「スペクトルお兄」さんによるM-ARTSリアル仏像「四天王」の「リペイント改造」シリーズも第3弾を迎えましたよ。
静寂なるイメージを醸し出す「広目天」に御座います。

遙か遠くを見据えた涼しげな眼差しが特徴の東大寺戒壇堂モデル「広目天」ですが、こうしてリペイントされてシルバーを纏うと、凹凸/陰影が際立って見えます。
ノーマルVer.に比べると表情がハッキリと見えるので、存外険しい目付き/顔付きをしていることに驚かされます。
体勢はカッコいいですよね。
360度、回ってもらいました。

涼やかな・・・いやっ、極めて冷徹な眼差しで全てを見透かしている感じ。
憤怒の相ではありませんが、ある意味〝恐るべき〟表情ですよ。
頭部は「多聞天」と同様に

髻の前に五角形の装飾板を装着して、「五山髻」(ござんけい)の結い方をしています。
ノーマルVer.だと〝何となく~〟って感じでしたが、今回の「リペイント改造」によって形状が明確になりました。
「スペクトルお兄」さんの細やかな色の塗り分けで、頭部の様子がハッキリと判りますね。
それはそうと、斜め上から観ている訳ですが〝厳つい顔〟をしていますなぁ。

東大寺戒壇堂モデル「四天王」は、兜を装備している「持国天」の覗く3体が「五山髻」で頭髪を調えています。
何で「持国天」だけ兜を装備しているのでしょうかね?
東大寺戒壇堂モデル「四天王」で、「広目天」は福耳でした。
ちょいと写真で確認したら、「多聞天」も福耳でした。
「持国天」は兜を被っているので見えませんでしたし、「増長天」は福耳と云う程ではありませんでした。
時間にゆとりがあったら、東大寺戒壇堂モデル「四天王」について、調べてみますね。
後頭部を観ると、

「多聞天」と同様に髪の束の間の溝に金色が注されています。
おっ、若しかして黒色も注しているっ?
「広目天」の頭頂を結ぶ紐は・・・金色でした。
「スペクトルお兄」さんの遊び心か?
項(うなじ)を見ると、若干銅色を注しているのが判ります。
色々と試しながら、手間を掛けてくれたのですね。
「スペクトルお兄」さん、感謝です。
前の方から顔を観ると・・・

冷た~い、冷た~い眼差しの直撃でした。
画像だと見え辛いのですが、瞳が金色になっています。
この「広目天」と目が合うの・・・嫌ですわ、仲間だから善かったものの。
ノーマルVer.よりも迫力が増していますよ。
ちょっと撫で肩なのが・・・気になる(笑)。
左手で巻物、右手には筆を持っています。

肩の獅噛(しかみ)が「持国天」や「多聞天」のと比べると控え目なんです。
獅噛(しかみ)の何が控え目かって

牙・歯が無い・・・。
赤い目をしてイイ雰囲気を醸し出しているのに・・・牙・歯が無いので何だか物足りない。
まぁ、東大寺戒壇堂モデルの本物がこうなっているのでね。
左手の巻物。

こうした感じで持っています。

見方を変えて、巻物の持ち方を観ています。
えっ、特別何かを見付けた訳ではありませんよ。
鎧の胸甲、平べったいですね。
装飾もありませんしね。
鎧の形状は、造像者の感覚・感性なのでしょうかね。
右手の筆。

かなり長い筆です。
筆先の毛が長く、字を書くのが難儀なのではと心配してしまいます。

垂れに照明の光が反射していますが、この箇所は肉眼で見ると青味がかったシルバーなのですよ。
青味がかったクールなシルバーは、肉眼だととても綺麗に見えるのです。
美しいのですよ。
画像では伝わっていないのですが、カッコいいポイントの一つなのですよ。
「広目天」が装備している鎧を、正面から観ています。

鉄板・革鎧は薄めの表現となっています。
金色の縁取り/紐の菌塗りが丁寧に為されています。
シルバーの鎧ですが、場所によって変化を付けていますね。
下半身を防護する垂れですが、下は黒色を注していますし、重ねている上は銅色が注されていて、同じ革鎧の描写に敢えて違いを生じさせています。
地味なのですが、こうした細やかな手間が全体を観たときに自然な風合いだったり、動きによって生じた陰影にリアルな雰囲気を添えているのです。
腰周りの天衣・布帯には僅かですが金色が注されていますね。
後方に回って、背中の様子を観ています。

