山城国浄瑠璃寺(京都府)その肆

イSム様から2024(令和6)年7月30日(火)に発売された「TanaCOCORO四天王 浄瑠璃寺」の発売を記念して、山城国浄瑠璃寺を参詣してきました。

ご覧の如く、抜けるような青空っ!

「河越御所」の浄瑠璃寺参詣は、去年(2023)の秋以来ですから、だいぶ間隔があいてしまいました。

夏ですからね、参道はほぼ緑一色に覆われています。

舗装された参道で、白色になっている所があります。

この板が張られている所の先、左手側に

「浄瑠璃寺門前 あ志び乃店(あしびのみせ)」様の門が立っています。
いつもの浄瑠璃寺参詣は午前中の早い時間帯ですので、参道前は開店前の状態でした。
また同行者も肉を喰らいたがる連中でしたので、いつもこここは素通りでした。

しかし今回は状況も違いまして、更に昼食時間帯ということもあり「あ志び乃店」様にお邪魔することとしました。

門を潜ると

年季の入った築地塀が立っています。
浄瑠璃寺とどの様な関係なのでしょうかね?

店先まで、ちょいと歩きます。

門を見て、小っさな店なのだろうと思い込んでいましたが、通路を進んでいくごとに固定観念が崩れていきました。

店の入口です。

店内は広く、他にお客さんもいましたが、とてもゆったりとすることができました。

そば定食をいただきました。
しそジュースもね。

蕎麦には舞茸や山菜も入っておりましたよ。
白米にゆかりがかかっておりました。
こちらのご飯、すんごく美味でしたの。
追加で、青しそ混ぜご飯をいただきました。
山菜混ぜごはんと迷ったのですがね。
山菜混ぜご飯は、次回にお願いしようと存じます。

とても心地好き時間を過ごすことができましたよ。

さて、浄瑠璃寺の参道に戻りますね。

 

夏の浄瑠璃寺ならでは、草木が覆い茂っている参道です。

 

この青々とした浄瑠璃寺の参道を歩いていると〝夏休みが来たっ〟と実感します。

人が居ようと居まいと、安定の静寂さを誇る浄瑠璃寺。
季節によって、この山門周辺の風景は変わりますが、酷暑であっても静寂さは変わりません。

池を真ん中にして、
 左側:此岸(しがん) 薬師如来を本尊とする三重塔があります。
 右側:悲願(ひがん) 九体阿弥陀如来を納める本堂があります。

「此岸」と「彼岸」を1枚に収めようとパノラマ写真を撮ったのですが、三重塔が入っていない画像になってしまいました。
来夏の課題ですね。

池の袂でこのパノラマ画像を撮っていたら、彼方此方から亀たちが集まってきました。

池の向こうからもヒョッコヒョッコ泳いでくるのです。
皆で浄瑠璃寺参詣を喜び、出迎えてくれたかの様でした。
亀たちを喜ばせる贈り物(えさ)がありませんでしたので皆、離れていきましたがね(笑)。

 

浄瑠璃寺三重塔は、夏の参詣ですと緑の茂みに埋もれています。
青い空、緑の木々、朱色の塔と自然に色合いの調和が素敵なものになっています。

階段を上り、塔に近付いていきます。

元は平安京に建てられていたものだそうです。
今、この様に見上げている三重塔の姿を、平安時代前半の人びとも同様に観ていたことでしょう。
こうした想像をしていると、この浄瑠璃寺三重塔を介して平安時代と繋がる様な気がしてきます。
歴史的に受け継がれてきた建造物って、凄いですよね。

青い空、天照大神の恵み(陽射し)、そして朱塗りの三重塔。
緑の木々も善きアクセントになっています。
画像加工は一切しておりませんよ。
現場に出向いて、たくさん写真を撮っていると、偶発的に素敵な画像が撮れていることもあります。
楽しいですよね。

「此岸」(三重塔)から、「彼岸」(本堂)を望んでいます。

 

それでは本堂へ向かいましょう。

阿弥陀如来たちの居る本堂です。
横長の建造物なので、更に池との距離が狭いため、本堂に近付いて全体像を撮ることができません。

それにしても気分爽快となる晴天でした。
永きにわたり立ち入りができなかった仏堂だったそうですよ。

中尊・阿弥陀如来の前に立っています。
勿論、戸の向こう側に御座しますの。
ホンに陽射しが強かったのですよ。

2021(令和3)年6月23日から7月1日に掛けての搬出・搬入作業により、修理が完了した中尊・阿弥陀如来が浄瑠璃寺に戻りました。
中尊・阿弥陀如来の重量は何と162㎏、首が向かって右側に傾いているそうです。

