大和国新薬師寺(奈良県)

世の中の状況を踏まえて外出自粛中です。
まったく〝我慢の限界〟などとは思っておらず、休みになるのであれば籠城生活は吝かではありません。

さて、昨年(2020)末に訪れた、大和国・新薬師寺の話を致しましょう。
朝に出発し石清水八幡宮へ、次いで浄瑠璃寺を訪れ、その後に奈良市内で昼食をとってから新薬師寺に向かいました。

さすがに奈良市内は人通りが多かったのですが、新薬師寺に向かっていくにしたがって人影はほぼ無くなり、途中の道端で鹿と遭遇しました。餌を求めて、広く彷徨っているようでした。
公共交通機関を利用すると、いつも細い道を歩いて新薬師寺を訪れるのですが、今回は自家用車での訪問です。道すがらの風景を楽しみながら歩みを進めるのですが、今回はその風情無しで目標の新薬師寺に到着しました。

いつも、おばちゃんが滞在する受付が閉まっていました。「まさかの年末休業?」と皆で不安な気持ちになりましたが、

・・・大丈夫。「拝観できます」の文字に安心しました。
通常南門前横の受付で拝観料を納めるのですが、この時期(年末)は本堂入口で拝観料を納めるようになっていました。

何度も訪れているので、見慣れた看板です。新しくしないで、このままでいて欲しいです。

 

「拝観できます」に安心。
「鹿が入らないように、必ず閉めてください。」
  そうですね、さっき、ついそこで鹿が歩いていましたから。
「用のない方の入場はお断りします。」
  〝用のない〟のに歴史ある新薬師寺に立ち入る不届き者がおるんか?
  と思いましたが、拝観しない族の入場を拒絶しているのですね。

しっかりと柵を閉めて、敷地に入りましたよ。

我々以外に2~3グループの観光客がいらっしゃいました。JR奈良駅/近鉄奈良駅からはそこそこ(20分超)歩きますからね。
でも南門から本堂を見ると、常に10名ほどの観光客が動いたり記念撮影をしているのですが、そこは年末。タイミングを見計らえば、この様に本堂だけの画像を容易に撮影することができました。

いやーぁ、何と落ち着いた佇まいなのでしょう。この先(堂内)に本尊・薬師如来と眷属・十二神将が居るのです。

向かって左手には地蔵堂、

右手側には鐘楼があり、

いずれも鎌倉時代の建造物でございます。

歩みを進めて、奈良時代に建てられた本堂に近づいていきます。

 

もっと近づき、

石灯籠のところまで来ました。普段だと、これほどのんびりと撮影することはできませんからね。

 

本堂を、右側からグルリと廻って見ていきます。
国宝に指定されている天平建築ですが、角の柱が擦れて傷んでいます。

そのまま右側に回り込むと、

ステンドグラスが嵌め込まれている窓があります。
かつての御住職が取り付けられたそうです。木枠に嵌め込んでいるので、国宝の建造物には影響は無いとのことです。
参拝された時、御寺の方にお願いすると開閉してもらえるそうです。
外側から見ても判りませんが、内側から見ると綺麗なステンドグラスです。

裏側(北側)の様子です。こちらは常に閉められている扉です。

西側に本堂へ入る入口があります。
奈良時代に建てられた国宝の建造物なのにもかかわらず、自由に廻りを散策でき、中にも入ることができるという親しみ易さが新薬師寺の魅力のひとつでしょう。

 

入口で拝観料を納め、朱印を頼むとあとから来た観光客の分も重なって売店(授与所)が慌ただしくなってきました。
今回の新薬師寺を訪れた最大の理由は、
 新薬師寺の売店で「十二神将」のまとめ買い
をすることでした。
これまで訪れる度ごとに数体を購入して12体を揃えようとしてきました。
ところが白い仕上がりの像が、どんどん黒っぽさを強める変化をしていき、ほぼ別物という感じになってしまったことは、仏像エンターテイメントの該当ページで発覚しています。
そうであるならば、〝黒っぽい仕上げ〟の十二神将を一気に揃えてしまおうと考えた訳です。

               (見本で並ぶ十二神将:許可をいただいて撮影しています。)

そして売店の前に立ち、見本のケース入り十二神将を見据えながら
「すみません、こちらの12体をそれぞれ1つずつ購入させていただきます。お願い致します。」
と受付の御坊に伝えました。
すると御坊から「一緒に確認してください」という返事。
1体ずつ箱を開けて中身を確認し、割れなど破損の有無をその場で見つけるためだそうです。
クレームを突き付けた、不届きな族が居たようです。けしからんっ。

ひと箱ずつ開け、包紙も解きながら中身を確認しました。
そこで姿を現したのはなんと、〝白っぽい〟十二神将でした・・・。

        (画像はイメージです。武蔵国に戻ってから開けた時の画像です。)

