愛染明王(TanaCOCORO 1st.Ver. 高野山金剛三昧院モデル)廃盤

2022(令和2)年5月25日(水)に発売されたTanaCOCORO「愛染明王」初版のお話です。
高野山金剛三昧院モデルで、200体限定の販売でした。
とても人気があって、発売日からたった4日で完売してしまった像です。

TanaCOCORO「愛染明王」は再販要望が多く寄せられた様で、2024(令和6)年5月29日(水)にも限定100体で復刻再販されましたが、発売を前にした2024(令和6)年5月9日(木)に予約の段階で完売となっています。

「河越御所」でも初版/2版で、それぞれ株式会社MORITA様本社にお邪魔して購入オーディションを開催しました。
兩回ともに仏像エンターテイメント部門「特別企画」でまとめましたが、小っさい乍らも威圧感が凄かったことが記憶に遺っています。

今回は、初版を連れ帰り、箱に入ったまま封じられていたものを解放する序でで記事をまとめました。

こちらがTanaCOCORO「愛染明王」の初版、高野山金剛三昧院モデルにございます。
左右にゆとりを持たせた画像にしています。
〝圧が強い〟こと、伝わりますでしょうか?

「河越御所」では連れ帰った仏像たちを〝開眼〟しません。
拝んだりすることをしませんので、単に文化財に準ずる美術品という扱いにしています。
それでも姿形は、歴史的な寺院が所蔵する本物に準じていますからね。
それぞれが法力を内包していて、その法力を発揮する分については各々に任せています(笑)。

コマ送り的に、ほぼ360度回してみました。

本物は、高野山金剛三昧院¥本堂に鎮座し、ガラス越しですが拝観することができます。
併し乍ら堂内が暗い為、愛染明王のお姿はハッキリと目視することが困難です。
この様に、小っさいですがね、インテリア仏像を購入すると全体像を愛で、楽しむことができます。

 

先ずは、上半身の様子から観察していきましょうか。

調った美しきお姿です。
本物は堂内における祈禱・法要等で全体が黒ずんでいます。
ネットの画像検索で、その様子は確認できます。

TanaCOCORO「愛染明王」は、お顔の赤い彩色が強めに表現されています。
本物に準じて黒かったら・・・怖いことになってしまいますからね。

 

「獅子冠」に注目しますね。

忿怒相の愛染明王の頭上に、強烈な存在感を放っています。
頭頂部には「五鈷鉤」(ごここう)が据えられています。

獅子冠に、もっと寄ってみましょう。

偶々、五鈷鉤にピントが合った画像を撮ることができました。
こういうことがあるので、インテリア仏像の密教仏は普段〝箱に封じている〟のです。
「箱から出した方が良い」というお言葉もいただきますが、ねぇ・・・。

 

獅子冠の獅子の目力、ご覧くださいな。
黒い瞳の周りを金色で囲っています。
大きく口を開けているので、咆哮しているかの様です。

獅子冠の様子を摂ろうとしても、愛染明王の顔/目があってピントが合わないのです。
この画像は、沢山撮った中からピントが合ったものをセレクトしたものですよ。
TanaCOCORO「愛染明王」の有する法力の影響かもしれませんがね。

因みに、TanaCOCORO「愛染明王」初版の購入オーディションで決め手となったのは、この五鈷鉤から上へと伸びていた「白毫」(びゃくごう)だったのですが、その白毫は失われていました。
ですから、この愛染明王は開眼こそしていませんが不思議な力があるのですよ(多分)。

 

獅子冠の様子を、左右斜め前から観察しています。

頭上の獅子冠を、逆立つ炎髪で挟んでいるかの様です。
愛染明王の定番「髪型」ですね。

獅子冠の天冠部分から左右へ透かし彫りの装飾が広がっています。
獅子冠/愛染明王の顔が共にハッキリとした画像を撮るのは、案外難儀なのですよ。
この画像は、獅子冠/愛染明王の顔が綺麗に写っています。

 

獅子冠の「五鈷鉤」(ごここう)は、こうした形態です。
衆生(人びと)を正しい方向へと導くそうですよ。
五鈷杵(ごこしょ)の柄の部分を独鈷杵が貫通した形で、前方に出ている部分が鉤型に曲がっています。

