伐折羅(Standard 興福寺東金堂モデル 廃盤)

2024(令和6)年12月11日(水)、TanaCOCOROサイズの伐折羅(興福寺東金堂モデル)が発売されます。
商品名は
 伐折羅~魄(はく)~
と命名されています。

公式HPの画像を拝見すると、小さいながらも鬼気迫る表情が見事に再現されており、発売にとても期待感を持っています。

さて、2014(平成26)年12月に興福寺東金堂モデルの「伐折羅」Standardサイズが発売されました。
残念ながら、現在は終売品となっておりますの。
「伐折羅」Standardサイズの発売から丁度10年目、TanaCOCOROサイズで興福寺東金堂モデル「伐折羅」が発売されるということで、「伐折羅」Standardサイズのお話をしましょう。

 

被っていた埃を払って、大和国興福寺東金堂モデル「伐折羅」Standardを登場させました。
真似すると難儀な姿勢をとっていますが、静止しているのに躍動感が溢れている不思議な像です。

 

360度、回らせました。

回すと〝踊っている〟みたいです。
実際、見る角度(視点)によっては剣舞の様に見えます。

 

頭髪は髻(もとどり)の先を炎髪状態にしています。
興福寺東金堂の十二神将は、髻の中に干支が象られています。
「伐折羅」の髻の中には「戌」が居ます。

額の中央には菊花の紋が据えられていますね。
一応、頭髪が乱れない様な装飾の一環としてですね。

まぁ、強烈な忿怒相ですこと。
何して、怒っているの?言葉を掛けたくなる程です。
・・・判っておりますよ。
仏敵に対しての向き合い方ですよね。
「河越御所」が詐欺ヤロウに対する心情と同じですよ。

 

髻の中の「戌」ちゃんです。
指摘されないと、気付かない造形ですね。

 

後頭部の方へまわって観ています。
頭髪は綺麗に調っており、前方から見える一部分だけが炎髪風にハネさせていますね。

 

では、忿怒相のアップにございます。

光の当たり具合で暗い画像になっていますが、忿怒相であることは伝わりますね。

 

背景を黒くすると

「伐折羅」の表情がよく判りますね。
炎髪部分に赤味が注されています。
眉?筋肉?の盛り上がりが凄いっ。
口の開き方も特徴的で、怒りの度合いが伝わってきます。

興福寺東金堂モデル「伐折羅」、最大の特徴は瞳の無い〝赤目〟ですね。
インテリア仏像として生活空間のどこかに飾るということを考慮すれば、〝この赤目〟は厳し過ぎますよね。
人によっては、この〝強烈な目力〟に恐怖の念を持つでしょうし、睨まれていると感じて堪えられなくなってしまうことでしょう。

実際に「目が怖い」というお声も寄せられたそうですよ。
開眼をしていなくても、斯様なパワーが発せられています。
イSム様インテリア仏像は、偶に〝強烈な目力〟を有した者がおりますのでね。
ラッキーと思うか・・・は、運次第ですね。

 

興福寺東金堂モデル「伐折羅」の忿怒相は、日本で造られた仏像のなかでもトップクラスのものでしょう。
イSム様インテリア仏像は〝本物準拠〟を標榜していますからね。
それでも、かなりディフォルメを施し、〝飾ることができる〟表情にしていますが、この様に観察していくと〝寸分の隙も無い緊張感〟が漂う忿怒相ですよ。
もう〝魔除け〟なんて甘っちょろいものではありませんね。
〝魔物狩り〟〝魔潰し〟、いやいや〝摩滅〟レベルですよ。

 

〝強烈な目力〟と並んで、興福寺東金堂モデル「伐折羅」の特徴となるのは

この、逆手で構える「三鈷剣」でしょう。
剣を逆手で持っているということは、〝標的を仕留める〟直前の姿であることが判ります。
標的は仏敵?魔物?でしょうが、確実にロック・オンされていますよ。
・・・瞳の無い赤目と三鈷剣を逆手に持っている態勢が連動して、「伐折羅」像全体が殺気を纏っているのです。

 

切っ先を獲物に向けている三鈷剣、それだけだと「よくできているなぁ」とか「綺麗につくられている(遺っていた)なぁ」と思います。

 

でも、三鈷剣を振りかざしている姿として観ると、
 「殺」
 「滅」
という文字しか思い浮かばない、恐ろしい造形であることに気付かされます。

 

だって、

標的を左手で圧しているのですから。
仏敵?魔物?は、こうして討ち取られるしか無いのですよ。

 

掌(てのひら)を下に向けているだけなのですよ。
でも、それは〝抑えている〟のではなく、〝標的を圧している〟様子を表現しているのです。

 

