特別企画055 イSム「十一面観音立像」の新・旧比較

先日、「VIP会員限定ガレージセール」がありました。
、とても短い期間(2025年3月13日~3月20日)でありましたが、株式会社MORITA様本社にうかがい、いろいろと購入してまりました。
だって想像以上の割引セールだったんだもん(笑)。

そのうちのひとつk、大和国室生寺モデルのイSム「十一面観音立像」について、お話しましょう。
連れ帰ったイSム「十一面観音立像」は、この様なお姿でしたよ。

 

 

光背を外して前方からと、後方からと観察しています。

本物の室生寺十一面観音に、こうした遊びはできませんからねw。
後方を見ると、腰元から足元まで木目が表現されているのです。
きっと、本物の室生寺十一面観音も、そうした特徴があるのでしょう。

 

頭部の十一面観音を観ていきましょう。

髪の毛を大きく結い上げた髻(もとどり)上に如来面が据えられ、前方3面が菩薩面になっています。
先日、紹介した旧版と同じですね。

何時もお世話になっているスタッフ様から
 「お客様から冠の飾りが取れちゃう(壊れちゃう)って連絡が多くて・・・」
 「冠の飾りが浮いていたのが、くっ付けたものに変わったんですよ。」
とご教示いただいておりましたの。
初めはイメージできていませんでしたが、この画像でりかいできました。
天冠台と頭髪の間に波打つ緑色の装飾、頭髪に密着していますね。
こうした改善点は、教えていただかないと判りませんよ。
後ほど、この箇所を新旧比較で確認しますね。

 

旧版の記事と同じ図柄ですが、天冠台下の華飾りが違います。
あらっ、この画像だと華飾りが殆ど遷っていませんね。
画像の左側、十一面の右側後方3面が牙上出面です。
画像の右側、十一面の左側後方3面が瞋怒面です。
実際に室生寺寶物殿にいけば本物の十一面観音と対面するコトができますが、この様に光背を外すことはできませんし、十一面の後方の表情を拝観することもできません。
イSム・インテリア仏像があれば、実際に観ることができない仏像の姿を自在に楽しむことができます。

 

十一面観音、後ろの正面が大笑面です。
十一面観音像の大笑面は、像によって表情の特徴が違いますからね。

機会があればインテリア仏像の「大笑面」比較特集、やってみましょうか(笑)。

 

板光背を装着し、ちょいと見上げた状態です。

本物の室生寺十一面観音の特徴をよくとらえていますね。
素敵な雰囲気を醸し出しています。
布の重なり、瓔珞などの装飾が、とても詳細に表現されています。

板光背、緑の彩色が鮮やかです。

本物の室生寺十一面観音の「お顔」、彩色の褪色や剥落だけでなく下地の剥落もあり、とても複雑な色合いとなっています。

 

イSム「十一面観音立像」は、室生寺十一面観音の現状を忠実に再現(コピー)するものではありませんが、可能な限り、その特徴を再現しています。
旧版の記事でも触れましたが、イSム「十一面観音立像」は大傑作ですよ。

 

それでは、イSム「十一面観音立像」の新旧版を並べて比較しますね。

右側が、イSム「十一面観音立像」の旧版です。
左側が、イSム「十一面観音立像」の新版です。
板光背の色合いが異なっています。
VIP会員限定ガレージセールが行われなければ、こうした相違には気付きませんでした。

 

板光背を外して、並べています。

 

板光背を外すと・・・若干、旧版の方が大きく見えますが、

 

後ろから観ると身長は、ほぼ同じですね。

 

向き合わせてみると・・・身長は変わりませんね。
板光背が無いと、新旧版の区別が付き辛いですね。

 

板光背を装着し、旧版を前に出しています。

天冠台の下、華飾りが立体的です。
旧版の板光背、黄色い彩色が目立ちますね。

 

新版を見上げています。
後ろには新版が立っているのですよ。

室生寺宝物館で見上げている感じ・・・いや、実際はここまで見上げませんがね。

 

手前が新版、奥が旧版です。

ピントが旧版にあってしまいました。

 

新版の天冠台下、華飾りが頭髪に密着しています。

〝外れる(壊れる)〟という弱点を補強した造形です。
旧版の立体的な装飾の方が、宜しいのでしょうがね。

 

「八功徳水」が満ちている水瓶ですよ。
こっから「河越御所」に、「八功徳水」を引っ張っちゃいましょうか。

 

提げた右手の「与願印」です。
的美から先が、別に取り付けられて感じがしますね。
手の律感が、リアルです。

 

頸飾りから垂れ提げる瓔珞、緻密な造りになっています。

輪宝の破損状況も丁寧に再現されています。
こうした手間が掛かっている造形、嬉しいですよね。

 

前の方から下半身を観察しています。

天衣や裳に緑色を射しているのは、本物準拠です。

 

新版の板光背を今一度外し、後ろ側に旧版を立てて比較しています。

普通、イSム「十一面観音立像」を2体、買いませんよね(笑)。
VIP限定ガレージセールで、余りにも魅力的な価格設定だったものですから問い合わせたところ〝ロットが違う〟ことが判明しました。
「イSム」様のロット違いは、彩色や雰囲気が異なるものが多いので、実物を確認して購入した訳ですよ。
これが「河越御所」の〝オトナの遊び〟なのです(笑)。

 

こうしてガレージセールで、イSム「十一面観音立像」の新版と遭遇したことで

天冠台下の華飾りが違うこと、板光背の色合いが異なっていることを知ったのです。
VIP会員限定のガレージセールが無かったら ロット違いの十一面観音を篦がルところでした。
危ない、危ない・・・。

 

十一面観音の旧版を背景に

新版・十一面観音の左横のお姿を観ています。

 

見えているの3面は、瞋怒面ですよ。
大きな耳の表現は「耳朶環状」(じだかんじょう)といいます。

 

新版・十一面観音の後ろ姿、こちらにむ向けています。

板光背で隠れている部分ですが、丁寧な表現がなされています。

 

おぉ~っ、旧版でも確認できた丸鑿の抉り跡が、新版でも健在でした。
無くすこともできたのでしょうが、こうしたこだわりの造形は嬉しいものです。

 

身に纏っている布の表現が丁寧ですね。
嬉しいことに木目もしっかりと再現されています。

 

臀部から下に

ハッキリと木目が表現されています。
後ろ側を観ることは、ほぼありませんからね。
しかも板光背で見えない箇所です。
省略しても判らないところですが、これがイSム「インテリア仏像」の醍醐味なのですよ。

 

新盤の右横顔を、旧版を背景に観ています。

こちらを向いている3面が、牙上出面ですね。
天冠台下の華飾り、頭髪に密着しているのが判ります。

 

新版に再び板光背を装着し、新旧盤を並べています。

こんなに違うんですよっ。

 

小さくなってしまいましたが

 

天冠大下の華飾りが違っています。
右側が旧版、華飾りが立体的になっています。
左側が新版、華飾りが頭髪に密着しています。
繰り返しますが、コレは指摘されないと気付きませんがな。

 

偶々、VIP限定ガレージセールでイSム「十一面観音立像」の販売を知り、問い合わせてロット違いであることを知りました。

現物を確認し「河越御所」に連れ帰り、旧版と引き合わせると、この様に相違点を見出すことができ、楽しんでいます。
全てのインテリア仏像をロット違いということで迎え入れることは難しいのですが、可能な範囲でチャレンジしていきますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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