2025(令和7)年の春頃、何時もお世話になっていスタッフ様との会話の中で
「大日如来のStandardって黒さがつよいですよね」
「デコマス版より金色を強くできませんかねぇ」
「金色の大日如来はもう居るので、そこまで金を乗せ過ぎないように」
・・・と気儘なことを放言していました。
すると、スタッフ様からブランド・マネージャー様へと話が伝わり、ほぼ半年掛かりで「大日如来」Standardの特別債敷きができあがりました。
こちらは「イSム」様公式HPの「大日如来」Standardのお顔でございます。
(「イSム」様公式HPより 「大日如来」Standard)
そして、こちらが中国の工房で職人さんが前掲の要望を年頭に特別彩色してくださった「大日如来」Standardの画像です。
う~んっ、イイ感じ(笑)。
・・・お顔、もっと強めの金色が欲しいなぁ。
「株式会社MORITA」様本社で実物と対面したところ、手間が掛かった特別彩色の「大日如来」Standardでした。
ところが宝冠の右側に損傷があったことが判明、修繕していただくことになりました。
修繕箇所は篁千礼氏の彩色をしていただくことになり、
「可能であれば、篁千礼先生の感性で金色を注してもらえませんかね?」
と、我が儘なお願いを追加しました。
勿論、アーティスト篁千礼氏に筆を握っていただくので、相応の経費は必要となったのですがね。
・・・そして、篁千礼氏の筆が加えられた特別彩色「大日如来」Standardが「株式会社MORITA」様本社に到着したという連絡をいただき、迎えにいってきました。
光背を装着していませんが、とても存在感を発しておりましたよ。
標準の「大日如来」Standardと比較して、彼方此方に金色が注されていますがベタ塗りではありません。
これが〝特別彩色〟なのですよ。
価格は跳ね上がりましたが、それ以上に歓喜の念をもって迎えることができました。
お顔の印象、篁千礼氏の筆が入ったことで当初の画像とは、かなり雰囲気が変化しましたね。
「現在残っている金色を、少し広げる様な感じで・・・」という、とても抽象的なお願いを伝えていただいたのですが
流石は芸術家・篁千礼氏の彩色にございましたよ。
本物の大和国圓成寺大日如来坐像の金箔残存具合を彷彿させる、「大日如来」Standardと相成りました。
造像当初の光厳に輝いていた大日如来が、時間の移ろいと共に金の剥落・褪色が進んでしまった・・・という、室町時代末期~江戸時代前期頃の常態をイメージしております。
左目の周辺、本物の圓成寺大日如来に印象が酷似していますね。
右目の周辺は、やはり本物の圓成寺大日如来同様に金色を注し過ぎない様に筆が入っていますね。
宝冠の右側、白い宝石が嵌め込まれている装飾部分、折れ曲がって彩色が剥落していたのですが、そうした常態になったことが判らなくなっています。
素晴らしい修復をしていただきました。
誠に有り難うございました。
・・・と謂うことで「河越御所」に、この特別彩色「大日如来」Standardを連れ帰って来ました。
先ずは、背景を黒くして、光背を装着していない状態で座ってもらいました。
通常の「大日如来」Standardと並べることをしませんでしたが、かなり華やかさを纏っているお姿になっております。
通常の宝冠は青緑色で塗られていますが、この特別彩色「大日如来」Standardでは時期が未だ良好に残っている常態をイメージして塗っていただいております。
所々に剥落・褪色の始まりを表現していただいております。
とても手間を掛けていただきました。
光背を装着しての、宝冠部分を注目していますが、光背部分の彩色も本体(大日如来)の彩色と調和を意識した塗りになっています。
修繕していただいた箇所、もう判別できなくなっています。
素晴らしい。
光背未装着の状態で、宝冠を左右から観察しています。
金色のベタ塗りではありませんね。
絶妙な色合いとなっております。
「大日如来」Standardの宝冠は、しっかりした金属製(真鍮)となっております。
この細やかな透かし彫りだけでも、素晴らしい再現ですよ。
光背が無い状態から、宝冠の後方/大日如来の後頭部を観ています。
宝冠は3分割されたパーツの組み合わせであることが判ります。
光背で隠れちゃう箇所ですが、容赦無き塗り分けがなされていますね。
こういうところが〝特別債敷きの楽しさ〟にございますよ。
後頭部の頭髪も、丁寧に複数の色使いがなされていますし、耳朶の塗りも経年を感じる金色の注し方をされています。
宝冠に注目して、左右・後方から観た様子です。
大日如来の頭髪も、場所によって違う色で塗り分けられています。
こうした取り組みによって、2025(令和7)年生まれの「大日如来」Standardなのですが、数百年を生きてきた感じを醸し出しています。
中国の弘法で特別債敷きに携わってくださった職人さん、ホント有り難うございました。
後頭部に注目しています。
襟足のあたり、丁寧な経年の様子が表現されています。
耳朶も、肩・背中にかけても経年による変化に富んだ色合いが手塗りで表現されています。
中国の工房の職人さんによる手間暇が掛かっていますね。
お顔を、正面から観察しますね。
金色の良好な残存状況、剥落、ヒビ割れ・・・お顔で様々な金色の状況が混在しています。
篁千礼氏の彩色も加えられています。
〝正解って無い〟ですからね。
中国の工房の職人さん、篁千礼氏の感性が重層的に絡み合い、同じ仏にはならない素敵な大日如来が誕生しました。
下世話なことになってしまいますが〝極月の賞与〟のうち、かなりの額をもっていかれましたからね(笑)。
相応に楽しい思いをしないとねっ!