1体目で〝黒っぽい〟十二神将ではないことが判明していましたが、御坊が1体ずつ「どうですか?」と聞いてくるので、「はい、大丈夫です。」と答えるしかありませんでした。

売店で御坊に声を掛けるまでは〝黒っぽい〟十二神将だとばかり思っていましたし、もう12体を購入すると伝えてしまいました。後には引けない状況でしたので、12体の確認を済ませてから、大きめの十二神将の写真12枚も追加購入で、合計4万5千円ほどをドーンと納めました。

これも新薬師寺と河越御所の信頼関係の為せる業(笑)。

 

ちゃんと御坊に「写真を撮らせていただいてよろしいでしょうか?」と確認し、許可を得てから撮影しています。
初めて新薬師寺を訪れた時は、確か1体2,980円だったと記憶しています。
あれから何年経過したかは覚えていませんが、ついに「3,500円」にまで吊り上がっていました。何でも物価は上昇していますからね、致し方ありません。
それにしても、今回初めて「守護神人形」と名付けられていたことを知りました。

その後、12体が入った段ボール箱を抱え、境内を歩き回りました。

 

この様に、壁の表土が剥がれたままなのですが、これはこれで風情があります。
文化財ですから、ホームセンターで買ってきた材料で修復という訳にはいかないのです。

 

庫裏から香薬師堂の方へまわり、

出土遺物をさらりと眺め、

庭を散策して新薬師寺をあとにしました。

 

 

さて、ここからは今回連れて帰ってきた京都「豪勝」製の陶器「守護神人形」(十二神将)を見ていきましょう。

サイズや雰囲気を感じていただく為、豪勝・十二神将とイSム・十二神将を各々並べています。
豪勝・十二神将は陶器なので、イSム・十二神将の様な細やかな造形や彩色が施されておりません。見方を変えれば、陶器なのに「ここまで本物の特徴をとらえて造られている」のであり、そして本物の十二神将が並んでいる新薬師寺で販売されているのです。
豪勝・十二神将は、新薬師寺の雰囲気を纏っているレプリカたちなのです。

 

先ずは、寅の「真達羅大将」(しんだらたいしょう)です。

イSム様「掌」十二神将の「真達羅」と並べてみました。

 

 

亥の「宮毘羅大将」(くびらたいしょう)です。

イSム様「掌」十二神将の「宮毘羅」と並べてみました。

 

 

子の「毘羯羅大将」(びからたいしょう)です。

イSム様「掌」十二神将の「毘羯羅」と並べてみました。

 

 

丑の「招杜羅大将」(しょうとらたいしょう)です。

イSム様「掌」十二神将の「招杜羅」と並べてみました。

 

 

戌の「伐折羅大将」(ばさらたいしょう)です。

イSム様「掌」十二神将の「伐折羅」と並べてみました。

 

 

辰の「波夷羅大将」(はいらたいしょう)です。

イSム様「掌」十二神将の「波夷羅」と並べてみました。

 

 

未の「頞儞羅大将」(あにらたいしょう)です。

イSム様「掌」十二神将の「頞儞羅」と並べてみました。

 

 

午の「珊底羅大将」(さんてぃらたいしょう)です。

イSム様「掌」十二神将の「珊底羅」と並べてみました。

 

申の「安底羅大将」(あんてぃらたいしょう)です。

イSム様「掌」十二神将の「安底羅」と並べてみました。

 

 

酉の「迷企羅大将」(めきらたいしょう)です。

イSム様「掌」十二神将の「迷企羅」と並べてみました。

 

 

巳の「因陀羅大将」(いんだらたいしょう)です。

イSム様「掌」十二神将の「因陀羅」と並べてみました。

 

 

卯の「摩虎羅大将」(まこらたいしょう)です。

イSム様「掌」十二神将の「摩虎羅」と並べてみました。

 

 

こうしてご覧いただき、豪勝・十二神将が陶器であるにもかかわらず、新薬師寺・十二神将の各特徴をよくとらえて造られていることがお判りいただけたでしょう。

イSム・十二神将は不定期再販がなされるでしょうが、何時になるのかは不明です。そして高額商品です。

十二神将を揃えたいのであれば大和国まで行き、本物の十二神将がいるところで豪勝・十二神将をまとめて〝オトナ買い〟(合計4万2千円)をなさるがよろしいかと存じます。

飾り方は創意工夫をしてください。
各大将がそれぞれ7千、十二神将で総勢8万4千の眷属・夜叉が味方してくれることでしょう。

因みに河越御所では今後、豪勝・十二神将がデザイン変更をしたとしても「買い直し」もしくはデザイン変更を「買い揃え」ることはありませんっ。

 

 

 

 

 

 

 

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