天冠部分から左右に広がる装飾、そのの付け根から腹の横まで垂れ下がる頭飾は真鍮で再現されているのだそうです。

 

光背を外した状態で、後頭部の様子を観察します。

獅子冠の後頭部、フサフサな毛が垂れています。
天冠台が獅子冠と愛染明王の頭部の境界ですね。
側頭部と耳の後ろは炎髪として逆立っています。
両耳は炎髪と冠の装飾で見えなくなっていますが、福与かな耳朶が垂れています。

右手には蓮華が握られています。
左手には・・・何かを差し込んでいたのでしょうか?
単なる拳(こぶし)という可能性もあります。

イSム様インテリア仏像は、こうして本物がどうなっているのかが身近に触れることができる様に造形されていますので、本物を拝観する前でも、拝観した後でも楽しむことができるのです。
素晴らしいことですよ。

 

TanaCOCORO「愛染明王」初版は、右手の蓮華が冠の装飾の後方にくる様、配されています。

この画像で、その様子がよく判りますね。
TanaCOCORO「愛染明王」2版を迎えにいった際、いつもお世話になっているスタッフ様からご教示いただきました。
ご指摘いただかないと、気付きませなんだ。

 

今度は、愛染明王のお顔に視点を移して観察していきますね。

左右対称ではないことが、強い生命観を表現する姿になっていますね。
カッと見開いた両目は、吊り上がった眉と共に筋肉の大きな隆起によって厳しい眼差しとなっています。
眉間には〝第三の眼〟がギラリと開いています。
阿形の口からは牙が見えていますね。
偉業なのですが、恐ろしい感じはしませんね。
イスム様のディフォルメ力が素晴らしいのか、「河越御所」の感覚が麻痺しているのか・・・。

とても調った、お姿です。

 

もっと愛染明王のお顔に迫っていきましょう。

購入オーディションで最優先するのは〝目力の強さ〟です。
このコ(愛染明王・初版)を連れ帰った決め手は、もう失われてしまいましたが五鈷鉤の上から伸びていた白毫だったのですがね(笑)。

どうです、ご覧くださいな。
両目の〝目力の強さ〟をっ!
小っさくても密教仏ですからね。
目が調っていれば、開眼せずともね・・・。

 

更に寄りますよ。
目線の高さから観ています。

「河越御所」では原則、愛染明王と目を合わせることはしません。
写真を撮影する際、必要最低限で目が合ってしまいますが。
何故かって?
そりゃぁ、この画像をご覧いただくとお解りでしょ。

これで開眼したら・・・背筋がゾッとしますよ。
普通の人は、危ないから仏像(仏の形をしたもの)の開眼は止めましょうね。
食玩レベルで開眼できるかは知りませんが、姿は本物と同じくつくられていますからね。
目覚めさせたら・・・、大変ですよ。

 

ちょいと下から見上げています。

ほらっ、〝目力が強い〟なんてレベルぢゃないのがお解りいただけることでしょう。
この目力、尋常ではありませんよ。
「河越御所」は、ある意味〝仏たちの楽園〟的な位置付けとなっております。
斯様な目力の愛染明王であっても、和やかに楽しく過ごしておられるのですよ。
そんな愛染明王に〝願掛け〟なぞ、しません。
「河越御所」に居てくれるだけでイイのです。

これ叉、偶々なのですが光の当たり具合で〝第三の目〟が光っています。
箱から出たのが、とても久し振りでしたからね。
パワーの浪費は、お止めくださいな(笑)。

 

獅子冠と愛染明王の目がキレイに写っている画像です。

こうした画像、ホント撮るのが難しいのですよ。

 

では次、六臂を3分割して観察していきます。
先ずは〝第一の手〟から。

力こぶをつくっている様に見える、直角に曲がった腕2本ですよ。
右手では蓮華を持っていますが、左手には何も持っていません。
何かが差し込まれていたのかも知れませんがね。

 

