伐折羅~魄~(TanaCOCORO 篁千礼氏特別彩色・特別受注限定版)

2024(令和6)年12月11日(水)に発売となったTanaCOCORO「伐折羅~魄~」。
限定数は200体ですが、未だ入手は可能ですよ。

発売情報発表の際、お世話になっているスタッフ様に購入する旨を伝えました。
すると
 「ご希望されれば篁先生の彩色をしますよ」
と、何とも楽しく、かつ価格的に恐ろしい(笑)お話を頂戴しました。
この情報は公式HPやネット上での発表は無く、これまでのLimitedの購入者や再販要望の問い合わせをした方を対象とした〝シークレット・プロジェクト〟だったらしいのです。
お話をうかがってからネットで確認しようとしましたが、全く情報がありませんでした。
 「該当するお客様にだけ、お知らせしているのですよ」
とお肆得ていただいたので、代金を支払う際に
 「結構、人気がありましたか?」
とうかがったところ、注文を入れたのは、ごく僅かだったのだそうです。

何と、勿体無いことを。
こういう限定品って、発表された価格なのは〝その時だけ〟で、後から特注でお願いすると高額になるのだそうですよ。

参考までに、今回のTanaCOCORO「伐折羅~魄~」の特別彩色の費用はだいたい10万円くらいとお考えください。
ですから、購入オーディションの際に個性のある通常彩色の2体、そして特別彩色(改造)用の1体、合計3体を購入することになったのです。
通常彩色が施された「伐折羅~魄~」に特別彩色をするということでしたので、オーディション参加の6体のうち、「河越御所」に連れ帰る2体を除く4体から1体選ぶことになりました。
中国で職人さんが彩色した中で、最も個性を感じることが無かった(彩色に力が入っていない)1体を選びました。
〝素敵な姿に変身するんだよ〟と激励して・・・再会したのが「特別彩色Ver.wo迎えに行く」でした。

もう、中身は見ちゃったんですがね、

「河越御所」に連れ帰って、箱を開けるところから見ていきますね。
彩色師・篁千礼氏からのメッセージです。

梱包材を取り除くと、

如何にも高そうな感じ(笑)。
紙とビニールを取り外し、箱の外に出てもらいましたよ。

 

TanaCOCOROサイズなのに、前の更新で見たStandardサイズの「伐折羅2015Limited」に匹敵する華やかさを備えていました。

 

360度、回しています。

 

頭髪は髷を結って、先っちょが炎髪になっています。

髻の中からm金色に輝く「戌」が顔を出しています。
頭髪の様子を観ていますが、忿怒相もよく判りますね。

 

「伐折羅 2015 Limited」でも見ましたが、TanaCOCORO「伐折羅~魄~」特別彩色Ver.も

瞳が描かれています。
黒い肌をしていますが、箇所によって金色や緑青色が塗されています。
この質感を飛躍的に増やす技術、凄いですよね。

 

横から観ると、顔が単なる黒のベタ塗りではないことが、お判りいただけるでしょう。
目をご乱くださいな。
瞳だけでなく、目尻に赤色が差されていて実際に〝活きている目〟になっていますよ。

 

忿怒相を正面から観ています。

「伐折羅 2015 Limited」ではありませんよ、TanaCOCORO「伐折羅~魄~」特別彩色Ver.ですよ。
どちらとも篁千礼氏の特別彩色ですからね、サイズ違いですが〝瓜二つ〟なのです。
TanaCOCOROサイズは、三鈷剣が真っ直ぐですね
画像では、三鈷剣の形状で区別してください。

 

三鈷剣が目立たない様にしたのですが・・・

 

 

余りにもカッコいいので、画像だけでご覧いただきました。
綺麗な金色の三鈷剣、カッコいいです。

 

三鈷剣を逆手で握る手も、顔に準じて緑青色が注されています。

前腕部を防護する腕甲、アンティーク・ゴールドをベースに金色の縁取りが為され、細かい模様も描かれています。

 

