてもらいたいと考えています。でも、もう箱から出してしまい外気に触れてしまったので、これからどんどん参加変色が進行してしまうのでしょう・・・。

 

〝せめて画像で〟という気持ちを込めて鮮やかな白銀の州浜座の状態を残しておきます。
事前に知っていたら、変色しない銀色を塗ってもらいたかったですが、後の祭りですね。

 

不動明王は、自ら火炎光を発することができるのだそうです。火焔光背は「迦楼羅炎」と呼ばれる煩悩を焼き尽くす炎が燃え上がっている様子を表現しています。〝迦楼羅〟は毒物を有する動物を食する鳥で、金色の円の上部にその頭部が表現されています。

あらゆる障害を焼き尽くす「迦楼羅炎」だけ、角度を変えて観ています。
そんなに厚くない(薄い)のに、極めて複雑な形状を緻密に再現しています。
身辺の不浄が焼き尽くされそうで、頼もしい火焔です。

 

迦楼羅炎の無い状態(左)と、迦楼羅炎を標準装備する状態(右)の比較画像です。
相当印象が変わってしまいますね。

 

コロナ禍の影響が何事にも及んだ2020(令和2)年に発売された限定品のひとつでした。

 

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