中尊・阿弥陀如来の左右に各4体の脇仏(小さい阿弥陀如来)が並んでいます。
本堂には、中央から見ると左右それぞれに4枚の戸があり、戸の向こう側には脇仏(小さい阿弥陀如来)がそれぞれ御座します。

 「建物はひとつですが、九体の仏壇が合わさったもの」

謂われてみると、とても納得できます。
本堂内はしあらゆる撮影が禁止されていますが、「紡ぐプロジェクト」様HPに脇仏が修理で出張中の状態ながら九体阿弥陀如来の様子をうかがい「知ることができる画像が掲載されています。

( 紡ぐプロジェクト
   https://tsumugu.yomiuri.co.jp › kutai_amida_story
     阿弥陀如来坐像(九体阿弥陀)            )より

今回の参詣(2024年夏)は修理及び特別出展も終了し、9体が勢揃いしている状態を拝観することができました。
他の参拝客が、ほぼいない〝独り占め〟状態だったので、何時もよりゆ~っくり長めに堂内を往復し、九体阿弥陀とその他の仏たちを拝観することができました。
入口横の持国天・増長天に始まり、脇仏→厨子入り吉祥天→中尊→地蔵菩薩→脇仏→不動明王と繰り返し観ていました。
すると本堂出口にある売店のお婆ちゃんが話しかけてきて、目の前の不動明王と二童子についておご教示くださいました。
その後また阿弥陀如来1体ずつに挨拶し、売店でいろいろと購入しました。
その際、
 「九体の阿弥陀さんが揃っていると、イイですよね」
と話したら、お婆ちゃんが
 「5年かけて修理が終わってね、博物館での特別展示も終わって去年の終わり頃に九体が揃ったのよ。・・・」
と、説明してくださいました。
 「阿弥陀さんのお顔、みんな微妙に違っていて素敵ですよね」
とお婆ちゃんに振ると
 「そう、お顔がおひとりおひとり違うんですよ。どれが誰によって造られたと名前は分からないんですけれどね。だからお顔に違いが出ているんですよ。・・・」
 「阿弥陀さんたちの後ろ、奥行きがあるんですね」
と質問すると
 「そうなんです、裏側に空間があってね。でも今は物置になっているんですよ。・・・」

こんな感じで、お婆ちゃんからいろいろと教わりました。
お婆ちゃんとは浄瑠璃寺参詣の度ごとに、こうして話をしています。
お婆ちゃんは覚えていないかもしれませんが、いつもこの様に盛り上がっているのです。

「また、参詣しますね」と挨拶して、本堂を出ました。

前回の参詣時は、本堂入口横の持国天・増長天が修理中でした。
今回の参詣では、脇仏(小さい阿弥陀如来)に2・3番目の前、床板の工事が行われていました。
当然、必要に応じて後世の修繕がなされている訳ですが、平安時代に創建された姿を現在に遺しており、参詣者が堂内に立ち入ることができるとは、とても嬉しいことです。
ここ数年の参詣では、賽銭箱に札をを投じることは減り、売店で各種グッズを購入することに代えました。
寺が永久(とこしえ)に続きますように、と念じながら。
そして購入したグッズで、浄瑠璃寺と繋がる縁を大事にするために。

堂内にエアコンは無いものの、偶に涼しげな風がながれてきます。
この酷暑では、蒸し暑さに堪えきれないでしょう。
それでも堂内から去り難い気持ちでいっぱいでした。
ホントにまたそのうち参詣しますね。

 

現在、放送中のNHK大河ドラマ「光る君へ」で柄本佑氏が演じる藤原道長。
引目鉤鼻をイメージさせる、素晴らしい人選ですよね。
もうちと、ふくよかになると絵巻物に描写されている姿に近付くのですがね。
藤原道長の時代に流行した阿弥陀如来を九体並べることは、残念なことに山城国浄瑠璃寺にのみ遺っています。
以前の参詣記事にも載せていますが、浄瑠璃寺は現在に「平安時代中・後期の佇まいを忠実に遺している」希有な寺院です。

交通の便は決して良好ではありませんが、少なくとも2時間程を想定して、平安時代の浄土信仰を体感してみては如何でしょうか?
心落ち着く時間を過ごすことができますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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