光背を外した状態で、斜め後ろから観ています。

右手の蓮華、横に広がる冠の装飾の後ろ側にきていますね。
この画像だと、こめかみ部分から逆立っている炎髪と、耳の後ろ側から逆立っている炎髪の間に朱色の耳が見えていますね。

本物(高野山金剛三昧院の本尊)は、こうした姿を確認することができませんからね。
ある意味、貴重なお姿(笑)ですよ。

 

では次、〝第二の手〟と〝第三の手〟の様子です。

 

 

ぢゃぁ〝第二の手〟から観ていきますね。

五鈷杵(ごこしょ)を持つ右手が上に、五鈷鈴(ごこれい)を持つ左手が下に位置しています。

右手は、弘法大師(空海)がそうしている様に捻りながら五鈷杵を持っています。
こうした持ち方には意味があるのでしょうが・・・その意図は解りません。

腕釧(わんせん)・臂釧(ひせん)には三鈷杵の造形が付されていますね。
本物を拝観しても、こうしたところは気付きませなんだ。

 

左手には、五鈷鈴が握られています。
五鈷鈴から、高らかで澄んだ金属音が聞こえてきそうです。

腹部に瓔珞と、転法輪(てんぽうりん)が見えますね。
腹のところに転法輪があるとは、本物の画像を見ていても気付きませなんだ。

 

今度は〝第三の手〟を観察していきます。

左手には弓を持っています。
形状からして「短弓」ですね。
短弓は、命中精度が低いとされていますが、愛染明王からすれば意に介さないことでしょう。

対して右手には矢が握られています。
この矢を、左手の弓に番えて撃つのですね。
・・・ということは、愛染明王は右利きってこと?

矢を拡大して見ますと、厳つい鏑矢(かぶらや)ですわ。
どんな音を発しながら飛んでいくのでしょうか?
愛染明王が放った矢は、距離に関係無く命中しますからね。

 

ちょいと引いた画像です。

首元から腹部にかけて瓔珞(ようらく)が垂れています。

 

六臂それぞれの臂釧・腕釧に三鈷杵が施されています。
流石は密教仏っ!
こうしたところまで再現してしまうところがイスム様の恐ろ・・・いや、凄いところですね。

 

光背を外した状態で、高野山金剛三昧院モデルの愛染明王の後ろ姿を観ています。

いやぁ、これは貴重な後ろ姿ですよ(笑)。
本物の、この状態を見ることは叶いませんからね。

 

装着する前の、別個に撮っていた光背の様子です。

燃えさかる炎をイメージした円光背です。
幾多の加持祈祷や永きにわたる法要の結果、染み付いた煤の様子が彩色で見事に表現されています。

造像当初は金色にかか焼いていたのでしょうけれど、経年褪色も見事に再現されています。
いやぁ、それにしても煤の染みつき具合が彩色で表現できているなんて、彩色担当の職人さんたち、凄いよっ!

 

光背と鳥居型の支柱を装着すると、こうした感じになります。

 

この鳥居型の支柱、挿げやすい/にくいの個体差があるそうですよ。
一体一体、丁寧に造っていますからね。

 

高野山金剛三昧院モデルの愛染明王は、この鮮やかな蓮の台座の上に結跏趺坐(けっかふざ)しています。

宝瓶から生えている蓮華、花弁一枚一枚が丁寧に象られています。

 

光背を外した状態で、蓮華台座を後方から観ています。
結跏趺坐で蓮華台座に御座します愛染明王の腰元、これまたレアなお姿ですよ。

 

宝瓶+台座の様子です。
下の台座の装飾、何とも緻密な造形なのでしょう。
最下層の下地に見える朱色が、造像時の愛染明王のお身体の色を想像させてくれますね。

台座に巡らされている宝珠、ひとつひとつが精巧に造られていますよ。
これ、TanaCOCOROサイズですよ。
TanaCOCORO「愛染明王」が製品として完成するまで、気の遠くなる程の手間が掛かったことでしょう。

 

愛染明王を支える蓮華台座、前から/後ろから観ても惚れ惚れする細やかな装飾が為されています。

改めて、視点を変えながら観察すると、こりゃ人気が出ますわな。

 

 

 

 

 

 

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