前方とは打って変わってスッキリ、革鎧がとても薄いものである印象を受けます。
身体のラインが艶めかしい程に強調されているかの様です。
そのまま視点を下ろしていきます。

ねえっ、シルバーの単調なベタ塗りぢゃありませんよ。
注し色を変えて、銀色に表情を持たせていますね。
こうした手間で、革鎧の柔らかくも身体を護る頑丈さが視覚的に伝えることができています。
更にそのまま下に視点を下ろしていきます。

「広目天」の足元、銅色が注されていますね。
足元の風合いに深みが出ていますし、踏みつけている邪鬼とのバランスがとれています。
踏まれている邪鬼の腰周りがやんわりと銀色が見えています。
こうして邪鬼にも塗り方に差異を付けていることで「四天王」4体にそれぞれ個性が際立つ結果となっています。

邪鬼の足元の肩から観ています。
「広目天」は力むこと無く、邪鬼を踏み布いています。
とっしりとした安定感がありますよね。
ところで、邪鬼はコンプライアンス的に犢鼻褌を着用すべきです

前方から、邪鬼の踏まれ具合を観察しています。
邪鬼の腹部分に銀色が遺っていますね。
重ね塗りをしているからといって、全てを同じにする必要はありませんからね。
こうして違いを敢えて隙をつくっているところも「スペクトルお兄」さんの遊び心でしょう。
「広目天」は、邪鬼の急所を抑える様に邪鬼を踏み拉いているのです。
綺麗な色の塗り分け/注し色の影響で、邪鬼を踏んでいる足元が美しく見えています。

邪鬼の色味に変化があって、個性が強調されています。
首根っこが完全に抑えられているので、全く動くことができませんね。
抑え込まれて、徐々に生気が弱っている様子を表現しているのでしょうか。
邪鬼の身体の下地(銀色)がグラデーションを為しているところ、邪鬼の具合を表現している見えます。
彩色で邪鬼の状態を表現するとは、「スペクトルお兄」さんの技法はかなりのものですね。

邪鬼の顔に目線を合わせています。
相当ぐったりとしていますね(笑)。
ノーマルVer,だとスルーしていたことが、「リペイント改造」によって明らかとなりました。
邪鬼の体勢・状態にも個性が備わって、素敵な「リペイント改造」になったと喜んでいます。
「スペクトルお兄」さん、心底有り難うという気持ちを伝えたいです。
最後に「広目天」本体に注目します。

銀色ベースの「リペイント改造」により、表情が明らかになりましたね。
極めて厳つい顔つきでしたが・・・。
武器は何も裳っていないのですよ。
なのに、この隙の無さ・・・・
まぁ「四天王」のうちのひとりですからね。

画像では伝わっていませんが、光が反射しているところが青味がかっています。
周囲に黒/銅色が注されているので、銀色そのままの箇所が青く見えているのか、それとも意図的に青味を含ませているのかは・・・・判りません。
今度、スペクトルお兄」さんに聞いてみますね。
今度は反対側(「広目天」左斜め前)から観ています。

厳つい表情が際立っていますよね。
身体全体を見ても、巻物と筆を持ってはいますが力んでいる様には見えません。
持っているのが巻物と筆ですよ。

逆に武器を持っていないからこそ、「広目天」に備わっている静かな殺気が放出されているのでしょう。
踏みにじられている邪鬼の表情も、またイイ(笑)。
「スペクトルお兄」さんの「リペイント改造」により、廃盤となった中古品が見事に〝生まれ変わり〟を果たしました〟
未だ3体しか観察していませんが、3体いずれも特徴的な「リペイント改造」をしてもらいましたね。
「河越御所」ではM0ARTSリアル仏像「四天王」のノーマルVer.と、イSムTanaCOCORO「四天王」ナイトグロウVer.の記事を公開済みです。
それぞれの掲載画像と、今回の「スペクトルお兄」さんによる「リペイント改造」Ver.の画像を見比べて、お楽しみくださいな。
次回は、残っているリペイント改造された「増長天」のお姿をご覧いただきますね。
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