空也上人(イSムTanaCOCORO 100体限定再販)

TVコマーシャルで六波羅蜜寺の「空也」像が登用されていましたね。
昨年末(2022)に山城国・六波羅蜜寺を訪れて対面した康勝作「空也」像のことを思い出しましたよ。
「今度何時、六波羅に行こうかな」
と、あの周辺で遊ぶことを脳内でイメージしてしまいました。

・・・そしたら、TanaCOCORO「空也」が緊急再販ですとっ。
別件でロジスティックセンターにお邪魔した時、
 「TVコマーシャルと連動した再販ですか?」
と、お世話になっているスタッフ様に聴いてみたら〝そうではないらしい〟とのこと。
まぁ、終売・絶版と〝入手不可能になると欲しくなる〟心理を、世の多くの方々がお持ちになったということが背景にはあるそうですよ。
その気持ちは解らんでもない・・・というか、入手不可能になる前に何としてでも確保しておくタイプです。
しかも「イSム」様の造形はディフォルメが素晴らしいので、「河越御所」では製作ロットが異なれば購入することを原則としております。
だって同じ像でも〝違う〟んですよ。並べれば判ります。

 

さて、今回は2023(令和5)年9月28日(木)に発売された新版「空也」を観察していきましょう。

箱から出てもらった状態です。
口から出ている阿弥陀如来たちが、ちょいと下向きとなっています。
でも安心してください。
針金なので、ある程度の角度をつけて調整することができます。
針金なので、クネクネし過ぎると折れちゃうかもしれませんね。

こちらの画像は、明るめにしています。
ロジスティックセンターで対面した際は
「初版より黒い感じがしますね」
という印象だったのですけれどね。

 

恒例の、ぐるっと廻ってもらいましょう。

 

 

具体的な空也に関する詳細は、既に初版とリペイント版で触れていますのでね。
注目ポイントの〝口から出ていく6体の阿弥陀如来〟を観ていきましょう。

 

一般的によく見る構図ですね。
観ていてしっくりきますね。

 

空也の右手側から観てみましょう。
本物とほぼ同じ箇所で針金が捻られています。

 

下方から見上げています。
角度を変えるだけで、阿弥陀如来6体が勢い良く口から出ていく様に見えます。

 

では、今度は上から見ましょう。
ピントが阿弥陀如来に合っています。
空也の表情が虚ろに見えます。

 

ちょいと前に回り込んで観ています。
今度は空也の表情にピントが合っています。
本物は玉顔を入れていますが、TanaCOCORO「空也」は初版/新版どちらとも玉顔は入っておらず、〝瞳は塗っている〟状態です。
個体差があるのでしょうが、新版の方が〝瞳に表情がある〟ように感じます。
表情にリアルさを求めたのでしょうかね

 

ちょいと寄ってみました。
やはり〝瞳の表情〟が生々しいですよ。
「海洋堂」様の空也は、玉顔が入っている感じを再現しているため渋い表情で阿弥陀如来を出している様に見えるのですが、「イSム」様のTanaCOCORO「空也」は将に法悦の境地に達したかの如き表情になっています。
製作する会社によっても個性が主張されているのですね。

 

正面から観ています。
うわっ、視線が合ってしまいました。
薄らとですが、白目が注されているのでしょう。
長く観ていると、生きている空也と目を合わせている様な気になってしまいます。
こういう時は、目線を外すのが無難ですよ。
〝魂入れ〟していないのに生気を宿している可能性がありますからね。

 

空也の身体、前方の様子です。暗い画像になっていますね。
鉦を結んでいる紐(糸)が橙色(オレンジ色)ですね。
ここは初版と異なる箇所でしょう。
全体に橙色が差されている様ですね。初版よりも新版が華やかになっている印象です。

 

鉦に塗られた橙色が鮮やかで目立ちます。
本物には橙色が差されていませんが、新版はこの橙の差し色あることで空也が纏う雰囲気が明るいものになっている様です。
具現化されている姿は、決して明るい状況では無いのですからね。
左右の前腕部、筋が出ている様も表現されていますね。
筋肉質ではなく、細くも長年にわたって逞しく生きてきた腕なんだろうなと想像してしまいます。

 

左手で持っている、可愛がっていた鹿の角を装着した杖です。
祭式で経年劣化を見事に表現されていますね。
素晴らしいです。
チラッと見える目力(めぢから)、女性では無いのですが妖艶です。
どちらかと言うと〝気味が悪い〟に近いです。
ちょいと左手の小指を立て気味であることが、お茶目なのですがね。

 

身体の背面、背中から腰にかけての様子です。
衣の重着、装着している物などが丁寧に表現されています。
更に木造ということで、木肌を表す加工が為されています。
本物は、こうした表現がありません。
このディフォルメこそが「イSム」インテリア仏像の特徴であり、手に取った時は勿論、長く生活空間において飾る際の満足に繋がっていくものと認識しております。

 

臀部から膝裏辺りまでの様子です。
先程の画像と同様、本物には見られない表面加工のディフォルメが為されています。
本物と同じ襞・皺を表現した上での彩色込の加工ですからね。
〝本物に近い像〟が手元にある喜びが生まれますよ。

 

右斜後方から観た様子です。
頸から掛けた鉦の重さによるのでしょう、だいぶ腰が曲がっている姿勢です。
空也本人がこうした容姿をしていたのかは不明ですが、造像した康勝がイメージした空也は頸から重たい鉦を下げたことで腰を曲げながら念仏を説いていたものだったのでしょう。
着衣の上からも細身の腕の様子がよく判ります。
鉦を叩く撞木(しゅもく)を持つ右手も筋が見事に表現され、静止している空也像の生命観を醸し出していますね。

 

前方から観た足下の様子です。
草鞋を履いています。
長年の人生で筋肉も落ちて痩せてしまった足であることが判ります。
腰を折りながらもしっかりと地面を踏みしめながら歩み続けている姿ですので、逞しさは充分に伝わってきますがね。
こうして観ると、杖にも彫りが丁寧に入っていますね。

 

後方から足下の様子を観ています。
脹ら脛から踵まで、年齢を重ねてきたことで痩せた足という表現が見事です。
着衣の重なりと風で揺れている動きも見て取れます。
元の空也像を製作した康勝も、そして康勝が製作した空也像に見事なディフォルメを加えられた「イSム」様の造形技術、昔と現在の表現方法が美しく融合したインテリア仏像ですね。

この緊急再販されたTanaCOCORO「空也上人」、100体という限定数であったのですが、予約受付開始から3時間程で完売となったそうですよ。
次回は何時、再販されるのでしょうかね?
因みに、「空也ってStandardで出ないんですか?」とスタッフ様にうかがったところ、笑われてしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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