制多迦童子(イSム「掌」2nd. Ver. 100体限定 復刻再販 廃盤)

イSム「掌」の制多迦童子は2012(平成24)年6月に発売が開始され、2014(平成26)年に販売が終了されてしまいました。ところが人気があったため、2017(平成29)年に100体限定の再販がなされました。それでも即完売となった制多迦童子2nd.ver.のお話をしましょう。

探していたのですが見つからず、矜羯羅童子と共に再々販された3rd,ver.、烏倶婆誐童子と共にまたしても復刻された4th.ver.について触れることもできずにいましたが、2020(令和3)年末にめでたく発見されました。

凜々しくも膨よかな表情をしています。

 

肉身部の彩色が、初版と比べると少々暗めな印象があります。

 

ぐるっと360度、まわしてみます。

 

 

 

五髻(ごけい)を結っている様子を、角度を変えて観ています。

 

 

 

 

 

 

肩帛(けんぱく)を懸け、左右の腕にそれぞれ腕釧(わんせん/臂釧:ひせん)を装着しています。
右手で握っているのは「金剛棒」(宝棒)と呼ばれる武器です。
2nd.ver.の金剛棒は〝木製であること〟を意識した彩色が施されています。

 

左手に握られた「縛日羅」(ばさら)、つまり金剛杵(三鈷杵)です。
掌を上に向けているので、4本の指を軽く添え、小指を立てた状態です。

 

 

一般的な三鈷杵とは少々形を異にしており、鈷のひとつひとつが厳つくなっています。

 

 

さて、初版のところでも触れましたが、制多迦童子の魅力、愛らしい膨よかさを徹底的に注目していきます。

 

ぷにゅっ。

 

ぷにゅっ、ぷにゅっ。

 

ほよっ。

 

ぽよっ、ぽよっ。

 

ぽっちゃり。

 

ぽちゃぽちゃ、ぽっちゃり。

 

・・・どうです?「童子」というに相応しい、子供っぽさが表現されていますね。

肉身部の彩色、経年を表すために明暗が付けられています。これは初版よりも強調されているトコロですな。

 

 

腰からの下半身は、少々左側へと捻りを見せています。

初版よりも〝深い緑〟が強調されている腰布ですが、その結び目とその先端の布の揺らめき、そして着用している裳の翻りは静止していながらも立体感・躍動感を観る者に伝える表現となっています。

着裳の縁には「雲唐草」模様が、「四ツ目菱入り七宝繋ぎ文」を地にして5花による「団花文」(正面形4弁花が1つ、斜面形蓮華が4つ)と四弁花丸文が繊細に施されています。

 

着衣の躍動が見事です。

 

着裳と腰布が重ねられていますが、視覚的にも材質が異なることが明らかで、尚且つ着裳の裾のたなびき具合により、薄目の裳が軽やかに舞っている様子が見事に表現されています。

 

裳の翻りでチラッと見える脛ですが、裳の広がりによって朱色が鮮やかに遺っているところと、経年によって黒ずんでいるところの違いが表現されています。
こうした彩色は、初版ではここまで顕著ではありませんでした。
復刻再版されると、こうした変化が楽しみポイントになりますな。

 

着衣の動きに合わせ、初版よりも彩色が強めになっており、像の印象が重厚なものに感じます。

 

足首の2本皺は〝ぽっちゃり感〟を隠し切れていない〝お茶目ポイント〟ですが、肉身部の彩色変化が、まるで何百年も時が経過したかの様な視覚的印象を感じさせてくれます。

 

 

洲浜座の様子です。
光の当たり具合によるのですが艶があって、まるで鼈甲みたいな印象を受けます。

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、ここまでイSム制多迦童子・2版の観察をしてきました。
初版と比べると、どの様に違っているのか?を具体的に観ていきましょうか。

左側が制多迦童子・2版、右側が制多迦童子・初版です。
初版の方がひとまわり程大きく、また肉身部の彩色がオレンジ色っぽいですな。
2版は小振りで、肉身部の赤味が強うございます。

 

 

背景を白くして、比較してみましょう。
2版がだいぶ小さい。
2版の肉身部の彩色は、明暗部がハッキリとしている。
2版の金剛棒の木製表現が際立っている。
・・・色々と相違点が見えてきます。

 

両像を左側からのアプローチ。
肩帛・腰布は、2版の方が青(緑色要素)っぽさが強い様です。
腰裳の色合いも2版の方が若干濃いめに感じます。
大きさは違いますが、ふたりとも〝ぽっちゃり感〟は共通なので安心です。

 

今度は両像の右側を観察します。
やはり肉身部と着衣の色合いが、それぞれ違いますね。こうした〝違い〟があるからこそ、同じ像であっても復刻再版がなされれば、可能な限り入手するようにしているのです。

 

では、両像の後ろ姿を観てみましょう。
左右からの目線だと余り気になりませんが、正面から見た画像と同様に大きさの違いが際立ちますな。
腰布と裳の裾部分の彩色の違いが目立ちますね。

 

斜めにして並べてみました。
やはり〝違い〟ますな。

 

 

 

 

 

 

 

2体、並べています。
〝違い〟、見つけられますか?

 

 

 

 

・・・違いを見つけるのは無理ですっ。
だって、2体とも制多迦童子2nd.ver.なのですから。

何故、同じ像を2体持っているのか?
・・・その疑問にお答えしましょう。
それは当御所に不動明王が複数体、居るから。
不動明王の脇侍に制託迦童子は必須ですからねっ。

 

 

 

 

〝不動明王の脇侍〟としてではありませんが、初版を中央に据え、2版2体を脇侍扱いにしてみました。
・・・意外と素敵な画像になりましたなぁ。

 

制多迦童子・2版の立ち位置・向きを変えて、遊んでみる。

 

こんなん、してると楽しい。止まらない。

 

 

これは2版の姿です。
世間の皆様の「制多迦童子」に対する人気が高いということで、イSム様は現時点(2021・令和3年末)で3度の復刻再版をなされています(計4体目)。
2版は2体購入しましたが、人気があるので〝制多迦童子はまた復刻される〟という予想のもと、3版・4版は1体だけの購入としました。「八大童子」の3体が発売されましたからねっ。
恐らく世間の皆様は〝八大童子を揃えたい〟という願望をお持ちでしょう。
そしてイSム様は、その多くの方々の願いに応えて順次、八大童子を発売していくことでしょう。
八大童子の新顔が発売される度ごとに制多迦童子が再版されるのであれば、複数体を購入するのは止めて、復刻されて〝微妙に違う姿〟をしている制多迦童子を迎えることとしますよ。現在居る不動明王の数とのバランスを考えながらねっ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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