法具型武器紹介 独鈷剣

「武装商店」様HPの2009(平成21)年1/5「槍じゃないんじゃよ。」で紹介された「独鈷剣」のお話です。

金属製の「剣」については、神社装束・用品を取り扱う店舗に神楽用剣の取り扱いがありました。ただ在庫を持たない受注生産で、数ヶ月を要する状態でした。デザインも洗練されたものではなく、装飾も稚拙であって購入には至りませんでした。

新宿・魂琥李斗(現ガットバスター&コンクリート)様では2007(平成19)年8月、「貫」(つらぬき)という、真鍮製の剣身を日本刀の拵えに納めた商品を開発されました。

(画像は「ガットバスター&コンクリート スタッフブログ」livedoor BLOG版より)

この発表は衝撃的でした。特注も受け付けていて、素敵な客注品紹介もされていました。
そうした事例を参考に、柄巻や鮫皮の変更などを考えていました。

刀身(剣身)が真鍮を削って成形した本格的な「剣」は2007(平成19)年に発売、それ以降、拵えを変えた商品が色々と販売されることになります。

2008(平成20)年7月、秋葉原・武装商店様はこの真鍮製の剣を用いた「試製・穿(せん)」を発表されました。
武装商店様では、それ以前に〝小烏丸刀身(切先諸刃)の直刀〟の取り扱いがありましたが、本格的な諸刃の剣身はこれが最初でした。直ぐに売れてしまったようです。

                   (画像は「武装商店」HPより)

武装商店・店主様から、剣身は〝ある程度の数が造られたので、拵えの要望があれば特注は可能〟であることを教えていただきました。剣なので、遺跡から出土したものを復元した拵えについて相談したのですが、目釘の打ち方も変わってしまうし、金属パーツが多くなり、デザインも特殊なので現実的には難しいということになってしまいました。
・・・その後もどの様なデザインにするかを考えましたが、まとまらずに時間が経過してしまいました。

2008(平成20)年末、〝今年もお世話になりました〟挨拶を兼ねて武装商店様を訪れました。すると黒色の直刀(剣でした)の検品をしている最中で、当然気になったので
「それは、新商品ですか?」
「値段はいくらですか?」
と矢継ぎ早に質問し、早々に購入することとなりました。
年末年始の目玉商品だったのでしょう、「紹介前に光の速さで売れていったアレ」と暫く表されてしまいました。
でも、それまで実物を見る機会が無く、存在を知ってから1年半が経過しての初遭遇でしたから〝逃すまじ〟という心意気でしたので致し方ありません。

 

 

 

これまで美術刀用刀身を用いた独鈷刀・三鈷刀を発表した「Elfin Knights Project」様製作の独鈷柄。

 

独鈷杵は、古代インド神話で帝釈天などが手にする武器で、結界を張ったり、一切の魔物を討ち滅ぼしたり、自己の煩悩を処断する法具です。
独鈷杵をイメージしている剣なので、この柄だけからも充分な攻撃力/戦闘力/破壊・・・様々な力を有している感じです。

 

左側が「胎蔵界大日如来」の梵字で「アーンク」と読み、幸運・豊穣の利益があります。
右側が「金剛界大日如来」の梵字で「バーンク」と読み、智慧・達成の利益があります。
こうして見ると、この一振は真言密教の世界観を表現する「剣」になっているのです。

 

切先はこの様な姿です。直刃に細かい互の目刃文が入っています。
現存する鋒両刃の剣(剣の様な刀も含む)を見ると刃文は直刃なのでしょうが、二重刃文とすることで美しい姿を表現している(つまりカッコ良さ10割増し)ように感じます。

 

鞘を払った、抜き身の様子です。
光の当たり具合で直刃にも、場所によっては〝ギザギザ〟な刃文にも見えます。
柄自体が金属製で、剣身は2箇所ネジで締められています。分解をしていませんが(今後もしません)、木製柄の様な剣身にピッタリとした内側になっていないようで、カタカタと剣身が少し揺れます。構造上の理由でしょうが、振り回したりすることはありませんので大丈夫です。

 

この剣身の為に新造された菱形の鎺です。

 

独鈷剣のサイズを把握しやすいよう、通常居合刀(九字兼定・梵字拵)と並べてみました。
因みに当家で一番〝普通の拵え〟なのは、この九字兼定・梵字拵です。

抜き身での比較です。
アルミの中国剣と違って、真鍮製で長い剣身ですから重たいです。
また真鍮製で長い刀身(剣身)だと〝自重でたわむ〟ということも聞いていたので、横に寝せたりはせず、縦に立てておくか、刀掛けにのせています。

この国産の「剣」(模造刀としての)が販売されたのは、比較的短い期間でした。
現在は取り扱いが無いハズです。・・・極めて残念なことです。

 

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