光背を装着し、お顔の様子を観ています。
400~500年くらいの時を経て、「河越御所」に辿り着いた感がしますよね。
「イSム」様のインテリア仏像は、彩色による〝時の流れ〟を見事に表現されますからね。
何処かの寺院が所蔵していたと謂っても、疑問を持たれることは無いくらいですよ。
両目の周辺、金色の塗り肩が全く違っていますね。
こうした手の込んだ塗りが、何百年も生きてきた仏像っぽさを主張・強調することになっているのですよ。
斜め左右から、お顔の様子を観ています。
本物の圓成寺大日如来の画像と並べて比較すれば、違うことでしょう。
でも、それは気にすることではありません。
視点・角度を変えると様々なお姿・表情を楽しむことができます。
今回「河越御所」に迎えた特別彩色「大日如来」Standardは、唯一無二の大日如来となりました。
嬉しい極みですぞ。
瓔珞(ようらく)の様子を観ています。
この瓔珞、大日如来と一体化で造られたのか、それとも別個で制作された物を途中で合体させたものなのか・・・判りません。
今度、スタッフ様に聴いてみますね。
上腕部の飾りも同様です。
大日如来の本体との境目がシャープなので、別材の合体と推察していますがね、如何でしょうか。
脇腹から背中、腰元に至るまでが丁寧に塗られています。
光背を装着していないことで見える、気付くポイントですね。
隠れて見えない箇所でも、特別債敷きでは気合いが入った手塗りがなされているのです。
智拳印の表裏(左右側)も見えていますね。
なかなか興味深い画像となっています。
背中を観ています。
肩のあたりは金色の残存状況が良好ですが、背中になると重力等の影響でしょうか?
剥落やヒビ割れが目立つ様になっています。
凹凸の形状でも、金色の残り具合に差異が生じていますね。
全て、手塗りでの表現ですよ。
結跏趺坐の様子を観ています。
通常の「大日如来」Standardですと、白っぽい塗りが施されています。
特別彩色「大日如来」Standardですと、淡い金色が中心となっています。
膝に掛かっている瓔珞は、旨・上腕部よりもだいぶ薄まった緑色が塗られています。
こうした〝個性的特徴〟を見付けると、更に嬉しさが増していきます。
腰周りを観察しています。
光背を差し込むと隠れてしまう箇所ですが、繊細に手塗りされていますね。
妥協無き、中国の工房の職人さんの手塗りを堪能しておりますぞ。
折角なのでね、光背を差し込んぢゃうと隠れちゃう背中・腰周りの様子を1枚の画像で観ていきます。
何度も指摘していますが、光背で隠れてしまう箇所にも、通うに繊細な塗りが施されているのです。
将に〝数百年を過ぎしてきた背中〟ですよね(笑)。
光背を装着すると
見えるのは、この様に背中の一部だけなのですよ。
先にご覧いただいた後頭部・肩から腰周りは、光背の蔭になって見えないのです。
普段は見えないところなのに、大変手間を掛けて彩色が施されているのですよ。
いや~ぁ、何と素晴らしいことでしょう。
蓮台座上に座す、特別彩色「大日如来」Standardを見上げた画像です。
何とも神々しい仏像なのでしょう。
美しいこと、この上ありませんぞ。
神仏習合の観点からすれば、天照大神=大日如来ですからね。
「河越御所」は、素晴らしい「大日如来」を迎えることができました。
光背を装着する前の、「大日如来」の後ろ姿です。
頭上の宝冠から框座(かまちざ)まで、全力投球で手塗りしていることが判ります。
中国の弘法の職人さんの熱意が伝わってきますね。
先にTanaCOCORO「大日如来」を新たに迎えたお話をしました。
TanaCOCORO「大日如来」の背後に、親分的に特別彩色「大日如来」Standardが御座します。
ピントが特別彩色「大日如来」Standardに合った画像ですが、圧倒的な力が備わっている様子が伝わる画像になっています。
こちらは逆に、前方に据えたTanaCOCORO「大日如来」にピントが合った画像です。
TanaCOCORO「大日如来」がキリッと此方側を見据えています。
その背後に、ぼやけてはいますが特別彩色「大日如来」Standardがどっしりと構えています。
偶々2種類の画像が撮れた訳ですが、2025年末に迎えた大・小2体の大日如来、2026(令和8)年になってからも「河越御所」を明るく照らしてくれそうです。
大日如来の威光、善哉善哉。
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