目線は下に向けられていませんが、〝標的を圧している力〟が強いことはお判りいただけることでしょう。
「衆阿弥」もしくは実際に造像した仏師は、ここまで意識・想定して、「伐折羅」像をこの態勢にしたのでしょう。

 

前方から観ると、この様な感じになるのですた、下から見上げるとパワーが数段・倍増しますね。
両手で獲物を捕らえ、目線は「次の獲物はどれだっ!」という威圧を遠くまで飛ばしているかの如しです。

 

「伐折羅」の懐に入って上半身の様子を観ています。

中国風の鎧を着用しています、
鎧の下に重ね着をしている衣、身体の動きに合わせて翻る様が表現され、「伐折羅」像の躍動感を高めています。
本物の「伐折羅」像は、彩色が良好に残存しているので、イSム「伐折羅」よりも赤味が強いものとなっています。
逆にイSム「伐折羅」は、彩色のトーンを落とすことで経年による褪色を見事に表現しています。
〝華やかで有ればイイ〟というものではないことを、気付かせてくれていますね。

 

後方、背中側にまわって見ます。

身体のラインの出方から、鎧の材質は皮革なのでしょうか。
躍動感ある態勢ですから、革製の鎧を着用していると見做しますね。
すると、東大寺戒壇院の四天王が着用する鎧を参考にしている様に思ってしまいます。

 

薄めの鎧、場所によっては甲を重ねている構造の様です。
身体のライン(曲線)を活かすことで、「伐折羅」像の動きに広がりが出ていますね。

 

後方、右斜めから観ています。
お判りでしょうか?
鮮やかな彩色ではなく、寧ろ地味な色合いでの彩色になっていますが、何・何・何と〝木目が表現〟されているのですよ。
型抜きの段階で木目を表現する凹凸はあるのでしょうが、それを活かした彩色がしっかりと為されています。
身体の滑らかな曲線と相俟って、木造「伐折羅」像の雰囲気を調えていますね。

 

下半身を、「伐折羅」像の斜め左前から観ています。

新薬師寺の十二神将に見られる様な、甲の重ねとなっています。
学術論文や専門書等を調べてはいませんが、
 背 中:東大寺戒壇院の四天王
 下半身:新薬師寺の十二神将
を参考にして造像したのではないでしょうかね。
距離的にも近いし。

腹の部分がちょいとふっくらしていますが、そこが身体の生々しい表現となり、重ねた鎧が本当に身体を護るための防具に見えます。
経年褪色を表現する彩色が、地味な色の組み合わせですが丁寧に為されています。
本物の造像時、恐らくもっと赤味が強く艶やかな姿だったことでしょう。

 

後方にまわり、腰元辺りに視点を合わせています。

両足を広げて踏ん張り、上半身をかなり前傾させています。
実際に、この態勢で静止は難しいですよね。
将に〝標的を仕留める〟瞬間の様子でしょう。

上半身の装備は軽装備に近いものとし、下半身の装備が重厚な装いとしてバランスをとっていますね。
衣の裾の靡き方は風の受け方というよりも、全体像のバランスを考慮してのものととらえます。
後方から観た「くの字」形の態勢、大変調えられたものになっています。

 

踏ん張っている両足の様子を観ていきましょうか。
衣の裾は右腕が上に伸びていることから、この様に像の右側に流して像全体のバランスを調えるのがよろしいですね。
反対側に流すと、身体の「くの字」形の調和が崩れてしまいますからね。
造像に携わった仏師達の炯眼には感服です。

 

大和国興福寺東金堂「十二神将」は薬師如来の守護神として東金堂内に配置されています。
その中で「伐折羅」は、12体で唯一草履を履いています。
結構骨っぽい足として表現されていますね。

因みに、こうした像は堂舎が火災に見舞われた際、土台から引っこ抜いて外へと運びます。
つまり2~6名くらいで避難させるのですよ。
イSム「伐折羅」は、台座から本体を引っこ抜くことはできませんがね。
本物は、それが可能です。

そうしたこともあり、学術調査の範疇で解体した際に十二神将のうち
 ・波夷羅の足枘(あしほぞ):「建永二年四月廿九日菜色了」の墨書
 ・珊底羅の足枘(あしほぞ):「衆阿弥」の墨書
が確認され、興福寺東金堂の十二神将は1207(建永2)年のうちに彩色がなされ、衆阿弥が彩色もしくは造像されたことが推測されています。

先達からのメッセージ、長かろうが短かろうが、貴重な情報ですよね。

 

衣の裾ですが、風を受けて膨らみを見せています。
よく観察すると、木目が見えるだけでなく、木造であることを感じさせる彩色が施されています。
イSム様インテリア仏像は、彩色によって経年褪色を表現するだけでなく、ポリストーン製であるのに〝木造の如き風合い〟をも表現しています。
こうした技術、後世に継承していただきたいものですな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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