上の方からも腕甲の様子を観ています。

 

Standardサイズの「伐折羅 2015 Limited」よりだいぶ小さいですからね。
模様の構成は簡略化したものです。
サイズ的に、これが限界なのでしょう。

それはそうと、肩当に細かい模様が描かれ、上腕部にも木目を連想させるラインが入っていますね。
鎧の下に着用している短甲形式の肩周り、エメラルド・グリーンの下地に唐草文様が描かれています。
これらはStandardサイズと同じです。

 

胸甲を観ています。

Standardサイズに準じていますが、小さいサイズという状況から、模様は簡略化されています。
この小さいTanaCOCOROサイズで、簡略化してでも可能な範囲で模様の塗り分けをしていることが賞賛ポイントです。

 

身体を大きく捻っているので、固定されている腹甲から実際の腹がズレています。
Standardサイズと同じですね・・・。

Standardサイズは褪色状態を表現していますが、特別彩色だとパーツの繋がり/重なり状態が正確に認識できます。
エメラルド・グリーンに塗られているので腹甲と正面の草摺(前垂)が連動しているのですね。

 

次は背中に廻って観ます。

鎧のベースに使われているアンティーク・ゴールド、明るめになっています。
下地に黒色を使っていますね。
使っているアンティーク・ゴールドも2種類以上の様ですね。

 

肩当を付け、短甲式の防具を着込み、その上にアンティーク・ゴールドの鎧を被せていますね。
首から背中、そして両脇に分かれる紐は胸甲を固定しているものですね。
中国風の鎧の構造を学ぶことができます。

 

魔物を圧伏している左手の様子を観ていきます。

衣はアンティーク・ゴールドをベースに緑青色を注し、布の柔らかさを強調しています。
メタリック彩色で金属感を、その上で布の軽やかな動きを表現していますね。
素晴らしく、高度な技術ですよ。

 

肩当も「伐折羅 2015 Limited」(Standardサイズ)と同じく、朱い下地に花葉の模様が乗せられています。
エメラルド・グリーンの下地に忍冬唐草文様が乗せられているのも同様です。
若干、アンティーク・ゴールドがStandardサイズよりも明るめな感じです。

 

頭上から観ると、

肩当の鮮やかさが際立ちます。
アンティーク・ゴールド、赤、2種のエメラルド・グリーンが絶妙の調和を見せていますね。
肌の黒色に緑青色が差されていたり三鈷剣の金色もも、いい味を出しています。

 

魔物を圧している左の掌(てのひら)周辺に注目しています。

衣の袖から出ているアンティーク・ゴールドの腕甲、明るい金色のラインで縁取られています。
明るめの画像ですが、見えているアンティーク・ゴールドの箇所は各々違いが見受けられます。
単なるベタ塗りではありませんよね、素晴らしい。

 

右側に回り込んで観ています。

左手の掌(てのひら)は、かなりの力が入っている指の反り具合を見せています。
見事に〝魔物を制圧している〟という不可視の状態を表現していますね。
鎧の各パーツを金色で縁取りし、金・金の重ねながら配色の妙技を見せています。
上半身・下半身共にエメラルド・グリーンの下地に唐草文様を乗せる意匠は、軍団における幹部級の高さを表していますね。

 

下に潜り込んで

頑強に押さえ込まれている魔物の目線から、左の掌(たなごころ)を見上げています。
・・・こりゃぁ、動けませんね(笑)。

 

エメラルド・グリーンで塗られていることから、腹・下腹部・大腿部にかけての甲(前垂)が一体化しているものであることが判ります。

 

下半身を防護する、重ねられた甲の様子を観ていきます。

首回り・腹部・甲の縁取りに、各々色合いの異なるエメラルド・グリーンが配色されています。
一般的に、ここまで豊富・多彩な色を塗り分けると、同じ色のベタ塗りになりそうなものです。
併し乍ら流石は彩色師・篁千礼氏の特別彩色作品です。
微妙な変化を見せながら、濃淡をつけるのみならず、色を重ねるなどの複雑な技法を駆使されていますね。
小っさいTanaCOCOROサイズですが、立派な美術・芸術品ですよ。

