十一面観世音菩薩(相模国鎌倉長谷寺 御本尊十一面観世音菩薩 造立1300年記念 限定御分身【大】)

2024(令和6)年7月、朝早で相模国鎌倉の長谷寺に参詣しました。
途中からですが朝の勤行に参列し、御坊を介して長谷観音からの助言を受け、感動しておりました。
  「コツコツと積み重ねたことが、実を結ぶことでしょう」
地道に積み重ねてきた詐欺「征伐」が実を結び、詐欺ヤロウが戦闘から撤退しましたよ。
情報関係に強い(詳しい)知り合いたちに相談したら、皆口を揃えて
  「(詐欺「征伐」は)難しいですね」
だそうで。
でも、長谷観音は〝詐欺「征伐」の達成〟を予言していてくれたのですよ(笑)。

売店 授与所)のおっちゃんに
  「観音さんの御分身、いただきたいのですが・・・。小さいの1体と大っきいの1体でお願い致します。」
と声掛けしました。
売店のおっちゃん、あたふたしつつ、奥の倉庫へと消えていきました。

暫くすると、大っきな手提げ袋を持っておっちゃんが再登場です。
  「オレも、大きいのは実際に見るの、初めてなんだよ。」
だそうです。
中身を確認ということで、蓋を開けてもらいました。
でも、こうした時に詳細な確認ってできませんよね。
安易に
  「大丈夫です。」
と答えてしまいました。

「河越御所」に連れ帰って来た長谷観音・大の様子をご覧いただきましょう。

結構、大っきいのですよ。
はじめは電車で迎えに行こうと考えていたのですが、電車で向かおうとすると天候が思わしくなかったり、出掛けるのが急に億劫になったり・・・上手く事が運びませんでした。
要は、観音さんが電車に乗りたくなかった様です。
実際、この大きさ(+小サイズ)を持ち運ぶのは電車内で迷惑になったことでしょう。

蓋を開けますと、発砲スチロールには見慣れた株式会社MORITA様の「イSム」ブランドマークがありました。
造形は勿論、ディフォルメも利いていて像がカッコいい筈です。

以前にも触れましたが、現在日本に存在する「国宝」指定を受けた十一面観音像は、
 大和国室生寺の十一面観音像(「イSム」様で既に製品化)
 大和国法華寺の十一面観音像(「イSム」様で製品化、廃盤/限定再販)
 大和国聖林寺の十一面観音像(「イSム」様で製品化、廃盤/限定再販)
 河内国道明寺の十一面観音像
 山城国観音寺の十一面観音像
 山城国六波羅蜜寺の十一面観音像
 近江国向源寺の十一面観音像(「イSム」様でポイント交換限定品、廃盤)
の7体です。

相模国鎌倉の長谷寺・十一面観音は、残念ながら国宝ではありません。

発砲スチロールの蓋を開けると、鎌倉・長谷寺モデルの十一面観音が姿を現します。

〝長谷寺の観音〟の歴史は古く、721(養老5)年に遡ると謂います。
洪水により近江国琵琶湖の辺(ほとり)に巨木が漂着したそうです。
この巨木は樟の霊木だったそうで、播磨国出身の僧侶・徳道(とくどう/俗名は辛矢田部米麻呂:からやたべのここごめまろ)が入手、万民の福徳円満を祈念し十一面観音の造立を誓願したそうです。
因みに、この巨木については、徳道が大和国山中で発見した楠の大木という説もあります。
まぁ、ファンタ・・・。
徳道の誓願を受け、朝鮮半島の兄弟で仏師の稽文会(けいもんえ)・稽主勲(けいしゅくん)が樟の霊木1本から2体の十一面観音を彫り出し、729(天平元)年に完成したと伝わっています。

1本の樟の霊木から造られた1体は、大和国長谷寺(奈良県桜井市初瀬)に祀られています。
もう1体は、東大寺大仏造立に貢献した行基によって祈禱をした後、海に投じられたそうです。
まぁ、ファンタ・・・。
海を漂流した十一面観音は736(天平8)年に相模国長井浜(現・横須賀市長井)に打ち上げられ、現在の鎌倉長谷出たの場所へと運ばれ、鎌倉長谷寺が創建されたのだといいます。

先ずは、箱から出ていただいた鎌倉長谷寺モデルの十一面観音立像の様子です。

「長谷寺1300年プロジェクト」の一環として、2021(令和3)年に
  御本尊十一面観世音菩薩 造立1300年記念 限定御分身
と題して【大】サイズと【小】サイズが頒布されることになったそうですよ。

ちょいと記憶が定かではないのですが、
 【小】サイズ‐1000体
 【大】サイズ‐150体
製造されたらしいですよ。
「河越御所」に連れ帰った【大】サイズは、製造されたうちのほぼど真ん中のナンバリングでした。
ナンバリングは、指定できないそうですよ。
鎌倉長谷寺の関係者に確認した訳ではありませんが、順番に倉庫から出されているらしいです。

