河内国観心寺が所蔵する国宝「如意輪観音」をモデルにした「如意輪観音」Standardサイズは、株式会社MORITA様でM-ARTS・「リアル仏像」ブランド時代から製品化されていました。
現在でも「イSム」ブランドで販売中ですから、その人気は不動なものとなっています。
多くの方々からの要望を受けTanaCOCOROサイズ「如意輪観音」が2025(令和7)年7月24日(木)に発売されました。
先日、購入オーディションを開催したことは記事で公開しています。

小さいんですけれどね、緻密な技巧で観心寺モデル「如意輪観音」のお姿が見事に再現されています。
六臂スタイルの代表作である観心寺「如意輪観音」は、毎年4月17日・18日の2日間に鉤っての公開される秘仏で、彩色が極めて良好に遺っています。
現存の状態が再現されていて、素晴らしい出来映えとなっていますね。
360度回転させて、見ています。

本物の御開帳は限られていますし、横から後ろ姿を拝観することは罷り成りませんからね。
こうして如意輪観音の姿を楽しむことができるのは、嬉しいことです。
原則、本物準拠で造られていますから、様々な視点から如意輪観音の特徴を確認することができます。
凄いことですよ。

宝冠の造形、溜息が出る程に繊細です。
観心寺モデルの如意輪観音、頭髪はこの様になっているのですね。

複雑な造形の宝冠ですが、化仏(けぶつ)が見えませんね。
「七星如意輪曼荼羅」に描かれる如意輪観音には化仏が表されていないそうです。
不空金剛(恵果の師)が訳した『七星如意輪秘密要経』では、七星如意輪法により敵の大軍が退却した功徳が解かれており、造像発願者の檀林皇后(橘嘉智子:嵯峨天皇の皇后)の「御願」に由来していると考えられているそうですよ。

眉間の白毫(びゃくごう)は、金色が注されていますね。
その上の前髪、ほんに微妙な個体差がありました。
虚ろな眼差しは、本物準拠ですよ。
お顔の色合いも、経年の風合いを見事に表現していますね。

左の第一手、掌(てのひら)を下に向けています。
左の第二手、蓮の蕾を裳っています。
左の第三手、法輪を立てています。

ゆったりと座っている感じです。
左の第一手、掌(てのひら)は台座から浮いていますね。
体重を支えている感じではありません。
経年を感じさせる風合いが、彩色で見事に表現されています。

角度を変えて観ると、第一手は自然な状態ですが、第二・第三手は隙間に挟み込んだ様に見えます。
正面から観ると〝整っている〟様に思えますが、ちょいと角度を変えると不自然さが際立っています。

右の第一手は、右頬に当てて思惟する様子を表現しています。
右の第二手は、胸の前で掌(てのひら)に如意輪を乗せています。

腰が括れているっ
まぁ、女性ですからね。
右の第三手は、立てた右膝を支えながら垂らし、中指・薬指で数珠を摘まんでいます。
彩色が剥落?それとも法会で付いた煤でしょうか?。
本物準拠で彩色が為されていますので、「本物って、こうなっているんだぁ」と学ぶコトができますね。
そもそも、斯様に本物の観心寺「如意輪観音」の各パーツを観察することはできませんのでね。
「株式会社MORITA」様の「イSム」ブランドで発売されるインテリア仏像は、著名名仏像の姿等を学ぶには最高の題材となっています。

右膝を立てていますね。
右足を台座につけているのかと思いきや、跏趺坐(かふざ)している左足の・・・足の裏っ!に右足を重ねていますよ。
変わった状態ですが、両足の裏を合わせることにも、何かしらの意味があるのでしょう。

余程、股関節が柔らかくないと、この姿勢の真似はできませんね。
でも、造形としては調和がとれていて、とても美しく映りますね。
造像を担当した仏師の感性と技術は、卓越したものであることが判ります。

右横から座っている様子を観ています。
放漫なお顔立ちに腕がいっぱいあるので全体的にぽっちゃり感がある様に思っていましたが、腹は引き締まっていますし、腰も括れているからでしょうね。
スリムな肢体なのですね。
未だ本物の御開帳を体験していませんが、本物をこうして観察することはできないでしょうからね。
そう考えると「株式会社MORITA」様の「イSム」ブランド/「仏像ワールド」ブランドの仏像たちは、貴重な研究資料としても活用することができるのです。
もっとたくさんの仏像を製品化してくださいね。
期待しておりますぞ。

光背、平面かと思っていましたが、2枚が斜めに重なっているのですね。
秘仏であったことと、案外大きな火焔の装飾であることから伝存したのでしょう。
光背に火焔を付けても欠損している例が多々ありますからね。
二重火焔光背は珍しいですね。

如意輪観音が座っている蓮台座。
変化に富んだ蓮弁が、実に細やかに造り込まれています。
ワンパターンの蓮弁を単に組み合わせるのではなく、本物準拠で蓮弁一枚一枚の表情(動き・個性)を忠実に再現しているので、座って静止している如意輪観音に躍動感・胎動感が備わっているのですね。

河内国観心寺「如意輪観音」は、承和年間(834~848)のことと推定されています。
空海が造像したという説明をよく目にしますが、実恵(じちえ:空海の一族で弟子)の弟子だった真紹(しんじょう)が造像に関わったと考えられています。
造像の発願は檀林皇后(橘嘉智子:嵯峨天皇の皇后)で、その願意には諸説がある様です。
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