 

左側に回り込んで観ています。

一番下の甲(裾?)が朱く塗られていますが、よく観察すると金色が見えます。
下地が金色なのか、朱い下地に金色を塗しているのか判断がつきかねますが、単純ベタ塗りではないことが判ります。
篁千礼氏のLimited特別彩色は、こうした繊細な彩色を楽しむことができるのです。
それなのに、特別彩色の勧誘を活用しなかった方々が多かったという・・・。

 

左後方に回りこんで観ています。

「伐折羅 2015 Limited」と同様に、腰の部分を護る甲、金色の縁取りで区切られていますが、臀部を多う大きな甲の表面をよく観察すると刷毛目の様なラインが見えます。
木目の表現なのでしょうかね。
造形の細やかさも相俟って、篁千礼氏の特別彩色が眩しい程に輝いていますよ。

 

この画像でも、臀部を護る甲の表面に刷毛目が見えます。
表面を粗らしていることで、鎧のゴツゴツした感じが表現されていますね。
それにしてもエメラルド・グリーンの下地で踊っている唐草文様が素敵です。

 

左の掌(てのひら)の開き具合も判る、右横からの画像です。

甲の縁取りがお洒落ですね。
下の甲と上の項で、同じアンティーク・ゴールドでも濃淡塗り分けられていることが判ります。
唐草文様が楽しげに踊っていますし、朱に金色を塗した甲(裾?)もお見事ですね。

 

後ろ姿を観てみましょう。

全体像として美しいのですが、実際にこと態勢は・・・難しいですよ。

 

だって、頭上から観ると

かなりの前傾姿勢ですよ。
立っていられませんよ、この態勢では(笑)。
でも、この前傾姿勢は〝今将に魔物を仕留める〟瞬間を捉えた姿であるとすれば、三鈷剣の切っ先へ力が流れていく躍動感を表現するものと解釈できますね。

 

静止している(ポーズだけ)のでは無い、様子ですね。
本物の造像に携わった仏師たちの感性・表現力もまた素晴らしい。
いやぁ~、「イSム」様のインテリア仏像って飾るだけでも素敵なのに、本物では認識できない箇所も楽しむことができますからね、〝素敵な遊び相手〟ですよ(笑)。

次に本物と逢う機会が楽しみになってきました。

 

次、足元を観ていきますね。

以前の興福寺東金堂モデル「伐折羅」でも触れましたが、こんだけ重装備なのに足だけ露出(笑)。
足の肌は、顔や手と違って緑青色を強く塗している感じです。
よく観ると、足の甲から指にかけて金色が注されています。
まるでブロンズ像の如き質感が伝わってきます。
肌の露出部分が多くなっていることから、顔・手よりも強めの緑青色なのでしょう。
やはり、ベタ塗りにしがちな箇所も、全体の調和を考慮して彩色を変えているところが美術・芸術品と評する所以です。

 

真後ろ、甲の下から靡く裳の裾の様子です。

やはり、ここもメタリックな彩色をしつつ、布の軽やかな躍動を見事に表現しています。
金属の雰囲気と布の柔らかい質感を同時に成立させるという、矛盾した表現が現実に体現されていますね。
彩色技術って奥深いなと実感致しますよ。

 

希望者限定のTanaCOCORO「伐折羅~魄~」篁千礼氏特別彩色Ver.ですが、小っさいのにスタンダードサイズと遜色無い仕上がりであること、お判りいただけたことでしょう。

また別の機会で、StandardサイズとTanaCOCOROサイズの比較をしてみようと考えています。

 

その前振りとしてね、

左:TanaCOCOROサイズ
右:スタンダードサイズ
となっています。
TanaCOCOROサイズが若干、明るめの印象ですね。

細かい比較は、また今度っ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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