さて、小さい画像ですが十一面観音【大】サイズをぐるりと回してみました。

まぁ、画像では伝わりませんが、大っきいですからね。
この画像を撮るだけでも、なかなかな手間が掛かっています。

じゃぁ次、光背を取り出しますね。

【小】サイズの光背も、緻密な彫りが衝撃的でした。
・・・が、【大】サイズの光背は大っきい分、緻密な彫りが圧巻です。
これはリアル(事実)ですよ。
これは是非、本物の【大】サイズをお迎えして、お家で実感していただきたい(笑)。

【小】サイズでも触れましたが、「観音ミュージアム ワークシート」に説明があります。

光背の頭光部、

光背の身光部で梵字が異なって見えていますが、どちらも十一面観世音菩薩を表す「キャ」だそうです。
 頭光部:荘厳体の梵字「キャ」
 身光部:通常の梵字「キャ」
という違いだそうですと。

この光背の迫力、残念ながら上掲の画像だけでは伝わりきらないでしょう。
悔しいです(笑)。
で~もねっ、

これで迫力を実感していただけることでしょう。
左側が【大】サイズの光背、右側が【小】サイズの光背でございます。

因みに、本物の光背は1923(大正2)年の関東大震災によるダメージで取り外されたそうです。
現在、本物の後ろに聳え立っているのは1991(平成3)年に故・西村公朝(にしむら こうちょう)氏の監修による、何とアルミ製の光背なのだそうですよ。

さて、この強力な光背と持ち物を装着した鎌倉長谷寺モデル十一面観音立像のお姿がこちらにございますよ。

大っきいので、何時も背景にしている黒いボードには納まりませんでした。
普通の壁紙が背景になっています。
「河越御所」は商行為をしておりませんので、背景はこんなんでイイのです(笑)。

光背+持ち物を装着した状態で、グルッとまわってもらいました。
光背を付けちゃうと、後方の様子に余り変化が見えませんからね。
そこは省略して、コマを少なくした転回画像にしました。

ぢゃぁ、十一面観音本体の様子に迫っていきますね。

光背の存在感がかなりのものですが、天冠及び小観音の顔もまた緻密に再現されていますよ。

頭上の小観音の顔たちに、目線を合わせています。
ピンボケしちゃっていますが、実物はひとつひとつ表情がしっかりとしていますよ。

お顔のどアップにございます。
額のところに〝不備があるんぢゃないか?〟と思ったのですが、本物の画像を確認したところ、この皺の様なラインは本物準拠でした。
コレ、明記しておかないとクレームを寄せてくる原因になってしまいますよ。
今後、鎌倉長谷寺モデル十一面観音を迎え入れる方々は、額の状態はこれでよろしいことを認知しておきましょうね。

左側が錫杖によって見えなくなっていますが、冠の瓔珞もまた緻密なつくりになっています。

左手には地蔵菩薩と同様に衆生(人びと)の救済する錫杖を、逆手で持っています。
【小】サイズの紹介でも同じ過ちをしてをしまいましたが、数珠は右手に持たせるのが正しいのだそうです。
後で直しておきます。

左手では水瓶を摘まみ持っています。
しっかりと小指を立てているところも門モノ準拠だそうですよ。

胸の瓔珞に、朱色の宝石を表現するために朱色が注されています。

膝元あたりから見上げているのですが威圧感、ありますよね。

本物は現物を見ても解り辛いのですが、後世の修復が多いのだそうですよ。
鎌倉長谷寺の本物の造立年大は判明していませんが、室町時代あたりの作と推定されています。
1964(昭和39)年に実際された調査では、
 ・1485(文明17)年の修理銘札が発見
 ・1677(延宝5)年にも修理が実施されたことが判明
したそうですよ。

足元の様子です。
四角い大盤石という台座に立って御座します。
「御足参り」(みあしまいり)は通常、12月18日のみに行われるのですが、「長谷寺1300年プロジェクト」では期間限定で毎日「御足参り」ができていたそうですよ。
参拝客が足に触れることで変色してしまっている状況が再現されています。
こうしたところは〝芸が細かい〟ですね。

御分身の造形、素晴らしいですよ。
左下から、右下から見上げています。
〝大〟サイズ、さすがに複数体を並べることは困難ですが、こうして遊ぶことはできます。

一緒にいただいてきた「本尊木目札」を横に据えてみました。
・・・が、これでは【大】サイズのでかさが伝わりませんね。

ぢゃ、これでどうでっかっ!

あらっ、予想に反して煮辛かったですね。
【大】サイズの手前に【小】サイズを立たせてみました。

では、

【大】サイズの隣に【小】サイズを立たせてみました。

持ち物を直さなくてはなりませんし、これでは構図があまりよろしくありませんのでね。
鎌倉長谷寺モデル十一面観音「御分身」のネタは、もうちょいと続きますの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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