十一面観音~蓮華~(イSムStandard 100体限定復刻)

「イSム」様より2022(令和4)年2月25日(金)、Standard「十一面観音~蓮華~」が限定100体で再販されました。
大和国法華寺モデルの十一面観音像です。
「河越御所」は既に2013(平成25)年7月に発売された「十一面観音~蓮華~」を購入しておりましたし、どれかは記憶していませんが新発売のインテリア仏像を追い求めた筈で、この「十一面観音~蓮華~」の再販は見合わせたのでした。
〝ロット違い〟ということは聞いていたのですが、軍資金調達にも難がありましたのでやむなく見合わせました・・・。

併し乍ら、つい先日(2025年3月13日~3月20日)のVIP会員限定ガレージセールが開催され、その中に「十一面観音~蓮華~」が居ましたのでね、迎えに行っちゃいました。
だって、かなり安かったんだもん(笑)。

 

旧版(2013年7月発売)と比べ、新版(2022年2月発売)は頭髪が明るい色合いとなっていますね。

 

先ずは、光背を外して360度回しました。

身体のどの場所を観ても、木目表現が緻密になっています。
まるで木彫りの仏像に見えますよ。

 

今度は光背を装着して、360度回します。

後ほど、大きな画像で確認しますが、光背の支柱にもしっかりと木目が表現されています。
驚愕の精密さですよ。

 

大和国法華寺モデルの十一面観音は、頭上の化仏の表情がとても豊かです。

 

 

 

 

 

化仏の冠には、それぞれ金色の小仏が付されています。
頭上の化仏は、江戸時代の後補なのだそうですよ。
化仏ひとつひとつの表情、全て目がクッキリしていて観ているだけで楽しいのです。
複雑に波打っている鬢髪(びんぱつ)、本物は薄い銅板製だそうですが、イSム「十一面観音~蓮華~」ではポリストーンで再現されています。
もう「イSム」様に仏像製作でできないことはありませんね(笑)。

 

目鼻立ちがハッキリとし、印度の仏がぉってな感じ(笑)。
異国情緒の漂うお顔をしていますよ。
目線は虚ろに見えますが、それは目線が少々下方に向けられているからです。

 

お顔にクローズ・アップしています。

法華寺十一面観音の眼は、銀製もしくは銅製の板を加工した黒眼がめ込まれ、その周りを緑錆で塗り囲み、更に白眼部分は白い顔料を塗っているのだそうです。
イSム「十一面観音~蓮華~」新版では、黒い瞳の周りを頭髪と同じライト・ブルーで縁取りしています。
唇に朱色を注す表現はなされていません。

顔面にも木目の表現が施されています。
「河越御所」に居る旧版よりも、今回連れ帰った新版の方が、顔の木目が強く表現されています。
鼻筋の凹凸が、その顕著な部分ですよ。

 

左手で、蓮華を挿した宝瓶(ほうびん)を指で柔らかく摘まんで持っています。

 

宝瓶に差された蓮の花にも、宝瓶そのものにも綺麗に木目が施されています。

 

丁寧に細やかな木目が表現されているため、派手な彩色は施されていません。
でも頭髪の緑色、蓮華の黄色・・・が茶色の十一面観音の身体と絶妙の調和を奏でています。

 

垂れた右手は

 

この長い腕の表現は「正立手摩膝相」(しょうりゅうしゅましつそう)と呼ばれ、慈悲を備えた手を以て遠くに居る人にまでも差し伸ばし、苦悩する衆生を救済しようとする慈悲の姿の現れだといいます。

 

ふくよかな肉付きの様子、身に纏う複数類の布の表現、それらに共通して木目を施すという芸の細かさ(笑)。
仏像フィギュアで、ここまで拘りの再現が達成できるなんて、驚愕のハイ・レベルな技術の賜物ですよ。

 

ご覧くださいな、この木目表現っ!
これ、木像ではないんですよ。
ポリストーン製の仏像なのです。

 

法華寺モデルの十一面観音は、左足に重心を乗せて立ち、蓮台から僅かに右足の親指・人差し指を踏み出して〝歩みを進めようとする〟瞬間をとらえているかの様です。
この表現は「光明皇后が蓮池の上を散策している姿」だといいます。

 

後方に回って観ます。

真後ろに位置する「暴悪大笑面」(ぼうあくだいしょうめん)、大口を開けています。
笑っているかは・・・微妙ですがね。
でも、こうした細やかな造型は、他の仏像府ギュアには見ることができない特徴です。

この背中を覆う衣。
翻波式の表現が用いられていますが、木目の表現がまるで木材から彫り出したかの如く繊細です。

 

布の翻波式表現と、木目の表現が、見事に融合しています。
法華寺十一面観音は「檀像」なので、その特徴を本物に準拠した表現になっています。

 

ポリストーン製ですが、木造の柔らかさ・温かみが伝わってきます。
単なる茶色の彩色ではありませんね。
経年による変色等が自然な状態で表現されています。

 

十一面観音が立っている台座を見ていきましょう。

蓮弁の一枚一枚にも木目が施されています。
蓮弁それぞれが異なった形状・サイズです。
一枚一枚型抜きをし、台座②差し込んで、更に彩色しているのでしょう。
想像しただけでも気の遠くなる作業の賜物です。

 

台座から蓮の茎が映えているかの様で、その上に蓮華座が乗っかっていますね。
こうした所は注目されませんが、資料データに基づき本物に準拠した造型は、他を圧倒しますね。

 

光背を後ろから観ています。

 

支柱にも、丁寧に木目が施されています。

 

VIP限定ガレージセールという機会があって、購入を見合わせたイSム「十一面観音~蓮華~」(新版)と対面することができました。

やはり〝ロット違い〟というのは重視すべきでした。
色合いや雰囲気が別物ですからね。

 

だからといって、全ての再販製品を追い掛けるのには限界があります。
TanaCOCOROと違って、Standardサイズの再販を揃えることは難儀なものです。
株式会社MORITA様、こうした場合のVIP限定ガレージセールを今後ともどうぞよろしくお願い申し上げますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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